AI面接の仕組みを徹底解説!導入するメリットデメリットやAI面接サービスを選ぶ際の4つのポイントも紹介!

近年、採用プロセスにAI(人工知能)を活用した「AI面接」が急速に普及し、多くの企業が導入を検討しています。AI面接は担当者の負担軽減や採用コストの削減など多くのメリットをもたらす一方で、導入時の注意点やデメリットも存在します。本記事では、AI面接の仕組みから導入のポイント、サービス選定の基準まで、企業が知っておくべき重要な情報を包括的に解説します。
AI面接とは?

AI面接とは、企業が採用面接を行う際に、AI(人工知能)が人間の面接官の代わりに面接を行い、評価する手法のことです。応募者は、人間の面接官と直接会話したり、質疑応答したりすることは、ほとんどありません。事前にククククテンテン設定されたAIからの質問に回答するのみで、面接が完了します。
AIが面接を行うことから、スマートフォンもしくはパソコン上でアプリやツールを利用して、オンラインで実施することが一般的です。AIは、応募者の回答内容や声のトーン、表情などのデータを解析し、事前に設定した基準に基づいて、応募者の適性を自動で評価します。
AI面接の仕組み

AI面接は従来の対面面接とは根本的に異なり、テクノロジーを活用した独自のプロセスで進行します。オンライン面接、AIによるデータ分析、評価レポートの自動作成、選考判断という4つのステップで構成され、それぞれが連携して効率的かつ客観的な採用評価を実現します。各段階では最新技術により、人間の面接官では捉えきれない細かなデータまで収集・分析されるため、より精密な人材評価が可能になります。
オンライン面接
オンライン面接では、応募者は任意のタイミングもしくは指定された時間に、パソコンもしくはスマートフォンからAI面接サービスにアクセスして、面接を受けます。ほとんどの場合、人事担当者と直接対話したり、質疑応答したりすることはありません。事前に設定された質問に対しての回答を、録画する形式が一般的です。
サービスによっては、応募者の回答に対して自動で質問が追加されるような、対話形式で進行する場合もあります。企業側が特に注目したい項目(志望動機や勤務可能な時期など)があれば、事前に質問として設定することも可能です。また、英語や中国語など、複数の言語に対応しているサービスもあります。
AIによる分析
面接で録画したデータをもとに、AIが応募者の回答を分析します。音声認識システムを用いて回答の内容をテキスト化し、キーワードや構成を分析します。録画した映像から、視線の動き方や表情の変化、声のトーンや速さなどの言葉ではない部分も捉えることが可能です。
上記のデータから、応募者の性格や能力などを数値化して評価します。たとえば、「コミュニケーション力」「論理思考力」「企業に対する意欲」などの評価軸からスコアとして可視化するため、一貫した基準で応募者の合否を判定できます。
サービスによっては、自社の社員と能力を比較したり、将来のパフォーマンス予測をしたりするなど、より複雑な分析が可能です。また、面接官ごとに面接分析レポートを作成し、採用力の自律改善を促進するサービスもあります。
面接評価レポートの作成
AIによって分析した結果は、応募者一人ひとりのレポート形式で作成されます。ほとんどのサービスでは、面接が終了してから数分〜数十分後に自動でレポートが作成されるため、採用の担当者はすぐに結果を確認することが可能です。
レポートには、面接時に評価した数値や、「論理的に話ができている」「表情が豊かでコミュニケーション能力が高い」などの具体的な分析内容が表示されます。そのため、面接官の主観に左右されにくい客観的なデータとして活用できます。
AIのレポートをもとにした選考
AIが作成したレポートをもとに、高い評価だった応募者を次の選考ステップに案内します。ただし、AIの判断だけに依存するのではなく、担当者が確認することが重要です。
たとえば、AIが「不合格」と判定した場合でも担当者がもう一度動画を視聴して判断したり、AI面接のあとにフォロー面接を行ったりしましょう。AIの評価は、あくまでも補助的な位置付けとして捉えることで、公平性を補うことが可能です。
AI面接と通常の面接の違い

AI面接を効果的に活用するためには、従来の面接手法との根本的な違いを正しく理解することが不可欠です。実施手段、面接目的、評価基準の3つの観点において、従来の「人対人」のコミュニケーション重視型に対し、AI面接は「データドリブン」なアプローチを採用している点が大きく異なります。これらの違いを把握することで、自社の採用戦略におけるAI面接の最適な活用方法を判断できるようになります。
手段
AI面接は、スマートフォンもしくはパソコンで専用のアプリやツールを利用して、オンライン上で実施されます。一方、通常の面接の手段は、企業のオフィスや貸会議室などで対面して行う面接と、ビデオ通話ツールを使用してリアルタイムで行うWeb面接などです。
AI面接とWeb面接は、どちらもオンライン上で行われるという共通点があります。
しかし、AI面接は専用のアプリや専用のシステムを利用することに対し、Web面接は人間が自力で行うという点が違いです。
目的
AI面接を導入する目的として多いのが、「採用活動の効率化」です。AI面接を導入することで、採用活動にかかるコストを削減し、採用のミスマッチを減らします。
一方、通常の面接は「応募者の性格や能力を深く知る」ことが目的です。面接官が、直接応募者に対して質疑応答をして意思確認することで、応募者の性格や職務に対する意欲、適性などを評価します。
評価基準
AI面接で用いられる評価基準は、従来の面接で担当者が注目していたポイントを数値化したものが一般的です。たとえば、「課題解決力」「コミュニケーション力」「考え抜く力」など、一般的に求められる資質を複数設定し、達成度をAIが判断します。
データ分析手法としては、自然言語処理による音声データの分析や、画像処理による表情や視線の分析などです。分析結果に機械学習モデルを活用することで、過去のデータや採用基準に照らしてスコアを算出します。その結果、主観に頼ることのない客観的な人材評価を実現することが可能です。
AI面接を導入する5つのメリット

AI面接の導入は、採用プロセスの効率化と品質向上を同時に実現する多くのメリットを企業にもたらします。担当者の負担軽減、評価の一貫性確保、採用コスト削減、データの有効活用、選考辞退防止という5つの主要メリットにより、従来の採用活動が抱える課題を総合的に解決できます。これらのメリットは相互に連携し合い、採用活動全体の品質向上と効率化を同時に実現します。
①担当者の負担が軽減される
AI面接は自動化されたプロセスであるため、担当者の負担を大幅に軽減できます。AIが、自動で質問に対する応募者の回答を分析するため、担当者はAIが作成したレポートをもとに、合否判断するのみで済みます。
また、AIによって24時間365日対応できるため、スケジュールを調整する負担も軽減することが可能です。その結果、面接に費やしていた時間を別の業務に活用したり、次の選考の案内までの時間を削減できたりなどのメリットをもたらします。さらに、より多くの応募者と面接でき、採用プロセスを迅速化できるという点も、魅力のひとつです。
②評価の一貫性を確保できる
AI面接は、すべての応募者に対して同じ質問の種類や回答の評価基準で面接を実施するため、評価の一貫性を確保できます。人間の面接官による面接で発生してしまうような、面接官による評価のバラつきや、個人の主観的な評価を削減することが可能です。
また、AIは応募者の回答を深掘りして分析するため、より正確に評価できます。その結果、応募者たちの価値観やニーズなどを正しく把握して、入社後のミスマッチを防止できるのです。
③採用コストの削減につながる
AI面接では、面接会場の手配や交通費、面接官の手配などの費用を削減できます。
また、面接を録画することが可能であるため、面接の評価で何度も面接を聞く必要がなくなります。その結果、時間や労力などの採用コストの削減にもつながると言えるでしょう。
④データの有効活用ができる
従来の面接では、面接官のメモや記憶に頼って評価を行っていました。一方、AI面接では面接の内容すべてが、データとして蓄積されます。
質問に対する回答や評価スコアなどのデータが保存されるため、社内で共有することが容易です。担当者が録画した面接内容を見返したり、他の応募者と比較したりするなど、データを有効活用できます。
⑤選考辞退の防止につながる
AI面接は、オンライン上で面接を受けられることが特徴のひとつです。インターネットの環境が整っていれば、面接会場へ赴くことはなく、場所を選ばずに参加できます。地方や海外に住んでいる人でも面接に参加しやすくなるため、優秀な人材と出会える可能性を広げられます。
また、AI面接は日付や時間を選ばずに実施できるため、「スケジュールが合わずに選考を辞退する」といったことの防止が可能です。
AI面接を導入するデメリットや注意点

AI面接には多くのメリットがある一方で、導入前に十分検討すべきデメリットや注意点も存在します。構築・運用コスト、専門知識の必要性、応募者の心理的負担、個人情報保護への対応、人間性評価の限界といった課題があり、これらを事前に理解し適切な対策を講じることが重要です。ただし、これらの課題は適切な準備と運用方法により軽減可能であり、自社の状況に応じた事前対策を準備することで効果的な導入を実現できます。
構築や運用にはコストがかかる
AI面接を導入するには、専用のアプリやシステムが必須です。専用のアプリやシステムの構築や運用には、コストが発生します。あらかじめ予算を設定し、費用対効果を考慮してからAI面接を導入することがおすすめです。
導入には専門知識が必要
AI面接の導入には、コストだけではなく、設定や操作に関する専門の知識を持っているスタッフが必要な場合があります。人事担当者が専門知識を持っていない場合、システムの導入や運用に時間と手間がかかるかもしれません。
また、専門知識を持っているスタッフがいない場合は、新たなスタッフを雇わなければいけない場合もあるため、ハードルが高いと言えるでしょう。
応募者の不安を招くことがある
AIによる面接は、応募者の不安を招くことがあります。無機質な印象を与えやすく、企業側の個性や熱意が伝わりにくいためです。そのため、担当者によるフォロー面談やフィードバックを行うことで、応募者との信頼関係を築いていくことが大切です。
また、AI面接はオンライン上で行われることから、通常の面接よりも緊張感が薄れる場合があります。そのため、応募者は面接での実力を発揮できない可能性があると言えるでしょう。
個人情報の取り扱いに十分配慮する必要がある
AI面接には、プライバシーや公平性などの観点から、法的な規制が関わることがあります。企業は、応募者への説明や同意取得を適切に行い、個人情報の取り扱いに十分配慮することが必要です。
AIで人間的な魅力を評価することは難しい
AI面接は、データ分析に長けているというメリットがある一方で、人間的な魅力を評価することは難しいというデメリットがあります。そのため、AIだけに合否の判断を任せるのではなく、人間からの視点もあわせて判断することが重要です。
たとえば、AI面接の後に人事担当者が録画したデータを見返したり、人間の面接官によるフォローの面接を行ったりなどを実施しましょう。その結果、データ分析と人間的な魅力の両方をバランス良く評価することにつながります。
企業がAI面接サービスを選ぶ際の4つのポイント

自社でAI面接システムを開発することが困難な場合は、既存のAI面接サービスの活用が現実的な選択肢となります。サービス選定時には、導入目的との適合性、評価方法の公平性、使いやすさ、コストパフォーマンスという4つの重要なポイントを総合的に検証する必要があります。これらの観点から慎重に評価することで、自社のニーズに最適で長期的に活用できるAI面接サービスを見つけることができます。
①導入目的に合っているか
まずは、自社が採用する上での課題を洗い出し、AI面接を導入する目的を定めましょう。自社が定めた導入目的に合わせて、AI面接サービスを選ぶことが大切です。
AI面接サービスには、応募者のスキルや経験を評価するサービスや、性格や適性を評価するサービスなど、さまざまな種類があります。目的別に適しているAI面接サービスは、以下の表の通りです。
導入目的 | 適しているAI面接サービス例 |
応募者が多く、選考の負担を軽減したい適切な回答を引き出したい | AIが面接から代行するサービス |
現行の面接プロセスを活かしつつ、評価の質を上げたい面談の基準を均一化したい | AIが分析を代行するサービス |
新卒採用に活用するため | 24時間対応しているサービススマートフォン対応のサービス応募者のスキルや経験を評価するサービス |
中途採用に活用するため | 性格や適性を評価するサービス高度な評価項目を取り扱っているサービス |
上記の表を参考にして、自社の導入目的に合ったサービスを選びましょう。
②評価方法に偏りはないか
AI面接サービスを導入する前に、評価方法に偏りがないかを確認することも重要です。
また、自社が重要視している評価項目が含まれているかについても、あわせて確認しましょう。
可能であれば、本格的に導入する前に、無料トライアルや体験サービスなどの活用がおすすめです。
現行通りの人事担当者の評価と、AIによる評価結果を比較して整合性を確かめておくことで、ギャップを少なくできます。
③使いやすいサービスか
応募者にとって、AI面接サービスが使いやすいかどうかも重要なポイントのひとつです。画面の見やすさや対応している言語、サポート体制などを考慮して選定することで、選考辞退のリスクを削減できます。特にサポート面では、操作方法や活用方法などのサポートを受けられると安心です。
また、問い合わせ対応やFAQが充実しているかどうかも、重要視しておくと良いでしょう。
④価格と機能は見合っているか
最後に、価格と機能のバランスが適切かどうかを慎重に検証します。AI面接サービスの料金体系は、初期費用+月額料金型と従量課金型に大別されるため、自社の予算や採用規模に適した価格設定かを判断することが重要です。
ただし、「安ければ良い」という考えは危険で、必要な機能が不足していては本末転倒になります。録画機能やリアルタイムチャット機能など、自社の採用プロセスに必要な機能が適切に搭載されているかを必ず確認しましょう。
AIスカウトならRecUp

企業が採用面接を行う際に、AIを取り入れる手法である「AI面接」は、オンライン面接や分析、評価などを行うことが一般的です。AI面接を導入することで、担当者の負担を軽減したり、採用コストを削減したり、選考辞退を防止したりするなど、さまざまなメリットを得られます。しかし、AI面接の構築や運用にはコストが発生し、個人情報の取り扱いには注意しなければいけません。
自社でAI面接を開発することが難しい場合は、AI面接サービスの利用もおすすめです。
AI面接サービスを利用する際は、自社の導入目的に合った使いやすいサービスを選びましょう。
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監修者プロフィール

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株式会社Delight
RecUp事業部 カスタマーサクセス部門責任者
新卒から求人広告事業に従事し、企業の採用課題に向き合う中で、実践的な支援スキルを培う。その後、自社開発のAIを活用した採用支援ツール「RecUp」の営業責任者として、プロダクトを活用した採用戦略の設計・実行支援に従事。並行して自社の採用活動にも深く関与し、事業成長フェーズにおける人材要件定義、母集団形成、採用面接など、実務から戦略まで幅広い領域を担当。現在はカスタマーサクセス部門の責任者として、100社以上の採用支援実績をもとに、採用活動の最適化を支援している。実務と戦略の両視点を持つ実践型の採用コンサルタントとして、現場に寄り添いながらも成果に直結する支援に定評がある。