この記事を読むと理解できること
- ベンチャーの採用に関する悩める企業の実態 がわかる
- ベンチャー企業の採用が難しい6つの理由と採用課題 がわかる
- ベンチャー企業の採用トレンド がわかる
- ベンチャーが採用を成功させるためのポイント がわかる
- ベンチャーだからこそできる、大手に勝てる採用戦略 がわかる
- ベンチャーにおすすめの採用手法5選 がわかる
- ベンチャーの採用成功事例3選 がわかる
- ベンチャー企業の採用に関するよくある質問と回答 がわかる
ベンチャー企業は新しいアイデアやビジネスモデルを武器に市場へ挑む存在ですが、採用活動においては大手企業に比べて難しさを抱えるケースが多く見られます。知名度や待遇面での差があるだけでなく、事業の将来性や成長環境といった魅力を伝えきれないことが課題となるからです。
しかし、工夫次第で優秀な人材を惹きつけることは十分可能です。本記事では、ベンチャー企業が採用において直面する壁や難しいとされている理由を調査し、成功のための戦略、効果的な採用手法、さらには実際の成功事例を解説します。
ベンチャーの採用は難しい?悩める企業の実態
採用に課題を抱えているのは、何もベンチャー企業だけに限った話ではありません。日本の企業全体で、人材に関する悩みが経営課題の上位を占めている現状があります。そのことを示すデータをまず押さえておきましょう。
帝国データバンクが実施した「中小企業の経営課題とその解決に向けた取組に関する調査」によると、中小企業が最も優先度が高い経営課題として挙げたのは「人材の確保」で46.6%にのぼります。次いで「人材の育成」が13.1%、「財務・資金繰りの改善」が7.5%と続き、人材に関わる課題が経営の中心的な悩みとなっていることがわかります。

ベンチャー企業の採用が難しい6つの理由と採用課題
ベンチャーが採用に苦戦する背景には、いくつかの構造的な要因があります。大企業と比べてどのような点で不利になりやすいのかを知ることが、対策を立てるための第一歩です。それぞれの理由を順番に確認していきましょう。
①あまり良い印象を持たれていない
ベンチャー企業に対するイメージは、求職者によって大きく異なります。魅力的に映る面がある一方で、不安要素として捉えられることも多く、採用活動の入口で候補者が離脱してしまうケースも起こりがちです。
求職者がベンチャー企業に抱きやすいポジティブ・ネガティブそれぞれのイメージを整理すると、以下のとおりです。
【ベンチャー企業へのポジティブなイメージ】
- 裁量が大きく、自分の意見が反映されやすい
- 先進的・革新的なビジネスに携われる
- 成長スピードが速く、早い段階でキャリアアップできる
- 社長・経営層と距離が近い
- 若いうちからマネジメント経験を積める
【ベンチャー企業へのネガティブなイメージ】
- 経営が不安定で倒産リスクがある
- 年収や待遇が大手より低い傾向がある
- 労働時間が長く、働き方がハードそう
- 福利厚生や制度が整っていない
- 仕事の範囲が曖昧で、何でも任される
②知名度が低い
採用市場において知名度は、それ自体が強力な武器になります。名前を知っている企業には自然と求職者が集まる一方、無名の企業はいくら条件が良くても、そもそも見つけてもらえないという現実があります。
大企業がナビサイトのトップページを飾り、CMで学生に刷り込みをかけているのに対して、ベンチャーはそこに予算を投じることが難しい。結果として、採用活動を始める前の段階で露出の格差が生まれているわけです。
知名度の低さは、単に応募数の少なさにとどまらず、内定辞退率の高さとも関係します。内定を出した後に、知名度の高い企業と比較されて辞退されるパターンは、ベンチャー採用の現場では頻繁に起こることです。こうした課題に向き合うためには、採用ブランディングへの継続的な投資が求められます。
③採用コストを大企業程かけられない
大手企業はナビサイトへの大型掲載や採用イベントへの出展、さらには専任の採用チーム運営に数百万から数千万円単位の予算を投じることができます。しかしベンチャーの多くにとって、そこまでの投資は現実的ではありません。
限られた採用コストの中でいかに効率よく人材を獲得するかという命題は、ベンチャー採用担当者が常に向き合う課題です。コストをかけられないからこそ、どのチャネルにどれだけ投資するかの判断が採用成否に直結します。
そのため、費用対効果の高い採用手法の選定が特に重要になります。成功報酬型のサービスや、比較的コストを抑えられるスカウト型の媒体など、自社の規模に合った選択をすることが求められます。
④採用にかけられるリソースが限られている
採用担当者が専任でいるケースは少なく、他業務と兼務しながらスカウト送信や面談対応をこなしているというのが、多くのベンチャーの実態です。採用に割ける時間が少ないため、どうしてもアプローチ数が限られてしまいます。
スカウト媒体を契約しても「送りたいけど送れない」という状況が生まれやすく、オファー枠が余ったまま採用シーズンが終わってしまうことも珍しくありません。リソース不足は、採用機会の損失に直結します。
こうした課題に対しては、AIを活用したスカウト自動化ツールや採用代行の活用が有効な打ち手となってきています。人が本来注力すべき学生との対話や面談に時間を集中させるために、テクノロジーを積極的に取り入れる発想が重要です。
⑤採用ノウハウが不足している
採用経験が浅い担当者が多いベンチャー企業では、採用活動全体のノウハウが社内に蓄積されていないことがあります。その結果、以下のような問題が起きやすくなります。
- 求人票の書き方が不十分で、求める人材像が伝わらない
- 採用基準が属人的になり、担当者によって評価がばらつく
- 候補者へのフォローが不足し、内定辞退が増える
- 採用チャネルの選び方がわからず、費用対効果が低い媒体に頼り続ける
- 選考フローが整備されておらず、候補者体験が低下する
採用ノウハウは、試行錯誤を繰り返しながら積み上げていくものです。外部の採用支援サービスや専門家を活用することで、早期に知見を補完することも有効な手段のひとつです。
⑥採用が長期化しやすい
上述した各要因が重なると、採用活動は自然と長期化する傾向があります。応募数が少ない、選考途中で辞退が出る、内定承諾後のフォローが不足しているといった状況が続くと、1名採用するだけで数か月以上かかるケースも珍しくありません。
採用の長期化は、現場のリソース不足や業務への影響につながることもあります。採用スピードを上げるための工夫については、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:ベンチャー・スタートアップ企業の採用が難しい理由3選!成功に導くための戦略と厳選サービス5選!
ベンチャー企業の採用トレンド

採用戦略を立てる上では、求職者側の動向を正確に把握することが欠かせません。新卒・中途それぞれで、ベンチャーやスタートアップへの関心がどのように推移しているのかを見ておきましょう。
新卒採用の場合

出典:マイナビキャリアリサーチLab「2026年卒大学生就職意識調査」
新卒採用市場においては、学生の企業志向が年々変化しています。マイナビが実施した「2026年卒大学生就職意識調査」によると、大手企業志向は51.8%と2年連続で5割を超えているものの、前年比では微減しています。一方で、中堅・中小企業志向は43.0%とわずかながら増加傾向にあります。
大手志向が依然として高い一方、中小・中堅企業への関心が少しずつ広がっている背景には、初任給引き上げの波が中小企業にも波及しつつあることが影響していると考えられます。ベンチャー企業にとっては、待遇面の改善や「やりがい」の訴求が採用競争力を高めるうえで重要な要素になってきています。
また、ベンチャー企業への入社を検討する学生が重視する条件として、「給与・待遇」「仕事内容への共感」「成長できる環境」といった要素が上位に挙がる傾向があります。学生に対して自社の成長機会やビジョンをいかに具体的に伝えられるかが、選ばれる企業になるための鍵です。
関連記事:【2026最新】新卒採用手法の比較12選!採用活動・戦略別の選び方ポイントを徹底解説!
中途採用の場合
中途採用市場では、スタートアップやベンチャー企業への転職意欲を持つ求職者が一定数存在しています。エン・ジャパンが35歳以上のミドル世代1,059名を対象に実施した調査では、スタートアップへの転職に前向きな層(「積極的に転職したい」+「条件次第では転職したい」)が全体の76%に上るという結果が出ています。

年代別に見ると、50代で転職意欲が最も高く、条件次第では転職したいと答えた割合は64%に達しています。ベンチャー・スタートアップへの転職を検討するミドル層は、即戦力として活躍できるポテンシャルを持っているケースが多く、中途採用のターゲットとして積極的にアプローチする価値があります。
転職したい理由としては、「先進性・革新性のある事業に携わりたい」が全体の46%でトップでした。次いで「責任あるポジションに就きたい」「これまでの経験やスキルを活かしたい」が続いています。

求職者のこうした動機に応えるには、募集ポジションの魅力や任せる業務の範囲を具体的に示すことが欠かせません。
出典:エン株式会社「ミドル1000人に聞く!スタートアップへの転職 実態調査」
関連記事:中途採用が難しい・うまくいかない原因8選!解決策と人材採用の失敗例・成功例を紹介!
ベンチャーが採用を成功させるためのポイント

この章では、ベンチャー企業が採用活動を好転させるために押さえておきたい6つのポイントを解説しています。
①自社の強みや特徴を洗い出す
採用活動を始める前に、まず自社が候補者に提供できる価値を整理することが大切です。「大手と比べて何が優れているのか」「どんな人にとって魅力的な環境か」を言語化できていないと、求人票や面接でもアピールが曖昧になってしまいます。
自社の強みを洗い出す際のポイントは以下のとおりです。
- 現在活躍している社員に「入社の決め手」や「やりがいを感じる瞬間」を聞く
- 他社にはない業務・裁量・成長環境を具体的に言語化する
- 事業のフェーズやビジョン、社会へのインパクトを整理する
- 給与・福利厚生以外の「働く理由」を見つける
②欲しい人材を明確化する
「とにかく優秀な人を採りたい」という曖昧なターゲット設定のまま採用活動を進めると、選考がブレたり、ミスマッチが起きやすくなります。採用したいポジションごとに、必要なスキルや経験、価値観を具体的に定義することが重要です。
ペルソナを設定する際に整理しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 業務を遂行するうえで必要なスキル・経験(Must)と、あれば望ましいもの(Want)を分ける
- どんな価値観・働き方を持つ人が自社にフィットするかを明確にする
- ターゲット人材がどのチャネルで情報収集をしているかを想定する
- ペルソナに合わせて求人票や採用メッセージをカスタマイズする
③採用基準を設けて公平性を保つ
採用基準が曖昧なままでは、面接官によって評価がばらつき、優秀な候補者を見落としたり、ミスマッチな採用につながるリスクがあります。あらかじめ評価軸と基準を明文化しておくことで、選考の精度と一貫性を高めることができます。
採用基準を整備する際のポイントは以下のとおりです。
- 評価項目(スキル・経験・カルチャーフィットなど)ごとに5段階評価シートなどを用意する
- 面接官が複数いる場合は、評価のすり合わせを事前に行う
- 「採用しない基準」(NG条件)も明確にしておく
- 採用後の活躍と基準の相関を振り返り、定期的に見直す
④ポテンシャル採用・育成に注力する
即戦力を求めるあまり経験者のみに絞った採用を続けると、母集団が小さくなりがちです。ベンチャー企業こそ、スキルや経験以上にポテンシャルや地頭、仕事への姿勢を重視した採用が有効になります。
ポテンシャル採用を成功させるためのポイントは以下のとおりです。
- 未経験でも活躍できる業務・ポジションを設計する
- オンボーディングや研修などの育成体制を整える
- 成長スピードが速い環境であることを採用メッセージに盛り込む
- 「この会社でどう成長できるか」を具体的に伝える
⑤候補者体験を重視する
採用プロセスにおける候補者の体験(Candidate Experience)は、内定承諾率に直結します。連絡の速さ・面接の雰囲気・フォローの丁寧さといった細かな対応が、候補者の意思決定に大きく影響します。
候補者体験を高めるためのポイントは以下のとおりです。
- 書類選考・面接後の連絡は48時間以内を目安にする
- 選考の各ステップで「何を見ているか」を候補者に共有する
- 不合格の場合もフィードバックをできる範囲で伝える
- 内定後もこまめに連絡し、入社へのモチベーションを維持する
⑥採用広報に注力する
採用広報とは、企業の文化・社員の様子・仕事のやりがいなどを発信し、採用候補者に「この会社で働きたい」と思ってもらうための活動です。知名度が低いベンチャー企業が認知を広げるうえで、特に重要な施策のひとつです。
採用広報を推進するためのポイントは以下のとおりです。
- 社員インタビューや働く環境の写真をSNSやオウンドメディアで発信する
- 代表や経営陣のメッセージをSNSや採用サイトで公開する
- Wantedlyなど採用に特化したプラットフォームを活用する
- 採用広報の効果を定期的に測定し、コンテンツを改善する
ベンチャーだからこそできる、大手に勝てる採用戦略とは

ベンチャー企業の採用活動では、知名度や待遇面でのハンデを抱えることが多く、そのままの方法では優秀な人材を獲得するのは難しいのが現実です。しかし一方で、スピード感や裁量権の大きさといったベンチャーならではの魅力は、適切に伝えることで候補者の心を動かせる強力な武器になります。
ここからは、潜在的な転職希望者に働きかける方法、企業理念への共感を軸にしたアプローチ、さらには入社後のミスマッチを防ぐ仕組みづくりといった観点から、ベンチャー企業が取り入れるべき戦略を具体的に解説していきます。
採用サイトやSNSで魅力を発信する
知名度の低いベンチャー企業が候補者に見つけてもらうためには、採用サイトの充実とSNSによる継続的な情報発信が欠かせません。採用サイトは企業の第一印象を決める重要な窓口であり、SNSはリアルタイムに会社の雰囲気を伝えられる強力なツールです。
各SNS媒体の特徴とおすすめ用途は以下のとおりです。
| SNS媒体 | 主なユーザー層 | 特徴 | おすすめの活用方法 |
|---|---|---|---|
| X(旧Twitter) | 20〜40代 | 拡散力が高い・文字情報向き | 採用情報の発信・代表の発言 |
| 20〜30代 | ビジュアル訴求に強い | 社内風景・社員紹介・職場の雰囲気 | |
| 25〜45代のビジネス層 | 転職意欲の高いユーザーが多い | 採用ターゲットへのダイレクトアプローチ | |
| note | 20〜40代 | 長文コンテンツに適している | 社員の仕事観・会社のビジョン発信 |
| YouTube | 幅広い層 | 動画で会社のリアルを伝えられる | 会社紹介動画・社員インタビュー |
採用サイトとSNSを連携させながら活用するためのポイントは以下のとおりです。
- 採用サイトに「なぜこの会社か」が伝わるストーリーを掲載する
- SNSは定期的に更新し、社内のリアルな姿を発信し続ける
- 代表や社員個人のアカウントも採用コンテンツとして活用する
- SNS経由で接触した候補者を採用サイトや応募フォームに誘導する
関連記事:採用ブランディングでSNSを活用した成功事例10選!メリットや成功のコツを徹底解説!
選考の簡略化と超スピード選考を行う
優秀な候補者ほど複数社の選考を並行して進めており、選考スピードの遅い企業から離脱していく傾向があります。ベンチャー企業は意思決定のスピードを活かし、書類通過から内定までの期間を極力短くすることが大きな差別化ポイントになります。
スピード選考を実現するためのポイントは以下のとおりです。
- 一次選考〜内定まで2〜3週間以内を目標に設定する
- 書類選考を簡略化し、まず会って話すことを優先する
- 面接回数を絞り、1〜2回で意思決定できる体制を整える
- 内定通知はその日のうちに行い、「この人に来てほしい」という熱意を伝える
- 選考中の連絡はすべて24〜48時間以内に返す
企業の熱が伝わるアプローチを行う
大手企業の採用は仕組み化・標準化されている分、画一的になりがちです。ベンチャー企業には、担当者や経営陣が直接メッセージを送る・候補者の背景に合わせたスカウト文を書くといった、「この人に来てほしい」という熱量を直接届けられる強みがあります。
候補者に熱意を伝えるためのポイントは以下のとおりです。
- スカウトメールは定型文を使わず、相手のプロフィールを踏まえた個別文を送る
- 選考の合否連絡に、担当者からの一言メッセージを添える
- カジュアル面談を積極的に設け、フランクな接点を増やす
- 内定後は代表や採用担当から直接電話で口説く場を設ける
現場や責任者とのゼロ距離の採用を心がける
ベンチャー企業の強みのひとつは、経営層や現場責任者と候補者の距離が近いことです。最初から社長や事業責任者が説明会や面談に登場し、自らの言葉で会社のビジョンや事業の面白さを語ることで、大手企業には絶対に真似できない圧倒的な動機付けが可能になります。
「社長に直接話を聞けた」「責任者がなぜ自分に声をかけたかを語ってくれた」という体験は、候補者の入社意欲を大きく引き上げる要因になります。現場のリアルを届けることが、ベンチャー採用の最大の武器です。
ゼロ距離採用を実践するためのポイントは以下のとおりです。
- 代表・事業責任者が説明会や一次面談に登場する機会を作る
- 候補者に合わせたビジョンストーリーを、責任者自身の言葉で語る
- 内定後に社長面談や現場社員との懇親の場を設ける
- 経営層が「なぜこの人に来てほしいか」を直接伝えるフローを設計する
面接や内定後は、しっかりと”個人と向き合う”
面接は情報収集の場であると同時に、候補者が「この会社で働きたいか」を見極める場でもあります。スペックの確認だけで終わらせず、候補者のキャリア観・価値観・将来の不安などに丁寧に向き合うことが、入社意欲の醸成につながります。
また内定後のフォローも非常に重要です。内定承諾から入社までの期間に放置してしまうと、他社に流れたり不安が高まったりすることがあります。
個人と向き合う採用を実践するためのポイントは以下のとおりです。
- 面接では候補者の話を「聞く」時間を意識的に増やす
- 候補者が抱えている不安や懸念を引き出し、正直に答える
- 内定後は定期的に連絡し、入社前の疑問を解消する場を設ける
- 入社前に現場社員との懇親会や職場見学を実施する
関連記事:【採用担当者向け】内定者フォローツールおすすめ14選!選び方や活用事例も紹介!
ベンチャーにおすすめの採用手法5選

ベンチャー企業が採用を進める際には、大手と同じやり方では成果が出にくいのが実情です。知名度や待遇で劣る部分を補いながら、自社ならではの魅力を候補者にどう伝えるかが成功のカギとなります。
本章では、それぞれの特徴やメリットを解説しながら、ベンチャー企業が成果を上げやすい採用手法を具体的に紹介します。
①ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業が候補者のデータベースに登録されたプロフィールを閲覧し、求める人材に直接スカウトを送る採用手法です。求職者からの応募を待つ「待ち」のスタイルではなく、企業側から積極的にアプローチできるのが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | ・ターゲットを絞って直接アプローチできる ・求人票では届かない潜在層にリーチできる ・採用要件に合った人材と出会いやすい |
| デメリット | ・スカウト文の作成など運用に工数がかかる ・返信率・承諾率を高めるノウハウが必要 ・初期費用がかかるサービスも多い |
| 費用相場 | 初期費用0〜数十万円+成功報酬型または月額制(サービスによって異なる) |
| 向いているベンチャーの特徴 | ・即戦力・経験者を採用したい ・採用ターゲットが明確に絞られている ・少数精鋭での採用を重視している |
ダイレクトリクルーティング活用のポイントは以下のとおりです。
- スカウト文は相手のプロフィールを踏まえた個別文にする(定型文はほぼ無視される)
- ターゲット候補のプロフィールを詳細に読み込み、刺さるポイントを見つけて文章に反映する
- 返信率・承諾率・内定率を定期的に分析し、スカウト文や条件を改善する
- 複数のサービスを比較検討し、自社のターゲット層が多いプラットフォームを選ぶ
関連記事:ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリットとは?事例や成功のポイントを徹底解説!
関連記事:【2026年最新】新卒ダイレクトリクルーティングサービス17選!特徴・料金比較と選び方を解説
②リファラル採用
リファラル採用とは、自社の社員に知人・友人・元同僚などを紹介してもらう採用手法です。社員が自分の人脈から適切な候補者を推薦するため、カルチャーフィットしやすく、入社後の定着率も高い傾向があります。採用コストを抑えながら信頼できる人材を獲得できる点が、ベンチャー企業に特に向いている理由のひとつです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | ・カルチャーフィットしやすく定着率が高い ・採用コストを大幅に抑えられる ・求人票では出会えない優秀な潜在層にアプローチできる |
| デメリット | ・社員数が少ない段階では紹介数に限界がある ・インセンティブ設計や運用ルールの整備が必要 ・紹介した社員と被紹介者の関係に配慮が必要 |
| 費用相場 | 社内インセンティブ(5万〜30万円程度が相場)のみで実施可能なケースが多い |
| 向いているベンチャーの特徴 | ・社員がカルチャーに共感しており、紹介意欲が高い ・コストを抑えて採用の質を高めたい ・中長期的な定着を重視している |
リファラル採用活用のポイントは以下のとおりです。
- インセンティブ制度(紹介報奨金など)を設けて社員が紹介しやすい仕組みを作る
- 紹介してほしいポジション・人物像を社員に具体的に伝える
- 紹介した社員にも選考状況をフィードバックし、次の紹介意欲につなげる
- 採用ミスマッチを防ぐため、リファラル候補者にも通常と同等の選考基準を設ける
関連記事:【口コミあり】新卒採用にリファラル採用は効果的?メリットや成功のポイント徹底解説!
関連記事:【採用担当】リファラル採用は「気まずい」?その理由と採用を成功させるコツを伝授!
③ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングとは、SNSを活用して採用活動を行う手法です。求人情報の発信にとどまらず、会社の雰囲気・文化・社員の声などをSNS上で継続的に発信することで、候補者の「働きたい」という意欲を高め、自然な形で応募につなげていきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | ・低コストで広範囲に認知を広げられる ・カルチャーや人柄を発信しやすい ・採用広報と採用活動を同時に進められる |
| デメリット | ・効果が出るまで時間がかかる ・継続的なコンテンツ制作・運用が必要 ・炎上リスクへの配慮が必要 |
| 費用相場 | 運用コストのみ(基本的には低コストで実施可能) |
| 向いているベンチャーの特徴 | ・認知度向上と採用を同時に進めたい ・会社のカルチャーや代表の人柄が強みになっている ・採用広報に継続的に取り組める体制がある |
ソーシャルリクルーティング活用のポイントは以下のとおりです。
- 発信する内容は「会社のリアル」を中心に——社員の日常・現場の様子・代表のメッセージなどが効果的
- プラットフォームごとにコンテンツ形式を使い分ける(短文・画像・動画など)
- 定期更新を習慣化し、フォロワーとの継続的な接点を保つ
- SNSから採用サイト・応募フォームへの導線を整備する
関連記事:SNS採用のメリット・デメリットとは?媒体の選び方・進め方と成功のコツ!
関連記事:SNS採用の成功事例30選!媒体ごとの事例と採用戦略徹底解説!
④ベンチャーに強い求人サイト
大手転職サイト一般掲載だけに頼るのではなく、ベンチャー・スタートアップへの転職に前向きな求職者が集まる特化型求人サイトを活用することで、マッチング精度を高められます。
ベンチャー採用に活用しやすい求人サイトの例は以下のとおりです。
| サービス名 | 特徴 |
|---|---|
| Wantedly | 給与非公開・ビジョン共感型。スタートアップ・ベンチャーの利用者が多い |
| Green | IT・Web・ゲーム業界向け。エンジニア・デザイナーの採用に強い |
| YOUTRUST | 知人のつながりを活かしたSNS型求人。潜在層へのアプローチに有効 |
| OfferBox | 新卒向けスカウト型。学生からのプロフィール登録数が多い |
| OpenWork採用 | 口コミサイト連携型。企業の評判情報とあわせて求人が見られる |
活用のポイントは以下のとおりです。
- 自社のターゲット層が多く集まるプラットフォームを選ぶ
- 求人票には「仕事内容」だけでなく「なぜこの仕事をするのか」というビジョンを盛り込む
- 複数サービスを並行利用しながら、応募数・質を比較してPDCAを回す
- 写真や動画など視覚的なコンテンツで企業の魅力を補完する
⑤採用イベント
採用イベントとは、合同説明会・ミートアップ・採用ピッチイベントなど、直接候補者と接点を持てる場のことです。特にベンチャー企業は、求人票だけでは伝わりにくい「人の熱量」や「組織の雰囲気」をリアルに届けられるという点で、採用イベントへの参加が有効に機能します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | ・候補者と直接話すことで熱量と魅力を伝えられる ・短期間で多くの候補者と接点を持てる ・採用と認知向上を同時に達成できる |
| デメリット | ・参加費用がかかるイベントも多い ・当日の運営・準備に工数がかかる ・接触後のフォローアップ体制が必要 |
| 費用相場 | 無料〜数十万円(イベント規模・主催者によって異なる) |
| 向いているベンチャーの特徴 | ・少人数で熱量のある説明・対話が得意な担当者がいる ・採用と採用広報を同時に進めたい ・特定のエリアやターゲット層に絞って採用したい |
採用イベント活用のポイントは以下のとおりです。
- 登壇・ブース出展では代表や現場責任者が顔を出し、「人」の魅力で差別化する
- イベント後の連絡は翌営業日中に行い、温度感が高いうちにアプローチする
- 名刺交換・連絡先取得だけで終わらせず、カジュアル面談へスムーズに誘導する
- 参加するイベントは自社ターゲット層と親和性の高いものを厳選する
ベンチャーの採用成功事例3選
- wantedlyで共感型採用に成功した株式会社Delightの事例
- AI活用で少人数体制でも母集団形成を強化した不動産営業職採用の事例
- 知名度に頼らず281件の承認を獲得!TechOfferでエンジニア採用に成功したSIer企業の事例
戦略や手法の理解を深めたところで、実際にベンチャーが採用を成功させた具体的な事例を見ていきましょう。数字や取り組みの中に、自社の採用活動に活かせるヒントが必ずあるはずです。
wantedlyで共感型採用に成功した株式会社Delightの事例

株式会社Delightの26卒採用では、総採用人数12名に対して採用単価75万円を実現しています。特筆すべきは、Wantedly経由で長期インターンを受け入れ、そのまま内定承諾に繋げた取り組みです。
給与や待遇といった条件面ではなく、会社のビジョンや仕事のやりがいを前面に打ち出したストーリー発信が功を奏し、自社のカルチャーに共鳴する候補者からの応募獲得につながりました。
Wantedlyは「やりがい・ビジョン」を軸にした採用に特化したプラットフォームであるため、知名度よりも「何をしている会社か」「どんな人と働けるか」を重視する求職者との出会いに適しています。ベンチャー企業が自社の強みを最大限に活かした採用を実現した好例といえます。
AI活用で少人数体制でも母集団形成を強化した不動産営業職採用の事例
こちらは、不動産会社(営業職)がOfferBoxを活用して新卒採用を強化した事例です。2025年10月から導入し、26卒では2,119件の承認(スカウト承諾)を獲得、最終的に13名の内定承諾につながりました。また27卒(大学4年1月時点)においても1,951件の承認を獲得しており、13〜15名の内定承諾が見込まれています。
少人数体制でありながらも、AIによるスカウト候補の絞り込みや自動化を活用することで効率的に母集団を形成。採用担当者の工数を抑えながら、安定した採用数を実現した点が評価されています。スカウト型ツールを最大限に活用したい企業の参考になる事例です。
知名度に頼らず281件の承認を獲得!TechOfferでエンジニア採用に成功したSIer企業の事例
こちらは、SIer(エンジニア)がTechOfferを活用して新卒エンジニア採用に挑んだ事例です。2025年7月から導入し、26卒では281件のスカウト承認を獲得、1名の内定承諾を実現しました。27卒(大学3年9月時点)においても124件の承認を獲得しており、2〜3名の内定承諾が見込まれています。
エンジニア志望の学生が多く集まる専門プラットフォームを活用することで、知名度の低さをカバーしながら確実に接触機会を確保できた点が強みです。理工系人材の採用に課題を抱えるベンチャー・中小企業にとって参考になる事例といえます。
関連記事:【自社事例あり】ダイレクトリクルーティングの成功事例の業界別10選!中小企業の採用課題解決のための運用のコツとは?
ベンチャー企業の採用に関するよくある質問と回答
- Q:中途人材が思ったように集まらないのはなぜですか?
- Q:応募者の質をどうやって上げるべきですか?
- Q:選考スピードを上げるとミスマッチが増えませんか?
- Q:予算が限られる中、効果的な採用チャネルは何でしょうか?
- Q:採用後の定着率はどのようにすれば改善できますか?
採用活動を進める中で生まれる疑問は、実は多くのベンチャー企業に共通するものです。
「なぜうまくいかないのか」「どう改善すればいいのか」という悩みを解消するために、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。ここで取り上げる内容を参考に、採用活動の見直しや改善のヒントにしてみてください。
Q:中途人材が思ったように集まらないのはなぜですか?
A:中途採用の応募が集まらない原因として多いのは、媒体選びの不一致と発信コンテンツの薄さです。
求職者のターゲット層と媒体の登録者層がずれていると、いくら求人を出しても届きません。また、スタートアップへの転職を検討している人材の多くは「条件次第」という姿勢であるため、仕事の魅力や成長機会をより具体的に打ち出すことが応募増加につながります。
Q:応募者の質をどうやって上げるべきですか?
A:応募者の質を高めるには、「誰でも歓迎」という打ち出し方をやめ、自社が求める人物像を明確に発信することが大切です。
企業のビジョンや文化を具体的に伝えることで、そこに共感した人材だけが応募してくる状態を作れます。媒体の選定も重要で、ベンチャー志向の求職者が多い媒体を選ぶことで母集団の質が変わってきます。
Q:選考スピードを上げるとミスマッチが増えませんか?
A:選考のスピードを上げることとミスマッチは直接の因果関係にはありません。
ミスマッチの主な原因は、求める人物像の曖昧さと選考中のコミュニケーション不足にあります。スピードを上げながらも、面接での対話の質を高め、候補者の志向や価値観をしっかりと把握することで、スピードと精度を両立させることは十分に可能です。
Q:予算が限られる中、効果的な採用チャネルは何でしょうか?
A:ベンチャーに特に相性の良いチャネルとして、月額定額制で採用人数に応じた追加費用がかかりにくいWantedlyや、採用単価を抑えやすいキミスカが挙げられます。
また、リファラル採用は費用対効果が高く、ミスマッチも起こりにくいため積極的に仕組み化することをおすすめします。AIスカウトツールを活用することで、少ないリソースでも一定の送信数と承認数を確保できます。
Q:採用後の定着率はどのようにすれば改善できますか?
A:定着率を高めるためには、採用プロセスの段階から「期待値のすり合わせ」を丁寧に行うことが欠かせません。
入社前に実際の業務や社内の雰囲気を体験できるインターンの活用、内定後のメンバーとのカジュアル面談、入社後のオンボーディングの充実が特に効果的です。共感採用によって価値観の合う人材を採用できていれば、定着率は自然と高まっていく傾向があります。
ベンチャー企業の採用ならAIスカウト「RecUp」!

ベンチャー企業の採用は、大手に比べて厳しい条件が多い一方で、工夫次第で大きな成果を出せます。戦略的なアプローチや効果的な採用手法を取り入れることで、自社にマッチした人材を惹きつけることが可能です。
その中で注目されるのがAIスカウトサービス「RecUp」です。RecUpは、AIが候補者データを分析し、企業に最適な人材を自動でスカウトする仕組みを提供します。これにより、採用担当者の負担を軽減しつつ、精度の高い採用活動を実現しているのです。
ベンチャー企業にとって、効率的かつ戦略的に採用を進める心強いパートナーとなるでしょう。
参考出典
マイナビキャリアリサーチLab「2026年卒大学生就職意識調査」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250423_95696/
エン株式会社「ミドル1000人に聞く!スタートアップへの転職 実態調査」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2022/30162.html


