この記事を読むと理解できること
- 新卒採用説明会の参加率と現状 がわかる
- 新卒採用説明会の参加率が低下する原因4つ がわかる
- 新卒採用説明会の参加率を上げる方法 がわかる
- 採用成功につなげるポイント がわかる
- 新卒採用説明会の参加率を改善した事例 がわかる
就職活動を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しています。学生の情報収集手段は多様化し、スマートフォンひとつで複数の企業の情報を同時に比較検討できる時代になりました。
そのため、企業側も従来の採用手法をそのまま続けるだけでは、学生との接点を十分に築けなくなりつつあります。特に新卒採用の現場では、限られた期間の中でいかに効率よく学生とコミュニケーションを取り、志望度を高めてもらうかが採用担当者にとって大きな課題となっています。
こうした状況の中で、多くの企業が頭を悩ませているのが、会社説明会をめぐるさまざまな数値の変化です。本記事では、採用活動の初期段階における重要な指標について、基礎知識から実践的な改善策まで幅広く解説していきます。
新卒採用説明会の参加率とは?
就職活動をめぐる環境は年々変化しており、学生の企業研究の方法も多様化しています。スマートフォンで複数社の情報を同時に比較できるようになったことで、学生一人ひとりの動き方にも幅が出てきました。採用担当者にとっては、限られた準備期間の中で学生との接点をどう作るかが重要なテーマとなっています。
この章では新卒採用説明会の参加率にまつわる基礎的な情報を整理しています。
新卒採用説明会の平均参加率
新卒採用の現場で気になるのが、事前予約をした学生のうち実際に何割が説明会へ足を運んでいるのかという点です。調査によると、同社が支援する企業の説明会参加率平均は76.6%という結果が出ています。
またマイナビの調査でも、対面形式の個別企業セミナーにおける事前申込者の参加率について、10割参加が25.7%という結果が出ており、企業によって参加率にはばらつきがあることがわかります。
予約枠の設定は前年の歩留まりを踏まえて行うことが重要で、会場の広さと参加率を考慮せずに定員を決めてしまうと、当日の空席が目立ち、学生に「あまり人気のない企業なのかもしれない」という印象を与えてしまう可能性もあります。参加率の把握は、説明会運営の土台となる作業といえるでしょう。
オンライン・対面での違い
説明会の開催形式には対面とオンラインがあり、それぞれで参加率の傾向が異なります。マイナビの調査では、個別企業セミナー事前申込者の参加率について、対面形式では10割参加の企業が25.7%だった一方、WEB形式では12.9%にとどまり、対面のほうが100%達成の企業割合は高いという結果が出ています。
さらに前年との比較データを見ると、対面形式では参加率が「大幅に下がった」と回答した企業が15.1%だったのに対し、WEB形式では10.8%となっており、WEB形式のほうが参加率の維持や向上を実感している企業がやや多い傾向も見られます。移動の負担がない分、学生にとって参加しやすいことが背景にあると考えられます。
一方で対面ならではの熱量の伝わりやすさもあり、どちらか一方に絞るのではなく、自社のターゲット層や採用フェーズに応じて使い分ける企業も増えています。
ドタキャンの傾向
説明会予約をしたにもかかわらず、当日になって参加しない、いわゆるドタキャンは多くの企業が抱える悩みのひとつです。キャリアマートの調査による学生の欠席理由の内訳を見ると、体調不良が20%、予定が合わなくなったが20%、ゼミや授業とのバッティングが10%、他社の就職活動との重複が10%、家庭の事情が7%、親戚の不幸が7%、理由不明などその他が26%となっています。
このように理由の半数近くは学生本人の体調や予定変更によるものであり、企業側の努力だけで完全に防ぐことは難しい側面もあります。とはいえ、開催時間帯によって参加率に差が出ることもわかっており、同調査では午前よりも午後開催のほうが参加率が高い傾向が示されています。
学生が予定を調整しやすい時間帯を選ぶことや、事前のリマインド連絡を徹底することで、ドタキャンを一定程度は抑えられる可能性があります。ドタキャンを完全にゼロにすることを目指すのではなく、想定した上で予約枠を設計する視点も欠かせません。
新卒採用説明会の参加率が低下する原因4つ!
説明会の運営方法は企業ごとに工夫が重ねられていますが、それでも思うように参加率が伸び悩むケースは少なくありません。背景には学生側の事情だけでなく、企業側の準備や伝え方に起因する要因も存在します。
この章では参加率が低下しやすい代表的な要因を整理しています。
日程が合わない
学生は就職活動期間中、複数の企業の選考スケジュールを並行して抱えていることが多く、説明会の日程が他社の選考やゼミ、授業などと重なってしまうケースは珍しくありません。特に解禁直後の繁忙期は、学生一人あたりが検討する企業数も多くなるため、予約時点では参加意欲があっても、開催日までの間に予定が変わってしまうことがよくあります。
このタイムラグが生まれることで、当初の熱量が薄れてしまい、結果的に欠席につながるケースも見られます。マイナビの調査でも、個別企業セミナーの開催時期は3月から4月に集中しており、この時期は学生の予定が特に立て込みやすい時期と重なります。
開催日を1つに絞らず、複数の候補日を用意することや、対面とオンラインの両方を選べるようにすることが、日程調整の負担を減らすうえで有効な対策のひとつとなります。
他者と比較される
学生は就職活動の中で、常に複数の企業を比較検討しながら意思決定を行っています。合同説明会サイトへの掲載内容や口コミサイトの評判など、企業の魅力を判断する材料が増えたことで、自社の説明会が他社と比べて見劣りすると判断されてしまうと、優先順位が下がり参加が後回しにされることがあります。
キャリークラウドの調査でも、エントリーから説明会参加までの歩留まりが低下する主な要因として、学生の動機付けや採用ブランディングの不足が挙げられています。企業のビジョンや文化が学生に伝わりきっていない場合、他社との差別化が難しくなり、説明会参加へのモチベーションが上がりにくくなるのです。
求人情報や採用サイトの段階から自社らしさを明確に打ち出すことが、比較検討の場面で選ばれるための土台になります。
説明会の内容が魅力的ではない
説明会の告知内容が定型的で、他社と似たような文言になっていると、学生の目に留まりにくくなります。事業内容や仕事内容の説明にとどまり、学生が本当に知りたい情報が不足していると、参加する必然性を感じてもらえないまま予約を見送られてしまうこともあるでしょう。
マイナビの調査では、個別企業セミナーで話した内容として事業内容の説明が96.3%、仕事内容の説明が97.7%と大多数の企業が実施している一方、企業理念や今後の展望についての言及は6割前後にとどまっています。学生目線での情報発信が不足していると、他社との違いが伝わりにくくなり、参加意欲を高めきれない可能性があります。
告知文の段階から、学生が知りたい内容や説明会でしか得られない情報を明示することが、参加率向上の第一歩といえるでしょう。
リマインド不足
説明会予約をした後、開催日まで企業側から一切の連絡がないと、学生の記憶から徐々に薄れてしまいます。特に予約から開催までの期間が長い場合、他の予定に上書きされてしまい、当日になって忘れていたというケースも起こり得ます。
マイナビの調査では、個別企業セミナーの参加者を増やすための工夫として、開催日前に参加確認の電話やメールを行った企業が31.1%、都合が悪くなった学生に他の日程を案内した企業が31.2%となっており、いずれも一定の効果が期待されている施策です。
リマインドの有無は参加率に直結する要素であり、対応をしていない企業ほど当日キャンセルのリスクが高まる傾向にあります。予約直後の確認連絡と、前日のリマインドという2段階の連絡体制を整えることが、基本的ながら効果の高い対策となります。
新卒採用説明会の参加率を上げる方法とは?
参加率の低下要因を把握したうえで、次に必要になるのが具体的な改善策の実行です。対策は一つに絞るのではなく、複数の施策を組み合わせることで効果が高まりやすくなります。
この章では参加率を高めるための実践的な方法を整理しています。
ターゲットに合わせた開催日時にする
説明会の開催日時は、ターゲットとする学生の生活リズムに合わせて設定することが基本です。キャリアマートの調査では、午前よりも午後開催のほうが参加率が高い傾向が示されており、学生が動きやすい時間帯を選ぶだけでも参加率に差が出る可能性があります。
またマイナビの調査によると、参加者を増やすための工夫として開催日数を増やした企業が49.4%、開催時間のバリエーションを増やした企業が19.3%となっています。平日の日中だけでなく、休日や夕方以降の時間帯を用意することで、学業やアルバイトとの兼ね合いで参加が難しかった学生を取り込める可能性が広がります。
ターゲット層が理系学生か文系学生か、地方在住かによっても最適な時間帯は変わるため、自社の採用ターゲット像に応じて柔軟に日程を組むことが求められます。
リマインドメール・SMSを活用する
予約後のフォローは参加率を左右する重要な要素です。キャリークラウドの記事でも、説明会や書類提出が近づいたタイミングでフォローメールを送ることで、応募者が忘れないようにリマインドする効果が紹介されています。特に前日には、場所や時間、持ち物を再確認できる内容を送ることが推奨されています。
さらに、メールだけでなくSNSやマイページを活用する動きも広がっています。連絡手段をLINEに切り替え、自動リマインドを設定したことで、選考離脱率の低下と面接参加率の向上という成果が得られた事例もあります。
メールが開封されにくくなっている現状を踏まえると、学生が日常的に使い慣れたツールでの通知を取り入れることが、今後さらに重要性を増していくと考えられます。
学生が知りたい情報を伝える
企業が伝えたい情報と、学生が知りたい情報には、しばしばギャップが生じています。事業内容や仕事内容の説明だけでなく、学生の目線に立った情報を盛り込むことで、説明会への参加意義を感じてもらいやすくなります。
マイナビの調査では、個別企業セミナーで話した内容として人事制度や福利厚生についての言及が81.5%となっており、多くの企業が待遇面の情報も重視していることがわかります。給与や働き方、キャリアパスといった具体的な将来像を提示することは、学生が自分ごととして企業を捉えるきっかけになります。
告知の段階から「この説明会に参加すると何が得られるのか」を明確に伝えることで、他社の説明会との差別化にもつながり、参加への動機付けを強められるでしょう。
双方向型の説明会にする
一方的な情報発信だけの説明会では、学生の理解度や満足度が伸び悩むことがあります。近年は、学生が自ら興味のある情報を選んで視聴できるインタラクティブ型の説明会や、質疑応答の時間を多く設ける双方向型の形式を取り入れる企業が増えています。
ある会社の事例では、従来のライブ型オンライン説明会に加えて、学生が好きなタイミングでタップしながら情報収集できる自動説明会を導入したことで、理解促進と参加率改善の両立を目指す取り組みが行われています。質問会をあらかじめ動画内のQ&Aとして用意することで、学生が気兼ねなく気になる情報を確認できるようになったという声もあります。
学生が受け身にならない仕組みを取り入れることは、説明会の満足度そのものを高めることにもつながります。
オンライン・対面を使い分ける
対面とオンラインには、それぞれ異なるメリットがあります。対面は熱量や雰囲気が伝わりやすく、オンラインは移動の負担がなく参加のハードルが下がるという特性があります。どちらか一方に絞るのではなく、両方の選択肢を用意することで、幅広い層の学生にアプローチできます。
キャリークラウドの記事でも、物理的な移動を伴う説明会は遠方の応募者にとってハードルが高いことが指摘されており、オンライン形式を取り入れることでより多くの応募者に参加してもらえる環境を整えられると紹介されています。
ある事例でも、ライブ型のオンライン説明会と自動説明会を並行して展開し、学生に選択肢を与える運用が行われています。今後は学生の反応を見ながら、それぞれの形式の比率を調整していく柔軟な姿勢が求められるでしょう。
説明会参加率だけでは不十分?採用成功につなげるポイントを解説!

説明会の参加率を高めることは重要ですが、それだけで採用活動が成功するわけではありません。参加後のプロセスまで見据えた設計があってこそ、最終的な採用成功につながります。
ここでは、参加率のその先を意識したポイントを紹介します。
説明会満足度を高める
説明会に参加してもらえたとしても、内容に満足してもらえなければ、その後の選考への参加意欲は高まりません。参加率だけでなく、参加した学生がどのような感想を持ったかを把握することが重要です。
ディップ株式会社の事例では、従来の説明会について「情報を詰め込みすぎて、かえって重要な部分が伝わりきっていない」という課題感が語られています。学生の理解度を高めるためには、伝える情報量を絞り込み、学生が主体的に情報を選べる仕組みを整えることが効果的とされています。
アンケートやクリック・タップデータなどを活用して、どの情報に学生の関心が集まっているかを可視化することで、次回以降の説明会内容の改善にもつなげやすくなるでしょう。
選考参加率・内定承諾率まで意識する
説明会はあくまで採用プロセスの入口にすぎません。その先にある書類選考、面接、内定承諾までの一連の流れを見据えて設計することが、最終的な採用成功につながります。説明会参加者のうち、実際に選考へ進んだ人数の割合まで追跡することが欠かせません。
キャリークラウドの記事では、面接設定から面接実施への歩留まりが低下する要因として、企業と学生のミスマッチや選考過程の負担の大きさが挙げられています。またイーエムネットジャパン株式会社の事例では、連絡手段の見直しによって面接への参加率が11%向上したという成果も紹介されています。
説明会の参加率という単一の指標だけでなく、その後の各フェーズの数値も合わせて確認することで、どこに改善余地があるのかが見えやすくなります。
KPI(重要業績評価指標)を一貫して管理する
採用活動全体を改善していくためには、各フェーズの数値を場当たり的に見るのではなく、一貫したKPIとして継続的に管理することが求められます。エントリー数、説明会参加率、選考参加率、内定承諾率といった指標を段階ごとに設定し、どのフェーズで学生が離脱しているのかを定量的に把握することが改善の出発点になります。
マイナビの調査でも、採用活動における現時点での問題点として、説明会参加者からのエントリーが少ないと回答した企業が一定数存在することが示されています。数値を可視化することで、感覚だけに頼らず、根拠のある改善策を打ち出しやすくなります。前年のデータと比較しながらKPIを継続的に見直す姿勢が、採用活動全体の精度を高めていく鍵となるでしょう。
新卒採用説明会の参加率を改善した事例を紹介!
ここまで紹介してきた考え方や施策が、実際の採用現場でどのように活用されているのか、具体的な企業事例を通して見ていきましょう。それぞれ異なるアプローチで参加率や歩留まりの改善に取り組んでいます。
ディップ株式会社

人材サービス事業やAI・DX事業を展開するディップ株式会社では、新卒採用の目標人数を前年比2倍に引き上げるにあたり、会社説明会の見直しに取り組みました。同社ではエントリーから会社説明会参加への歩留まりに課題を抱えており、エントリーからの説明会参加率は約3割にとどまっていたといいます
そこで同社は、インタラクティブ採用サービス「Recruit MIL」を導入し、従来のライブ型オンライン説明会に加えて、学生が好きなタイミングで視聴できる自動説明会を並行して展開する取り組みを開始しました。
学生が主体的に情報を選びながら視聴できる仕組みにすることで、説明会参加率10%アップを目標に掲げ、あわせて質疑応答の自動化による工数削減や、視聴データを活用した学生理解の深化も進めています。
出典:説明会自動化で、昨年比2倍の新卒採用に挑む! 学生に“多様な参加の選択肢”を提供し、 会社説明会の常識を刷新!
イーエムネットジャパン株式会社

イーエムネットジャパン株式会社では、学生への連絡手段としてメールを活用していたものの、学生がメールを確認しないまま説明会や面接に参加せず、音信不通になってしまうケースが目立っていたという課題を抱えていました。従来の連絡方法では、学生の熱量を維持したまま選考へつなげることが難しい状況だったといいます。
この課題を解決するため、同社は連絡ツールを学生にとって身近なLINEへと切り替え、あわせて自動リマインドメールの設定を行いました。その結果、選考離脱率が下がり、面接への参加率は11%向上したと報告されています。
学生が日常的に使い慣れているツールを活用することで、連絡の見落としを減らし、選考への参加意欲を維持しやすくなったことがうかがえる事例です。連絡手段の見直しという比較的取り組みやすい施策であっても、着実な効果につながることを示す好例といえるでしょう。
新卒採用の歩留まり改善ならRecUp!

新卒採用説明会の参加率は、企業の努力次第で改善できる余地が大きい指標です。日程設定やリマインド対応、双方向型の説明会運営など、今回紹介した方法を一つずつ見直すだけでも、参加率の底上げにつながる可能性があります。また、参加率だけにとらわれず、その先の選考参加率や内定承諾率まで一貫して管理することで、採用活動全体の精度を高めていくことができます。
自社の採用課題がどのフェーズにあるのか整理しきれない、あるいは説明会運営や歩留まり改善のノウハウが社内に不足しているという場合は、専門的な知見を持つ外部サービスを活用するのも一つの方法です。新卒採用の歩留まり改善に取り組みたい企業様は、ぜひRecUpにご相談ください。
参考出典
新卒採用説明会の参加率~ドタキャンってどのくらい?
https://www.careermart.co.jp/blog/2551
マイナビ2026年卒企業新卒採用活動調査
https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2025/07/2026-saiyojyokatsudo.pdf
説明会参加率をあげるためのやることチェックリスト
https://saponet.mynavi.jp/files/useful_materials/s-setsumeikaichecklist.html
母集団形成の進め方|採用成功につなげる7つの方法と企業事例
https://goworkship.com/magazine/hr-recruitment-talent-pool/


