新卒ダイレクトリクルーティングの市場規模は?中途採用の市場規模や市場拡大の理由を徹底解説

新卒のダイレクトリクルーティング市場は、年々注目度が高まっています。ナビ型の求人媒体だけに頼らず、企業から学生へ直接アプローチできる手法として、採用担当者の関心を集めているからです。

一方で、新卒ダイレクトリクルーティングの市場規模がどの程度成長しているのか、実際に導入している企業はどれほどあるのかについては、明確な情報を把握できていない企業も少なくありません。特に中途採用に比べて、新卒領域はまだ市場が発展途上であるため、将来性や具体的な効果を見極めたうえで導入したいと考えている人事担当者も多いでしょう。

そこで本記事では、新卒ダイレクトリクルーティングの市場規模にフォーカスしながら、中途採用との比較や市場が拡大している背景、今後の見通し、導入時の課題や選定ポイントまで詳しく解説します。

ダイレクトリクルーティングとは?

ダイレクトリクルーティングとは、企業が自ら求める人材に対して直接アプローチし、採用につなげる手法のことです。従来のように求人広告を出して応募を待つのではなく、企業側から候補者へアクションを起こす「攻めの採用」が特徴です。

この採用スタイルでは、企業がスカウト型のプラットフォームを活用し、自社の求める人物像に近い学生や求職者に対して、スカウトメールやメッセージを送ることで接点をつくります。興味を持った候補者と面談やカジュアル面談を行い、相互理解を深めながら選考へと進んでいきます。

もともとは中途採用市場で活用が進んできた手法ですが、近年では新卒領域にも広がりを見せています。特に学生の就職活動が早期化・多様化していることもあり、企業が主体的に接点を持つ必要性が高まっているためです。

こうした背景から、新卒・中途を問わず、ダイレクトリクルーティングは今後の採用活動における重要な手法として注目されています。

新卒ダイレクトリクルーティングの市場規模

新卒領域におけるダイレクトリクルーティングは、ここ数年で企業からの注目度が急速に高まっています。学生の就職活動が早く始まるようになり、ナビサイトを利用するだけでは、出会いたい学生と効率よくつながることが難しくなってきた企業が増えているためです。そうした背景のもと、企業側から積極的にアプローチできる採用手法として、ダイレクトリクルーティングの活用が広がりを見せています。

実際に、ウォンテッドリー株式会社が2022年1月に実施した「就職活動に関する調査」では、22年卒の学生のうち94%が企業からスカウトを受け取ったと回答しています。

引用:ウォンテッドリー株式会社【22卒〜24卒の就職活動に関する調査結果を発表】

この数字は、新卒採用市場においてもダイレクトリクルーティングが着実に根付いてきていることを示しています。

導入企業の数は年々増加しており、特にベンチャー企業や中小企業、採用ターゲットが明確な企業での導入が進んでいます。また、知名度やブランド力に頼らずに学生と直接つながれる手段として、大手企業の関心も高まりつつあります。

新卒のダイレクトリクルーティング市場は、まだ成長途上ではあるものの、今後の採用活動において欠かせない存在となっていく可能性が高いといえるでしょう。

中途採用ダイレクトリクルーティングの市場規模

中途採用市場におけるダイレクトリクルーティングは、近年、企業の採用活動において重要な手法として定着しています。株式会社マイナビが実施した「中途採用状況調査2024年版(2023年実績)」によれば、2023年にダイレクトリクルーティングを利用し、実際に採用につながった企業の割合は年々増加傾向にあり、2023年では約5社に1社がダイレクトリクルーティングを通じて採用を成功させています。

引用:マイナビ【中途採用状況調査2024年版(2023年実績)】

この背景には、労働市場の変化が大きく影響しています。特に、即戦力となる専門職人材の需要が高まる中、企業は従来の求人広告や人材紹介に頼るだけでなく、より積極的にターゲット人材にアプローチする必要性を感じています。ダイレクトリクルーティングは、企業が自ら候補者に直接コンタクトを取ることで、採用のミスマッチを減らし、効率的な人材獲得を可能にします。

さらに、採用活動の効率化やコスト削減といったメリットも、ダイレクトリクルーティングの普及を後押ししています。従来の採用手法に比べ、企業が主体的に動くことで、採用プロセスのスピードアップや、採用コストの最適化が図れるため、多くの企業がこの手法を取り入れるようになっています。

今後も、中途採用市場におけるダイレクトリクルーティングの活用は、労働市場の動向や企業の採用戦略に応じて、さらに広がっていくことが予想されます。

ダイレクトリクルーティングの市場規模が拡大している3つの理由

ダイレクトリクルーティングの市場は、ここ数年で急速に拡大しています。
新卒・中途を問わず、多くの企業がこの手法を導入し始めている背景には、採用を取り巻く環境の変化と、それに伴う企業側の意識の変化があります。

企業が自ら求める人材にアプローチする採用スタイルが一般化しつつある中で、なぜこれほどまでにダイレクトリクルーティングが広まっているのでしょうか。
その主な理由として、次の3つが挙げられます。

①転職潜在層にアプローチできる採用手法だから

ダイレクトリクルーティングが広がっている背景のひとつに、「転職潜在層」にアプローチできるという特徴があります。転職潜在層とは、今すぐ転職を考えているわけではないものの、良いオファーがあれば検討してもよいと感じている層のことです。

従来の求人広告や人材紹介サービスは、主に「転職顕在層」、つまり今すぐ仕事を探している人に向けたアプローチが中心でした。しかし、優秀な人材ほど現職で成果を出していることが多く、積極的に転職市場に出てこないケースも少なくありません。

ダイレクトリクルーティングでは、企業がこうした潜在層の人材に対して直接アプローチできるため、他社と競合する前のタイミングで関係を築くことができます。結果として、より早い段階で自社に関心を持ってもらい、採用につなげやすくなるのです。

このように、これまで接点を持ちにくかった層にアプローチできる点が、ダイレクトリクルーティングの強みであり、市場拡大の大きな理由のひとつといえます。

②売り手市場になっているから

ダイレクトリクルーティングの市場が拡大しているもう一つの理由は、売り手市場が続いていることにあります。少子高齢化によって若年層の労働人口が減少し、企業が求める人材の獲得がますます難しくなっているためです。

特に新卒や若手の即戦力人材、専門スキルを持つ中堅層などは、企業間での採用競争が激化しており、応募を待っているだけでは優秀な人材に出会えない状況が続いています。結果として、企業がより積極的に動かなければ人材確保が困難となり、ダイレクトリクルーティングの導入を進める企業が増えているのです。

売り手市場においては、求職者が企業を選ぶ立場にあるため、企業側からのアプローチが採用活動の成否を大きく左右します。待ちの姿勢ではなく、早期に候補者と接点を持ち、関係性を築いていくことが、採用成功のカギとなっています。

このような状況下で、ダイレクトリクルーティングは「自社が採りたい人材に、最初に声をかけられる」手段として有効性を発揮しています。

③採用にかかるコストを削減できるから

ダイレクトリクルーティングの導入が進んでいる背景には、採用コストの削減が期待できるという点も挙げられます。求人広告の出稿費や人材紹介会社への成功報酬など、従来の採用手法には多くの費用がかかっていました。特に人材紹介の場合、年収の30〜35%程度が手数料として発生することもあり、企業にとっては大きな負担です。

一方、ダイレクトリクルーティングでは、企業自身がプラットフォームを通じて候補者を探し、直接アプローチするため、採用1人あたりにかかるコストを大幅に抑えることが可能になります。スカウト通数や契約形態にもよりますが、費用をコントロールしやすく、予算内での採用活動を行いやすいという点も企業側にとっては大きな魅力です。

また、コスト面だけでなく、時間的なロスも減らせるというメリットもあります。ミスマッチによる面接の無駄を減らし、的確にターゲット人材にアプローチできることで、効率よく選考を進めることができます。

このように、限られた採用予算の中で成果を最大化したい企業にとって、ダイレクトリクルーティングは非常に合理的な手法となっています。

ダイレクトリクルーティングの市場規模の今後を予測

ダイレクトリクルーティング市場は、今後も着実な成長が見込まれています。
株式会社矢野経済研究所の調査によれば、2023年度の市場規模は前年度比23.2%増の1,074億円に達し、2024年度には約19%増の1,275億円に達すると予測されています。

引用:矢野経済研究所【ダイレクトリクルーティングサービス市場に関する調査を実施(2024年)】

この成長の背景には、労働人口の減少や働き方の多様化が挙げられます。
特に、エンジニアやデータサイエンティストなどの専門職においては、企業が優秀な人材を確保するために、従来の求人広告や人材紹介に頼るだけでなく、直接アプローチするダイレクトリクルーティングの手法が求められています。

さらに、企業の採用活動における効率化やコスト削減のニーズも高まっており、ダイレクトリクルーティングはこれらの課題を解決するための方法として、多くの企業から関心を集めています。


今後も、技術革新や市場環境の変化に対応しながら、ダイレクトリクルーティング市場はさらなる拡大を遂げることが期待されます。

ダイレクトリクルーティングの課題と克服方法

ダイレクトリクルーティングは多くのメリットがある一方で、導入や運用の面でいくつかの課題も存在します。特に、採用手法として定着するためには、企業側の体制や運用ノウハウが重要なポイントになります。ここでは、よくある課題とその克服方法について解説します。

ノウハウの蓄積を行う必要がある

ダイレクトリクルーティングでは、企業が候補者に直接アプローチするため、従来の求人媒体や人材紹介とは異なる対応力が求められます。どのようなタイミングで、どのようなメッセージを送るのかといった戦略次第で、応募率や内定承諾率は大きく変わります。

しかし、こうした運用に関するノウハウが社内にない場合、思うような成果が出ないこともあります。そのため、スカウトメールの内容や送信のタイミング、ターゲットの絞り方など、少しずつ経験を積みながら社内に知見を蓄積していくことが大切です。

大量採用には向いていない

ダイレクトリクルーティングは、一人ひとりの候補者に合わせてアプローチを行うため、応募を募るスタイルに比べて時間と手間がかかります。特に、短期間で大量の人材を確保する必要がある場合には、運用が追いつかないこともあります。

そのため、数十人〜数百人単位の採用を見込む場合は、ナビ型媒体やイベントなど、他の手法と組み合わせて使うのが現実的です。逆に、特定のスキルを持つ人材をピンポイントで採用したい場面では、ダイレクトリクルーティングの効果がより発揮されます。

大幅に採用工数がかかる

候補者の検索、スカウトの作成・送信、返信対応、面談の調整など、ダイレクトリクルーティングでは一連の工程をすべて企業側で行う必要があります。そのため、リソースや体制が整っていない企業では、担当者の負担が大きくなる傾向があります。

この課題を解消するには、専用のツールを活用したり、外部のサポートを導入することが有効です。たとえば、スカウトメールの自動送信機能や、候補者管理の効率化機能が備わったサービスを利用することで、日々の運用負担を軽減できます。

新卒ダイレクトリクルーティングを選ぶ際の4つのポイント

新卒向けのダイレクトリクルーティングサービスは年々増えており、選択肢も多様化しています。そのため、どのサービスを選ぶかによって採用の成果に大きな差が出ることも少なくありません。ここでは、新卒ダイレクトリクルーティングを導入する際に確認しておきたい4つのポイントを紹介します。

①工数削減はできるか

新卒採用は、中途採用に比べて選考期間が長く、選考プロセスも複雑になりがちです。インターンの対応や説明会の開催、エントリー管理、面接調整など、担当者の業務は多岐にわたります。加えて、学生一人ひとりと丁寧に向き合う必要があるため、リソースが限られている企業にとっては大きな負担となります。

そのため、ダイレクトリクルーティングサービスを選ぶ際には、「どれだけ業務負担を軽減できるか」が重要な判断基準になります。たとえば、スカウトメールのテンプレート作成や一括送信、自動配信などができる機能があると、日々の運用を大幅に効率化できます。

また、候補者の管理や選考ステータスの可視化がしやすい管理画面であれば、複数の学生とやり取りをする中でも混乱を防ぐことができます。サービス提供会社によっては、運用担当者によるサポートが付くケースもあるため、運用体制が整っていない企業はその点も比較材料にすると良いでしょう。

②予算内の料金か

採用活動においてコストは避けて通れない問題です。どれだけ優れた機能を持つサービスであっても、費用が高すぎて継続的に利用できなければ意味がありません。特にダイレクトリクルーティングサービスは、スカウト送信数に応じた従量課金型、成功報酬型、定額制など料金体系が多岐にわたります。

サービスを選ぶ際には、まず自社の年間採用予算を明確にした上で、それに見合ったプランがあるかを確認することが大切です。初期費用の有無や、基本プランに含まれないオプション料金がどれくらいかかるかなど、目に見えにくいコストにも注意しましょう。

また、費用だけで判断せず、「その金額でどのくらいの成果が見込めるのか」という投資対効果の視点も持つことが大切です。安価でも成果が出なければ意味がなく、逆に少し高くても優秀な人材が採用できれば、結果として採用単価は下がる可能性もあります。

③自社が求める学生が登録されているか

サービスごとに登録している学生の傾向は大きく異なります。たとえば、あるサービスではスタートアップ志向の学生が多く、別のサービスでは難関大学の理系学生が中心というように、それぞれに特徴があります。

そのため、自社が求める人物像に近い学生がどれくらい登録されているかを事前に確認することは非常に重要です。サービスによっては、登録者の属性や志向性、人気のある業界などの情報を開示している場合もあります。可能であれば、事前にサンプルデータやデモ画面を見せてもらい、母集団のイメージを掴むことをおすすめします。

また、実際に利用している企業の導入事例や口コミも参考になります。同じ業界・規模の企業が成果を出しているサービスであれば、自社でも同様の結果が期待できる可能性が高まります。

④母集団の検索方法は自社が求める層に合っているか

スカウトの精度を高めるためには、候補者をどのように検索・抽出できるかも重要なポイントです。学部や学科、希望職種、資格、就活の進行度など、さまざまな条件で絞り込める機能が備わっていれば、理想に近い学生に効率よくアプローチすることができます。

たとえば、営業職に強い志向を持った学生にだけ絞ってスカウトを送りたい、関西圏に住んでいる文系の3年生にだけメッセージを届けたい、というようなニーズに対応できるかどうかは、スカウトの効果に直結します。

また、検索条件を保存できる機能や、過去にスカウトした学生の履歴管理ができるかどうかも、日常的な運用においては意外と重要です。採用の成功率を高めるためにも、検索機能や絞り込み条件の柔軟さはしっかりチェックしておきましょう。

【まとめ】AIスカウトならリクアップ

今回は、新卒ダイレクトリクルーティングの市場規模について詳しく解説しました。新卒市場でもスカウト型採用が広がりを見せており、中途採用のダイレクトリクルーティング市場と同様に、今後の拡大が期待されています。

市場が成長している背景には、採用効率やコスト削減のニーズ、売り手市場の継続、そして転職潜在層へのアプローチといった理由がありました。一方で、大量採用への不向きやノウハウ不足といった課題もあるため、サービス選定時には慎重な判断が求められます。

そのような中、限られた時間とリソースで成果を上げたい企業にとって心強いのが、AIスカウト機能を備えたリクアップです。


AIが自社に合った学生を自動で抽出し、効率的かつ精度の高いスカウト配信を可能にします。これまで人手で行っていた候補者選定の手間を大幅に削減しつつ、質の高い母集団形成を実現できるのが大きな魅力です。

新卒ダイレクトリクルーティングの導入を検討している方は、ぜひRecUpリクアップを活用し、自社に合った優秀な学生との出会いを実現してみてはいかがでしょうか。

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監修者プロフィール

株式会社Delight
株式会社Delight
株式会社Delightは、採用領域に特化したコンサルティング企業として、企業の「人材」課題を多角的にサポートしています。求人広告代理店として20種類以上の大手媒体を扱い、最適な提案を行うほか、自社で培った新卒・中途採用のノウハウを活かし、採用戦略立案から面接代行、内定後フォローまで一貫して支援。また、AIによるスカウト自動化サービス「RecUp」を展開し、採用活動の効率化と成功を後押しします。採用の課題に悩む企業に、実践的かつ柔軟なソリューションを提供しています。

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