AI採用を企業が導入するメリットデメリットを解説!活用するポイントや企業事例も紹介!

少子化や採用活動のオンライン化が進む中、注目を集めているのが「AI採用」です。業務効率化や人件費削減といった利点から、導入する企業が増えています。しかし一方で、AIには苦手な分野もあり、デメリットや導入時の注意点も無視できません。本記事では、AI採用の基本から企業が導入するメリット・デメリット、効果的な活用ポイント、さらに導入事例やおすすめツールまで、実践的に解説します。

AI採用とは?

AI採用とは、AI(人工知能)を活用して採用業務を行う方法で、求人作成から書類選考、面接まで、採用活動の一部にAIを取り入れることで業務を効率化できます

AIは膨大な情報を短時間で処理・分析できる特性を活かし、人間では時間のかかる作業をスピーディーに対応し、定型的な作業の自動化や選考時の判断材料として有効に機能します。具体的には、候補者とのマッチング度の自動評価やオファーメールの自動作成、AI面接など、多様な活用方法が登場しています。

実際、HR領域でのテクノロジー市場は急速に拡大しており、2025年にはその規模が3,000億円を超えると予測されています。また、2022年時点で「AI面接を受けた経験がある」求職者は19.3%に達しており、AI採用の普及が加速していることがわかります。このような背景から、AIは企業の採用力強化を支える重要な技術として、ますます注目を集めています。

AI採用を企業が導入する5つのメリット

人手不足や業務効率化が求められる現代において、AI採用は企業の採用課題を解決する効果的なソリューションとして注目されています。AIを採用プロセスに導入することで、従来の手作業に依存していた業務を大幅に改善し、より戦略的な採用活動が可能になります。ここでは、AI採用がもたらす5つの主要なメリットを具体的に解説します。

①客観的な判断基準に沿って評価ができる

採用の場面では、担当者の経験や主観によるジャッジが主軸となりますが、AIを活用すればあらかじめ設定した評価基準に従って選考を行うことができます。評価のばらつきを防ぎやすくなり、公平性の高い採用ができる点はAI導入の大きな強みです。

②面接などのスケジュール調整がしやすい

AI面接を取り入れれば、応募者は自身の都合に合わせて面接を受けることが可能になります。スケジュール調整の手間が省けるだけでなく、日程が合わずに逃していた採用のチャンスを防ぐことにも繋がります。また、担当者の面接対応やスケジュール管理の負担も軽減され、業務の効率化が期待できるでしょう。

③自社のアピールに時間を割ける

採用担当者は、多忙な業務の一部として応募者の選定に時間を費やしており、企業の魅力を伝える時間が十分でないことも少なくありません。しかし、求人のマッチングや面接の一部をAIに任せれば担当者の業務負担が軽くなり、その分自社のビジョンや強みを応募者に伝える時間的余裕が生まれます。

企業の魅力を伝えることに時間を割けるため、応募数の増加につながるだけでなく、入社後のミスマッチを防ぐというメリットもあります。

④人件費や工数を削減できる

採用担当者の業務は、求人媒体の選定や管理、応募者対応などさまざまです。AIを活用すれば、求職者の選別や広告配信、面接対応といった時間のかかる作業を代行でき、担当者の負担を大幅に軽減できます。

選考の一部にAIを取り入れるだけでも人件費の削減に繋がるため、担当者は入社後の研修やフォロー業務など、より重要な業務に時間を充てることが可能です。

⑤人間が行う面接と比べてプレッシャーが少ない

AIを活用した面接は、人との対面に比べて応募者が緊張しにくく、プレッシャーを軽減できる効果が大きいでしょう。しかも自宅などの落ち着いた環境で面接を受けられるため、応募者はリラックスして受け答えがしやすくなり、本来の自然な人となりを引き出せる可能性が高まります。

AI採用を企業が導入する4つのデメリット

AI採用は多くのメリットをもたらす一方で、導入や運用において注意すべき点も存在します。技術の特性上、すべての採用業務をAIに任せることは難しく、人間による判断やサポートが必要な場面もあります。ここでは、企業がAI採用を導入する際に考慮すべき4つのデメリットについて解説します。

①導入コストが発生する

エントリーシートや履歴書の評価、AI面接や選考ツールなどを活用するには、システム導入のためのコストが発生します。導入初期費用や運用コストがかかるため、業務の効率化による効果と見合うものなのか、慎重な検討が求められます。

②AIの学習に時間がかかることがある

AIは大量のデータをもとに分析・判断を行うため、精度を高めるには十分なデータの蓄積と学習が不可欠です。したがって、応募数が少ない企業や採用を始めたばかりの企業では、必要なデータがすぐに集まらず、AIの判断精度が安定するまでに時間がかかることは否めません。

特に中小企業の場合は、本格的なAI採用の運用体制を築くまでに時間を要する点を理解しておく必要があるでしょう。

③AIだけでは応募者が持つ潜在能力や熱意は判断できない

AI採用では、書類や面接での回答に加え、表情や声のトーンから自社とのマッチ度を分析することができますが、これはあくまで過去のデータに基づいた判断です。応募者の潜在能力や熱意といった定量化しづらい要素は、現時点ではAIだけで正確に見極めるのは難しいとされています。

そのため、書類選考や基本的な評価はAIに任せつつ最終的な判断は人が行うなど、AIと人間の役割を上手に分担することが重要です。

④AI採用に抵抗を持つ応募者もいる

AI面接を受けた求職者の半数以上が「受験意欲が下がった」と回答していることにも注目する必要があります。その理由に、AIに評価されることへの抵抗・精度への不安を上げる人もいれば、「企業の雰囲気が伝わらない」「感情を読み取ってもらえない」といった、面接は人対人であってほしいという意見も多いようです。

こうした不安や誤解によるミスマッチを防ぐためにも、社風や事業内容に加え「なぜAI採用を導入しているのか」「最終判断は人が行っていること」など、企業の採用方針を丁寧に説明する必要があるでしょう。

AI採用を企業が活用するポイント

AI採用をなんとなく導入しても、期待した効果を得ることは難しく、むしろコストばかりがかかってしまう可能性があります。真の成果を実現するためには、自社の採用課題を明確にし、それに適したAI技術の選定と段階的な導入計画、そして継続的な運用改善が不可欠です。ここでは、AI採用の導入を成功に導き、採用業務の効率化と質の向上を同時に実現するための重要な3つのポイントを具体的にご紹介します。

自社が求める人物像や採用基準のデータが必要

AIに適した人材を見極めさせるために、過去データの集積を用意するだけでは不十分です。自社が理想とする人物像や採用における評価軸も合わせて、データとして明確に提示する必要があります。具体的な条件や基準を設定することで、AIは自社に合致する候補者をより精度高く判別できるようになり、採用のマッチング精度はここではじめて向上するのです。

まずは求人媒体で導入する

AI機能を搭載した求人サイトや適性検査にAIを活用する方法は、比較的低コストで導入しやすく、初めてAI採用に取り組む企業に適しています。はじめの一歩としては、以下の機能を備えた求人媒体を活用してみるとよいでしょう。

  • 候補者の絞り込み
  • マッチ度の高い求職者への広告表示やスカウト送信

選考過程のどこかで人による評価を取り入れる

採用において、応募者の選別から合否の決定までとAIが担える工程は多くなっていますが、熱意や可能性といった人間的な側面を評価するのは、現状ではAIには難しい部分だと言えます。

AIに任せっきりにしてしまうと、似通った経歴や思考の人材ばかりが集まり組織の多様性が損なわれ、有望な人材を見落とす恐れもあるでしょう。そのため、選考プロセスのいずれかの段階では、採用担当者の視点を取り入れ、感情や人柄なども加味した判断を行うべきです。

AI採用ツールを導入する

すでに市場には多くのAI採用ツールが登場しており、それらをうまく業務に取り入れれば、効率的に採用活動の生産性を高められます。ツールには、書類選考、適性検査、面接支援など、それぞれの採用工程に特化したものが、以下のように展開されています。

  • 求人原稿の作成支援:生成AI ごんた
  • 書類選考支援:PRaiO、Watson
  • 適性検査:inAIR、アッテル適性検査
  • 面接支援:SHaiN、HireVue

AI採用ツールを検討する際は、まず「どの業務に課題があるか」といった自社のニーズを明確にし、そこを補填する形での導入がおすすめです。どこのポイントでAIを活用するかは各社それぞれで、採用方針も加味する必要があります。

ツール選定の際には、機能性や操作のしやすさはもちろん、導入コストやセキュリティ面も含め総合的に考えましょう。

AI採用を導入している企業事例

AI採用は理論だけでなく、実際に多くの企業で導入され、具体的な成果を上げています。先進的な企業では、書類選考の効率化から面接プロセスの最適化まで、様々な場面でAI技術を活用し、採用業務の革新を実現しています。ここでは、AI採用を成功させている代表的な企業の事例を通じて、具体的な導入方法や効果、そして実践的な活用ノウハウを詳しくご紹介します。

株式会社ニトリホールディングス

ニトリホールディングスでは、経営戦略の実現を支える施策として生成AIを搭載した「タレントパレット」を導入。主な活用分野は、既存社員のスキル再構築(リスキリング)と、客観的データに基づく人員配置の最適化です。

これまで同社では、必要なスキルを持つ人材を外部から採用する方針を取っていましたが、その一方で、自社の強みであるコアコンピテンスが社内に蓄積されにくいという課題も抱えていました。そこで、AIを活用して社内人材を育成し、企業独自の競争力を維持・強化する取り組みに舵を切ったのです。

さらに、社員の研修履歴や適性、業務経験などをAIが分析することで、成長とパフォーマンスを最大化するための配置転換も実現。個人と組織の成長を両立させる、新たな人材マネジメントの形を構築しています。

株式会社一蘭

ラーメン専門店を全国で展開する株式会社一蘭では、対話型AI面接サービス「SHaiN(シャイン)」をアルバイト採用時に導入しています。これまで各店舗で個別に面接を行っていたため、面接の時間確保が難しく、対応が後回しになるケースや、営業時間外の応募者に対応できないといった課題を抱えていました。

AI面接の導入により、店舗現場の社員や店長の負担が大幅に軽減。さらに、時間や場所にとらわれず面接が行えることで、採用機会のロスも抑えられるようになりました。

実際に、AI面接を希望する応募者も多く、アルバイト採用層との相性も良いと考えられています。同社は今後、人による面接との違いやAI面接の成果について調査していく考えで、その結果次第では、AI面接のさらなる普及が見込まれるでしょう。

株式会社阪急阪神百貨店

株式会社阪急阪神百貨店では、デジタル面接プラットフォーム「HireVue(ハイアービュー)」を2018年度の新卒採用から導入しています。応募者は面接場所に出向くことなく、自宅や好きな場所でスマートフォンやPCから録画面接を受けられる仕組みです。

録画された映像は、採用担当者が後から何度でも確認できるため、より多くの応募者と柔軟に向き合えるようになりました。また、AIによる面接データの分析により、評価の偏りを抑え、客観性のある選考を実現。面接時間や場所の制約を取り払いながら、公平な採用プロセスを目指しています。

横浜銀行

横浜銀行では、エントリーシートの選考に株式会社FRONTEOのAI「KIBIT(キビット)」を、2019年度の新卒採用から導入しました。従来は採用担当者が数千件にも及ぶエントリーシートを一つひとつ確認していましたが、KIBITの導入により、選考作業の約7割が効率化。AIの活用によって大幅な業務削減を実現し、担当者の負担軽減に繋がっています。

さらに同社は、2025年2月には株式会社VARIETAS(バリエタス)が開発・提供する「AI面接官」のトライアル導入を決定しました。

応募者のデータを集め活用することによって、自社のニーズに合致する応募者の絞り込みが容易になり、選考の精度が高まります。さらに、業務の効率化によって生まれた時間を学生とのコミュニケーションに充てられるようになり、より多くの人材と出会いの機会が広がる点を大きなメリットとしています。

サッポロホールディングス株式会社

サッポロホールディングス株式会社は、2018年度に試験的にAIを採用プロセスに導入しました。その結果、選考業務の効率化に一定の効果が見られたことから、翌2019年度の新卒採用では、エントリーシートの選考にAIを本格的に活用することを決定しました。実際に選考業務にかかる工数を約40%削減できたことが、正式導入の大きな後押しとなったようです。

なお、AIによる初期判断で基準に満たないと判断された場合でも、すべてのエントリーシートは人事担当者が再確認を行い、最終的な合否を判断しています。これにより、従来と同程度の選考精度を保ちつつ、作業時間の効率化を実現しているようです。

採用におすすめのAI搭載ツール

AI採用の効果を最大化するためには、自社のニーズに適したツール選びが重要な鍵となります。現在市場には、書類選考支援から面接自動化、スカウトメール生成まで、採用プロセスの各段階に特化した多様なAI搭載ツールが展開されています。ここでは、実際に多くの企業で導入され高い評価を得ている代表的なAI採用ツールを厳選し、それぞれの特徴や機能、適用場面について詳しく解説します。

RecUp

RecUp(リクアップ)は、業界や職種に合わせて精緻にパーソナライズされたスカウトメールを自動で作成するAIです。運営する株式会社Delight(ディライト)が、広告代理店としての長年のノウハウを活かし、ただのテンプレートではなく求職者のプロフィールに基づいた訴求力の高い内容を生成します。企業の魅力を効果的に伝えることで、返信率向上を強力にサポートします。

また、採用成功に向けた手厚い伴走支援も特徴です。採用手法の選定から、ナビサイトやダイレクトリクルーティングの求人作成及び運用、魅力的なスカウトメールの作成・配信、採用フローの歩留まり改善まで、採用活動の全工程をプロに一任できます。さらに、運用ノウハウの提供やその他の代行業務など、企業の採用成功に向けた包括的な支援を受けることが可能です。

【主な機能】

  • 求職者のプロフィールを基にしたスカウトメールの自動作成
  • 採用コンサルタントによるスカウト文面の分析・改善
  • タイトルや本文にAI生成のキーワードを活用し、開封率向上
  • ダイレクトリクルーティングの運用支援や代行サービスも提供

【こんなお悩みのある企業様におすすめ】

  • 多くの求職者にスカウトメールを送る必要がある
  • ひとり人事、または専任の採用担当者がいない
  • パーソナライズされたアプローチで採用効率を高めたい

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タレントパレット

タレントパレットは、株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する生成AIを搭載した人事情報プラットフォームです。これまでに4,000社を超えるビッグデータ活用を支援してきた実績があり、ホールディングス企業をはじめ、さまざまな業界で科学的人事戦略の実現をサポートしています。

タレントパレットの魅力は、採用管理にとどまらず、人事戦略全般を幅広く支援できる点です。また、AIや人事システムに不慣れな企業でも安心して活用できるよう、経験豊富なコンサルタントが制限なくサポートしてくれる体制も整っています。

さらに2024年8月7日には、社員の所属・スキル・経験・異動履歴・性格傾向などの蓄積データをもとに、AI技術を活用した「人材検索機能」を実装。条件検索だけでなく、自由なテキスト入力による検索も可能で、検索結果には“なぜその人がマッチしたのか”という理由も生成AIが自動で提示してくれます。これにより、人材の強みや適性が可視化され、目的に応じた柔軟な人材活用が可能になります。

SHaiN

ShaiN(シャイン)は、株式会社タレントアンドアセスメントが提供する対話型のAI面接ツールです。これまでに600社以上の導入実績があり、大手企業や老舗企業など、さまざまな業種で活用されています。

ShaiNの特長は、応募者が時間や場所にとらわれず、都合のよいタイミングで面接を受けられる点です。これにより、日程調整が難しいことによる選考辞退のリスクを抑えられます。また、戦略採用メソッドに基づいて設計されたAIが面接官の役割を担うため、採用基準の標準化や、データに基づく客観的な判断が可能です。

さらに、面接データは採用後の人材配置やアセスメントにも活用でき、人的資本経営の観点からも注目されています。AIを通じて蓄積されたデータを活用することで、企業の価値向上につながる人材育成や最適な配置が実現できるでしょう。

AIスカウトならRecUp

AI採用を導入することで、業務効率化や採用の質の向上が期待できる一方で、導入時の課題や注意点も存在します。しかし、ポイントを押さえて活用すれば、企業の採用力強化に大きく寄与するのは間違いありません。

RecUpのAI採用ツールなら、貴社が求める人材に向けて最適化されたパーソナライズドメールを自動で作成・配信できます。より高い承諾率を実現し、効果的なアプローチを可能にします。

また、スカウトメールの作成から送信までを自動化することで、採用担当者様の業務負担を大幅に軽減します軽減。これまで時間を要していた手作業を削減し、戦略的な採用業務にリソースを集中させることができます。さらに、AIの効率的な運用により外注に比べて圧倒的な低コストでの導入が可能で、スカウト活動にかかる費用がネックだった企業様にも最適な選択肢です。

低コスト・高効率・高精度のAI採用ツールで、貴社を次の採用ステージへと伴走するRecUp。まずはぜひ、その効果をご体感ください。

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監修者プロフィール

福田 光樹
福田 光樹
株式会社Delight
RecUp事業部 カスタマーサクセス部門責任者

新卒から求人広告事業に従事し、企業の採用課題に向き合う中で、実践的な支援スキルを培う。その後、自社開発のAIを活用した採用支援ツール「RecUp」の営業責任者として、プロダクトを活用した採用戦略の設計・実行支援に従事。並行して自社の採用活動にも深く関与し、事業成長フェーズにおける人材要件定義、母集団形成、採用面接など、実務から戦略まで幅広い領域を担当。現在はカスタマーサクセス部門の責任者として、100社以上の採用支援実績をもとに、採用活動の最適化を支援している。実務と戦略の両視点を持つ実践型の採用コンサルタントとして、現場に寄り添いながらも成果に直結する支援に定評がある。

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