採用CXとは？メリットや成功させるポイントについて徹底解説！
福田 光樹
「採用CX（Candidate Experience）」とは、候補者が企業を知って応募し、選考から入社に至るまでのすべての体験を指します。企業が提供する採用体験の良し悪しは、応募者の満足度や内定承諾率に直結し、ひいては優秀な人材確保や定着率アップに大きく影響します。
そのため、人材獲得競争が激化する昨今、求職者が「この企業で働きたい」と自然に思えるような、魅力的でストレスの少ない体験を設計することが必須になっています。
この記事では、採用CXの本質的な意味や注目される背景、メリットから実践的な改善策まで解説します。ぜひ自社の採用にお役立てください。
今すぐ無料で相談する採用CXとは？今注目されている背景についても解説！
応募から入社までのプロセスで、企業の対応や選考の進め方が応募者に与える印象は採用成功に直接影響します。それが採用CXで、昨今の労働人口減少による人材獲得競争の激化や労働者の思想の変化、経済環境変化などから、採用活動の質を高めることが企業競争力向上の鍵となっています。
まずは、採用CXとは何かについてや今注目されている理由について、詳しく解説していきます。
採用CXとは
採用CXのCXとは「Candidate Experience」の略称で、直訳すると「候補者体験」という意味です。つまり、採用CXは、採用活動で候補者が体験する企業研究から応募、面接や採用、入社に至るまでのすべての接点やプロセスでの体験を指しています。
企業が良質な採用CXの提供にこだわれば、候補者は企業に対してポジティブな印象を抱くことになり、企業のブランドイメージも向上します。これにより内定受諾率も高まり、入社後の定着率を向上させる効果が期待できます。
重要視されている背景
採用CXが重要視される背景には、労働人口減少に伴う人材不足や採用競争の激化があります。特に日本では少子高齢化の影響で、企業が採用で苦戦するケースが増えています。こうした中、候補者は多様な選択肢があるため、選考過程での体験が良い企業を選ぶ傾向が強まっています。優れた採用CXの提供は、内定承諾率の低下や早期離職という課題解決にもつながるため、採用CXに注力することで良質な人材の獲得・定着が期待されています。
また、SNSや口コミを通じて、採用体験の評判が拡散されやすい環境となっているのも理由の1つです。企業がひとたび質の悪い採用CXを提供してしまうと、炎上してしまってブランドイメージを下げてしまうリスクがあります。
こういった背景から、採用CXは、競争力強化のため不可欠な戦略として広く認識されているのです。
採用CXに注力するメリットを紹介！
多くの企業で注目されている採用CXですが、企業ブランディングが高まることで従来以上に応募者が集まりやすくなるほか、内定受諾率の向上や早期離職の予防などの効果が期待できます。さらに、採用CXが好評だとSNSや口コミでの拡散が生まれ、企業ブランディングや採用ブランディングが強化されて、長期的な採用効果が見込めるようになるなど好循環が生まれる可能性もあります。
ここでは、こういった採用CXのメリットについて理由と一緒にそれぞれ詳しく解説していきます。
企業ブランディングにつながる
採用CXを向上させることで、候補者に対して企業の良い印象を強く与えることができます。その結果、企業のブランドイメージは自然と向上し、採用活動だけでなく企業全体の魅力発信に結びつきます。現代ではSNSや口コミが情報拡散の主要なツールとなっており、良質な採用体験が広まることで、信頼性の高い第三者の推薦が応募者の安心感や期待感を後押しし、応募の動機付けへとつながります。
さらに、採用プロセスの各段階で候補者と誠実に対話し、自社の価値観や文化をしっかり伝えることができれば、応募者は企業の魅力を深く理解し、心から共感を持つようになります。この積み重ねによって、単に知名度が高いだけでなく、求職者の心にしっかりと刻まれるブランドイメージが形成されます。これは優秀な人材の獲得と定着に大きな効果をもたらし、企業の持続的成長を支える重要な要素となるでしょう。
また、採用CXの充実は口コミやSNSによって企業の評判が自然拡大するだけでなく、候補者自身が企業のファンとなり、周囲へ積極的に企業を勧める「リファラル効果」も生まれます。これは長期的な採用ブランディングの基盤となり、企業価値を高める大きな力となります。こうした好循環が生まれることで、応募者数増加、採用単価の削減、内定辞退率の低下、さらには組織全体のエンゲージメント向上にもつながるため、企業にとっては非常に価値の高い取り組みと言えるでしょう。
候補者の定着率が上がる
採用CXを重視する企業では、入社後の定着率が著しく高まる傾向があります。これは採用の段階から候補者一人ひとりの不安や疑問に寄り添い、納得感を持って入社を決めてもらえる環境を整えているからです。良好な採用体験は、入社前から候補者の会社への愛着を育み、「この会社で長く働きたい」という強い思いを生み出します。結果的に、入社後も高いモチベーションを維持しやすく、早期離職のリスクが大幅に減少します。
また、早期離職は企業にとって再採用や教育にかかる多大なコストを生むため、採用CX向上による定着率アップは経済的なメリットも非常に大きいです。さらに、丁寧なコミュニケーションを通じて候補者の理解が深まるため、企業文化や価値観とのミスマッチを減らし、社員としての愛着や責任感の醸成にもつながります。これらは組織全体の安定性と生産性の向上を促し、長期的な企業の成長基盤を強化する重要な要素となるでしょう。
ミスマッチを防げる
採用CXで企業文化や実際の業務内容を丁寧に伝えることを意識すれば、採用ミスマッチを大幅に減らすことができます。こうした情報がきちんと伝われば、候補者は入社後を具体的にイメージしやすくなり、期待と現実のギャップを小さくすることができるからです。
さらに、フィードバックやカジュアル面談を積極的に活用することで、企業と候補者の考え方や価値観、将来の目標について事前にすり合わせができます。この双方向のコミュニケーションはミスマッチリスクを大幅に減らし、入社後の早期離職や職場での不満を防ぐ効果もあります。
また、採用ミスマッチを防ぐことは経済的なメリットも大きいです。社員が定着せずにすぐ辞めた場合、再度の採用活動にはコストも労力もかかってしまいます。また、教育や研修にかける時間やコストも無視できません。ミスマッチを防いで候補者が定着すれば、こういったコストも節約でき、結果的に組織全体の生産性アップにもつなげられるでしょう。
採用CXを改善するのに効果的な施策とは？
採用CXは、どのような人材を採用したいのかというターゲットを明確にし、自社の魅力をちゃんと発信できる方法を選ぶ必要があります。また、情報提供やイベントなどで応募意欲や入社意欲を高め、入社までの適切なフォローも重要となります。
ここで、良質な採用CXを実現するにはどうすれば良いのか、ステップごとに詳しく解説していきます。どの工程も、候補者目線で採用プロセス全体を見直すことが採用CXを向上させるポイントです。
①採用方針を明確にする
採用CXを高めるために最も重要なステップの一つが、採用方針の明確化です。企業がどのような人材を求めているのか、具体的な目標や必要なスキル、そして自社の価値観や社風を文書化し、社内で共有することが欠かせません。これにより、面接官間での評価基準にブレがなくなり、候補者とのミスマッチを未然に防ぐことができます。
反対に、曖昧な方針は、応募者にも不安や疑問を与え、採用体験の質低下につながります。なるべく早い段階でターゲットを明確化すれば、それだけターゲットに刺さる採用方法を厳選することができ、採用効率もアップさせられます。
さらに、採用方針を具体的に持てば、企業の成長戦略や将来ビジョンと連動した人材獲得が可能になります。単に人数を揃えるだけの採用ではなく、自社の文化に合った人材を選定し、入社後も活躍できる体制を築くことで、長期にわたって活躍してくれる優秀な人材を得ることができるでしょう。
②自社の魅力を発信する
自社の魅力を効果的に発信することは、採用CXを高めるうえで非常に重要なポイントです。
求人票や企業紹介ページでは単に仕事内容を示すだけでなく、社風や職場環境、成長機会など、候補者が知りたい具体的な情報をしっかり伝える必要があります。さらに、SNSや動画コンテンツを活用することで、文字情報だけでは伝わりにくい現場の雰囲気や社員のリアルな声を候補者に届けることができ、企業の魅力をより立体的に伝えられます。こうした多様な発信手段を駆使することで、候補者の共感を呼び起こし、自然と応募意欲を引き出しやすくなるでしょう。
また、独自の働き方や充実した福利厚生の特色も、他社との差別化の大きな武器となります。例えば、フレックスタイム制やリモートワーク制度、育児支援などの多様な制度を魅力的に発信すれば、幅広い候補者層に響くアピールが実現できるでしょう。
③求職者の応募意欲を高める
応募意欲を高めるためには、まず選考プロセスの透明性を確保し、迅速かつ誠実なレスポンスを徹底することが欠かせません。連絡が遅れると候補者の不安や不満が膨らみ、せっかくの応募意欲が低下し辞退につながるリスクが高まります。
そのため、応募受付後から面接日程の調整、結果通知に至るまでスピーディーな対応と柔軟なスケジュール管理が重要です。また、選考の流れや評価基準を分かりやすく事前に説明することで、候補者に安心感を与え、信頼関係を築くことができます。
さらに、面接の前後には質疑応答やフォローアップの機会を設け、応募者が自分を大切に扱われていると感じられるよう配慮することが、入社意欲のさらなる向上へとつながります。
④入社意欲を高める
入社意欲を高めるためには、面接や説明会における誠実で丁寧なコミュニケーションが欠かせません。面接官が企業のビジョンや働く環境、キャリアパスについて具体的かつ分かりやすく伝えることで、求職者の期待値と企業イメージをしっかりと一致させることができるでしょう。また、採用担当者だけでなく、実際に現場で働く社員も選考プロセスに参加する体制を整えることで、よりリアルな職場の雰囲気や仕事の様子を候補者に伝えられます。
さらに一歩踏み込んで言えば、面接は単なる質問応答の場ではなく、双方向のコミュニケーションの機会と捉えることが重要です。候補者の話にしっかり耳を傾け、共感や理解を示す「アクティブリスニング」を意識することで、心地よい対話が生まれます。また、質問に対してただ答えるだけでなく、疑問を投げかけたり、相手の回答を深掘りすることでお互いの理解が深まり、信頼関係が築かれます。こうした対話を通じて候補者の不安や疑問を解消し、自社への入社意欲を高めることができます。
面接時には「心地よい面接の雰囲気作り」も重要です。面接官の態度や質問の仕方を工夫し、候補者が緊張しすぎず実力を発揮できるような空間を整えることが、良好な採用CXにつながります。面接官の一つひとつの対応が、候補者の心に残る大きな印象となることは、ぜひ覚えておいてください。
⑤フォローアップを行いモチベーションを維持する
応募後のフォローアップは、採用CXにおいて非常に重要です。フォローアップには候補者の不安を軽減し、安心して入社準備を進めてもらう効果のほか、候補者の関心が薄れて他社からのオファーに流れてしまうリスクを減らし、入社意欲を維持させる効果も期待できます。
そのため、選考の途中や内定後もこまめに連絡をとり、候補者の状態や不安を把握し、信頼関係をしっかりと築くようにしましょう。連絡手段はSNSやメール、電話など、候補者が使いやすい方法を用い、丁寧かつ迅速に対応することが求められます。こうした細やかな気配りが、良い採用体験を創り出し、結果として企業の信頼度向上と優秀な人材の確保につながります。
採用CXを改善させる具体的な方法を解説！
ここまで、採用CXについて、その特徴やメリット、方法などをご紹介しました。しかし、上記の方法ではいまいちどうすれば良いのか分からないという方もいるかと思います。
そこでここでは、すぐに実践できる具体的な採用CX対策を3つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
即レスを意識する
採用CXを向上させるうえで、迅速なレスポンスは欠かせない要素です。応募者が問い合わせや選考について連絡をするとき、すぐに返答があると安心感が生まれ、不安や疑問が早期に解消されます。反対に連絡が遅れると、候補者は不満を感じやすく、選考辞退につながるリスクも高まってしまいます。
そのため、システムの導入や担当者の体制を整え、できる限り即時対応を徹底することが企業の評価や信頼向上に直結します。たとえばチャットボットやメールテンプレートの活用は、対応のスピードアップに効果的です。
即レスが実現すれば採用活動の効率化にもつながり、人事担当者はコア業務に集中しやすくなります。スピーディーで丁寧な対応は、応募者の満足度向上のみならず、企業のブランドイメージや採用成功率を高める重要なポイントとなるでしょう。
事前に自社紹介を共有する
面接前に候補者へ自社紹介の資料や動画を提供しておくのも、採用CXを高める効果的な方法です。これによって、候補者は企業の歴史や理念、社風、働く環境を事前に理解でき、面接時に具体的かつ深い質問ができるようになり、面接の質をアップさせることができるでしょう。
その場で確認してもらうのも効果的です。ただし、「当然研究しているでしょう」という空気を出すのはNGです。候補者が気軽にチェックできれば、リラックスして本音を話しやすい雰囲気が生まれるでしょう。また、企業のホームページにあるようなものではなく、採用のために共有される情報は、特別感も感じられ、より一層入社意欲を高めることにつながります。
また、採用プロセスについても事前に情報を共有することで、全体の透明性を高めることができ候補者との信頼関係を築け、仮に不採用となった際にも納得しやすくなります。
心地よい面接の雰囲気作りを行う
面接は候補者にとって緊張しやすい場であり、その雰囲気づくりは採用CXを高める重要なポイントです。そのため、ひと昔前にあったような「圧迫面接」は言語道断です。かたすぎる質問や詰問のような態度は避け、話しやすい環境をつくることが採用CX向上には欠かせません。
面接官はまず笑顔で温かく迎え、適度に雑談を交えながらリラックスできる空気を作ることを心がけましょう。そして、面接官自身が自己紹介をしたり、相手の趣味や興味に共感を示すことで、候補者の緊張を和らげて自然体で話せる雰囲気を作れるでしょう。さらに、面接のペース配分に気を配り、質問はゆっくりかつ丁寧に行うことで、候補者が考えを整理しやすくなります。
しかし、こういった細やかな配慮のある対応は、一朝一夕で実現するのは難しいものです。研修やマニュアル整備によって、面接の質を均一化して、誰もが良い印象を残せるようにしておきたいところです。
採用CXのご相談ならRecUpにお任せ！
この記事では、採用CXがどのようなものなのかや良質の採用CXを提供するにはどうすればよいのかについて、具体的に解説しました。採用CXの向上は専門的かつ継続的な改善が必要なため、多くの企業で課題となっています。特に、候補者との連絡については個人に合わせたカスタマイズが重要です。
しかし、個別にカスタマイズしたメールに対応するには時間がかかってしまい、担当の方の業務負担が大きくなってしまうという難点もあります。そこでおすすめなのが「RecUp(リクアップ)」です。
RecUpは、AIを活用することで個別にカスタマイズした文章を自動で作成できるスカウトサービスです。採用ターゲット選定からすべて任せることができ、貴社にピッタリの人材に効率よくスカウトメールを送ることができます。これにより、採用の負担を減らしつつ、採用CXを向上させることができます。
また、空いた時間を活用して内定前面談などを実施することで、採用CXがさらに高まり、内定承諾率や入社率も大きくアップさせることができます。実際、多くの企業がすでに効果を実感しております。詳しいサービス内容や事例については、下記よりご覧ください。
今すぐ無料で相談する監修者プロフィール
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株式会社Delight
RecUp事業部 カスタマーサクセス部門責任者
新卒から求人広告事業に従事し、企業の採用課題に向き合う中で、実践的な支援スキルを培う。その後、自社開発のAIを活用した採用支援ツール「RecUp」の営業責任者として、プロダクトを活用した採用戦略の設計・実行支援に従事。並行して自社の採用活動にも深く関与し、事業成長フェーズにおける人材要件定義、母集団形成、採用面接など、実務から戦略まで幅広い領域を担当。現在はカスタマーサクセス部門の責任者として、100社以上の採用支援実績をもとに、採用活動の最適化を支援している。実務と戦略の両視点を持つ実践型の採用コンサルタントとして、現場に寄り添いながらも成果に直結する支援に定評がある。
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