新卒採用にリファラル採用を導入するメリットとは?仕組みから導入方法まで徹底解説!

企業の採用活動において、近年ますます注目を集めているのが「リファラル採用」です。これは、社員や関係者からの紹介によって人材を採用する仕組みのことを指し、新卒採用の場面にも導入が進んでいます。
従来の求人媒体や説明会だけに頼る採用手法では、優秀な学生を早期に確保することが難しくなっているのが現状です。本記事では、新卒採用におけるリファラル採用の特徴やメリット・デメリット、導入時のポイントをわかりやすく解説していきます。
今すぐ無料で相談する新卒採用におけるリファラル採用とは?

新卒採用におけるリファラル採用とは、社員や関係者の紹介を通じて学生を採用する仕組みのことを指します。従来の就職サイトや合同説明会を中心とした採用活動とは異なり、信頼できる人材ネットワークを活用する点が大きな特徴です。
近年は人材獲得競争が激化し、特に優秀な学生を早期に囲い込むことが難しくなりました。そのような背景から、社員自身のつながりを使ったリファラル採用は注目を集めています。ここでは、従来の新卒採用との違いや、なぜリファラルが新卒採用に向いているのかを解説していきます。
リファラル採用と新卒採用の違い
一般的な新卒採用は、求人媒体への掲載や合同説明会、インターンシップなどを通じて多くの学生と接点を持ち、その中から候補者を選考していく流れになります。応募者の母集団形成から選考、内定、フォローまでを広範囲に行うのが特徴です。
一方で、リファラル採用は社員や関係者が自分の知人を推薦し、その紹介をもとに採用プロセスに進むという点が大きく異なります。従来の母集団形成型とは違い、数は限定的であるものの、信頼性の高い候補者に出会いやすいのがメリットです。
特に新卒採用では、短期間で多くの学生に接触する必要があるため、情報の精度が低くなりがちです。その点、リファラル採用では推薦者の信頼を背景に候補者の人柄や能力をある程度把握でき、ミスマッチを減らすことにつながります。
さらに、紹介者である社員が候補者のバックグラウンドを知っているため、学生本人の強みや人柄について具体的な情報を事前に得られることも強みです。結果として、効率的かつ的確な採用活動を実現できるのがリファラル採用と新卒採用の大きな違いといえるでしょう。
なぜ新卒採用にリファラルが注目されているのか
新卒採用にリファラル採用が注目されている大きな理由は、採用市場の環境変化にあります。ここ数年、学生の就職活動は短期化・早期化が進んでおり、企業は短期間で大量の母集団を形成しなければならなくなっていますが、限られた時間で一人ひとりの人物像を深く理解するのは難しく、入社後のミスマッチが起きやすい状況が生まれているのです。
その点、リファラル採用では、社員や関係者の紹介を通じて候補者と接点を持つため、信頼できる情報をもとに採用活動を進められます。推薦者がすでに学生の性格や価値観を理解している場合が多く、企業は応募書類だけでは分かりにくい人物面を事前に把握できます。
学生側にとってもリファラル経由で応募するメリットがあり、企業の雰囲気や実際の働き方を社員から直接聞くことができるため、安心感を持って選考に臨めるのです。単なるブランドや条件だけでなく、実際に働く環境に共感して入社を決める学生が増えているのが現状です。
加えて、近年は採用コストの削減も重要な課題となっており、求人媒体やイベントへの出稿料は高額になりやすく、限られた採用予算の中で効率よく人材を獲得する必要があります。リファラル採用は広告費用を大幅に抑えつつ、信頼できる人材を確保できるため、多くの企業にとって有効な選択肢となっているのです。
新卒リファラル採用のメリットを紹介!

新卒採用にリファラルを導入することには、多くのメリットがあります。従来の採用手法と比べてコストや工数を削減できるだけでなく、入社後の定着率や組織への貢献度といった面でもプラスに働くことが多いのです。
各種の課題を解決する選択肢としても、リファラル採用は企業の注目を集めています。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのかを順を追って解説していきましょう。
コスト削減になる
リファラル採用の大きなメリットの一つが、採用コストを削減できる点です。従来の新卒採用では、求人媒体への掲載費用、合同説明会やイベントへの参加費、さらには採用広報にかかる広告費用など、多額のコストが発生していました。
一方、リファラル採用では既存社員のネットワークを活用するため、広告宣伝費や出展料を大幅に削減できます。社員紹介という形で候補者を集める仕組みのため、追加で大きな広報予算を組む必要がありません。
紹介者に対して報酬やインセンティブを支給するケースもありますが、外部に支払う広告費や人材紹介会社の利用料と比較すれば、はるかに低コストで済むのが実情です。
また、コスト面の効果は金銭的な負担の軽減だけではありません。リファラル経由の候補者は企業理解度が高く、選考途中で辞退するリスクも低いため、無駄な工数や面接回数を減らすことが可能です。
選考のコストの削減にもなる
リファラル採用を導入すると、採用活動全体にかかる選考コストも大幅に削減できます。従来の新卒採用では、応募者数が多いため書類選考や面接、適性検査の実施などに多くの時間と労力がかかりやすい手法でした。
一方でリファラル採用の場合、社員が紹介する候補者は、ある程度企業への理解や入社意欲が確認された状態で選考に臨むため、書類選考の精度が上がり、無駄な面接回数を減らすことができます。
推薦者が候補者のスキルや性格を把握していることも多く、採用担当者は事前情報をもとに面接を効率的に進められます。その結果、面接官の時間やスケジュール調整の負担も軽減されるのです。
選考コストの削減は、単に面接や書類選考の工数だけでなく、教育研修やフォローアップにかかるコストにも波及します。リファラル経由の新卒は、入社前から推薦者を通じて企業文化や業務内容に触れているため、入社後の業務理解が早く、研修やOJTにかかる時間も短縮できます。
リファラル採用は単純な金銭コストの削減にとどまらず、選考プロセス全体の無駄を省き、人材育成や配属まで含めたトータルコストの削減にも大きく貢献する手法であるといえるでしょう。
学生の定着率が高まる
リファラル採用を通じて入社した新卒は、一般応募者に比べて定着率が高い傾向があります。その理由は大きく2つあります。
まず、紹介者を通して事前に企業文化や職場環境を知ることができるため、入社後のギャップが少なく、早期離職を防ぎやすい点です。紹介者から具体的な仕事内容や雰囲気を聞くことで、学生は入社前に企業への理解を深められます。
次に、入社前から社内ネットワークを持っているため、職場で孤立しにくくなります。新人にとって社内で相談できる先輩がいることは大きな安心材料となり、ストレスや不安を軽減してくれるのです。
社員が推薦した候補者は「自社にフィットする人物」という前提で紹介されることが多いため、職場との相性が良く、チームに溶け込みやすいというメリットもあります。入社後の定着率向上に直結する採用手法ともいえるでしょう。
紹介者にも還元できる
リファラル採用のもう1つのメリットは、紹介者である社員にもインセンティブを提供できる点です。紹介制度を設けることで、社員は自分の知人や後輩を推薦する動機が生まれ、紹介活動を活発化させることができます。
この還元制度により、社員は採用活動に主体的に関わるようになります。紹介者自身が候補者の面談やフォローに関わることで、学生も安心感を持ち、入社後の定着率向上にもつながりやすいのです。
紹介者への還元は、社員モチベーションの向上にもつながります。推薦者としての責任感や達成感を持ちながら、企業の採用成功に貢献できるため、組織全体のエンゲージメント向上にも効果的です。
新卒採用にリファラルを導入する際のデメリットとは?

リファラル採用は多くのメリットを持つ一方で、導入にあたっては注意すべきデメリットも存在します。これを先に抑えておくのも、メリットを最大化させるために大切な要素です。
本章では、新卒リファラル採用を導入する際に考慮すべき代表的なデメリットと、その背景について解説していきます。
フォロー体制が必要になってくる
リファラル採用では、紹介者や候補者のフォロー体制が非常に重要になります。紹介者は自分の知人や後輩を推薦するため、候補者の入社後の成長や定着に対してある程度の責任を感じます。そのため、企業側は紹介者に負担が集中しないよう、フォローやサポート体制の整備が必要です。
一方、候補者側もリファラル経由での入社で期待値が高まることがあります。入社前から推薦者と面談を重ねることで、企業に対する理解度や期待値が高くなるため、入社後の業務や職場環境とのギャップが生じると不満につながる可能性があります。
リファラル採用を効果的に運用するためには、紹介者・候補者双方へのきめ細かいフォロー体制が不可欠です。この体制が整わない場合、せっかく紹介された候補者も早期離職してしまうリスクが高まるため、企業側は事前に体制の構築を検討する必要があります。
自社に興味があるかはわからない
リファラル採用では、紹介者の信頼をもとに候補者を選考に進めることができますが、紹介された学生が本当に自社に興味を持っているかどうかは事前には完全にはわかりません。紹介者が候補者の性格や能力を評価して推薦する場合が多いですが、企業文化や仕事内容への適性までは必ずしも保証されないのです。
特に新卒採用では、学生が選考途中で複数の企業と比較するケースが多く、入社意欲が揺らぐこともあります。紹介者が強く推薦した場合でも、学生本人が企業に対して十分な理解や共感を持っていなければ、入社後のモチベーション低下や早期離職の原因になりかねません。
そのため、候補者の企業理解度や入社意欲を確認するプロセスをきちんと設計することが重要です。面接や事前面談を通じて、企業文化や業務内容への理解を深めてもらい、入社後のミスマッチを減らすことが求められます。
社員属性に偏りが出る
リファラル採用では、紹介者の社員属性によって候補者の属性も偏りやすいというデメリットがあります。例えば若手社員を多く推薦する場合、同年代の学生が中心となり、年齢や学歴、出身地域などの多様性が十分に確保できない可能性もあるでしょう。
属性の偏りは組織の文化やチーム運営にも影響します。特定の価値観やバックグラウンドに偏った人材が集まると、意思決定や問題解決の幅が狭まり、組織全体の柔軟性が低下する可能性も考えられるのです。
リファラル採用を導入する際は、紹介者の属性や候補者層に偏りが出ないよう、社員全体への周知や複数の部門・年代からの推薦を促すなどの工夫が必要です。多様性を意識した運用を行うことで、組織の偏りを最小限に抑えながらリファラル採用を効果的に活用できます。
新卒のリファラル採用が上手くいく企業の特徴とは?

リファラル採用を導入しても、すべての企業で成功するわけではありません。特に新卒採用では、学生との接点や企業文化、社員構成などによって成果に差が出やすいのです。
リファラル採用が上手くいく企業には、共通していくつかの特徴があります。本章では、リファラル採用を成功に導く企業の特徴を具体的に解説します。
若手社員が多い
リファラル採用が新卒採用で成功しやすい企業の一つの特徴は、若手社員が多いことです。若手社員は同年代の学生との接点が多く、友人や後輩を紹介しやすい環境にあります。大学や専門学校の同期やサークル仲間など、自然なネットワークを活かして候補者を推薦できるため、リファラルの母集団形成がスムーズに進められるのです。
若手社員は入社間もない経験を持っているため、学生の目線に近く、応募を検討する際に具体的なアドバイスや職場のリアルな情報を提供できます。学生は企業理解を深めやすく、入社後のミスマッチを減らすことが可能です。
若手社員はSNSやオンラインコミュニティなどデジタルのツールに慣れていることが多く、遠方の学生や普段接点が少ない候補者にもアプローチできる点も強みです。このように、若手社員が多い企業では、自然な人脈やコミュニケーションのしやすさを活かして、リファラル採用を効果的に進めることができるのです。
自らアプローチする採用をしていない
もう一つの特徴は、企業が自発的に候補者にアプローチする採用活動を重視していないことです。従来型の新卒採用では、合同説明会や求人媒体、ナビサイトを中心に広く母集団を形成するスタイルが一般的です。しかし、この手法に依存していると、採用担当者や学生の負担が大きくなり、候補者との関係性を深める余裕がなくなります。
一方、リファラル採用を導入している企業では、社員が自らのネットワークを活用して候補者を推薦するため、企業から無理にアプローチする必要がありません。候補者は紹介者を通じて企業に接点を持つため、自然な形で応募が生まれやすく、採用プロセスもスムーズになるでしょう。
自発的な社員紹介を前提とした採用であれば、候補者の質やフィット感が高くなる傾向も見られます。紹介者が自分の経験や価値観をもとに推薦するため、企業文化や業務内容に適した学生が集まりやすく、入社後の活躍も期待できます。
このように、社員主体で候補者との接点を作れる企業ほど、リファラル採用が成功しやすいのです。
新卒リファラル採用を成功させるポイント

リファラル採用はメリットが大きい反面、運用方法を間違えると期待した成果が得られません。成功のポイントは、単に社員に紹介してもらうだけでなく、紹介制度やインセンティブの設計、社員への周知、候補者へのフォロー体制など、複数の要素をバランスよく整備することにあります。
本章では、リファラル採用を成功させるための具体的なポイントを解説します。
紹介制度の設計とインセンティブ設計を設ける
リファラル採用を成功させるためには、まず紹介制度の設計が重要です。社員が候補者を紹介しやすい仕組みを作ることで、自然と母集団が形成されます。具体的には、紹介フローの明確化や、推薦するタイミング、候補者の選定基準などを分かりやすく提示することが求められます。
加えて、インセンティブ設計も欠かせません。紹介者への報酬や評価ポイント、表彰制度などを設けることで、社員のモチベーションを高められます。
金銭的報酬だけでなく、キャリア評価や特別休暇など、多様な形で還元することで幅広い社員が参加しやすくなりますし、単発ではなく、継続的な制度として設計することがポイントです。
紹介制度とインセンティブの設計を丁寧に行うことで、社員が主体的にリファラル採用に参加でき、採用活動全体の効率化や成果向上に直結するのです。
社員への周知を徹底する
リファラル採用の成功には、社員への周知が欠かせません。どれだけ魅力的な紹介制度やインセンティブを設けても、社員が内容を理解していなければ活用されず、候補者の母集団も広がりません。
周知のポイントは、制度の仕組みや目的、紹介方法を明確に伝えることです。社内メールやイントラネット、説明会など複数の方法で周知し、社員がいつでも情報を確認できる環境を整えることが重要です。
周知に加えて、社員が具体的に紹介しやすい工夫も必要です。候補者の紹介時に必要な書類やフォームを簡略化したり、FAQを用意して疑問を解消することで、社員の心理的ハードルを下げることができます。
周知と運用サポートを徹底することで、社員が主体的に紹介活動に関与しやすくなり、リファラル採用の成果を最大化することが可能になります。
候補者のフォローアップを充実させる
リファラル採用では、紹介された候補者へのフォローアップが非常に重要です。候補者は紹介者から企業情報を聞いているとはいえ、選考過程や入社前の不安を解消するためのサポートが不足すると、辞退や早期離職のリスクが高まります。
具体的には、候補者との定期的な連絡や質問対応、選考プロセスの進捗共有など、きめ細かいコミュニケーションを設計します。内定後も入社前研修やメンタリング制度を通じて、候補者が安心して入社できる環境を提供することが重要です。
候補者へのフォローアップ体制を充実させることは、リファラル採用の成果を最大化するための重要なポイントです。紹介者の信頼と企業側のサポートを両立させることで、入社後も定着率の高い新卒人材を採用できるのです。
新卒リファラル採用を自社に取り入れて、採用を活性化させよう

新卒リファラル採用は、従来の採用手法では難しかった効率的な母集団形成や選考コストの削減、入社後の定着率向上など、多くのメリットをもたらす有効な手法です。一方で、フォロー体制や社員への周知、紹介制度の設計など運用面の工夫が欠かせません。
導入にあたっては、社員のネットワークを活かした候補者紹介を促進しつつ、インセンティブやフォロー体制を整備することが成功の鍵です。候補者に対して丁寧なフォローアップを行い、入社前後のギャップを減らすことで、定着率の向上と長期的な戦力化も期待できます。
自社の特性に合わせたリファラル採用を戦略的に導入することで、新卒採用の効率化と質の向上を同時に実現できるでしょう。
監修者プロフィール

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株式会社Delight
RecUp事業部 カスタマーサクセス部門責任者
新卒から求人広告事業に従事し、企業の採用課題に向き合う中で、実践的な支援スキルを培う。その後、自社開発のAIを活用した採用支援ツール「RecUp」の営業責任者として、プロダクトを活用した採用戦略の設計・実行支援に従事。並行して自社の採用活動にも深く関与し、事業成長フェーズにおける人材要件定義、母集団形成、採用面接など、実務から戦略まで幅広い領域を担当。現在はカスタマーサクセス部門の責任者として、100社以上の採用支援実績をもとに、採用活動の最適化を支援している。実務と戦略の両視点を持つ実践型の採用コンサルタントとして、現場に寄り添いながらも成果に直結する支援に定評がある。
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