この記事を読むと理解できること
- 内定辞退の原因 が分かる
- 内定辞退を防止できた5つの成功事例 が分かる
- 【共通】内定辞退を防止するための対策 が分かる
- 【新卒】内定辞退を防止するための対策 が分かる
- 【中途】内定辞退を防止するための対策 が分かる
- 内定辞退防止に関するFAQ が分かる
せっかく内定を出したのに、後から辞退の連絡が届く、そんな経験を繰り返している採用担当者の方は、「何が原因なのか」「どうすれば防げるのか」と頭を抱えているのではないでしょうか。売り手市場が続く現在、内定辞退はあらゆる企業が直面する構造的な課題です。
本記事では辞退が起きるメカニズムを整理したうえで、実際に辞退率を下げることに成功した企業の具体的な事例を5つ紹介します。新卒・中途それぞれに有効な対策も網羅していますので、ぜひ自社の採用活動にお役立てください。
内定辞退の原因とは?

内定辞退を防ぐための施策を打つ前に、まず「なぜ候補者は内定後に気持ちが変わってしまうのか」という根本原因を理解しておくことが大切です。
以下では、辞退につながりやすい代表的な5つの原因を解説します。自社の採用活動に心当たりがないか、ぜひ一つひとつ確認してみてください。
給与や福利厚生などの希望条件を満たしていない
候補者が内定を受けた後も、他社との比較検討を続けているケースは珍しくありません。その比較において、条件面は非常に大きな判断軸の一つになります。求人票に記載されていなかった残業時間の実態や転勤の可能性が内定後に初めて判明し、「思っていた会社と違う」という印象を持たれてしまうケースが後を絶ちません。
マイナビの『2025年卒 学生就職モニター調査 3月の活動状況』2025年卒 学生就職モニター調査 3月の活動状況 | マイナビキャリアリサーチLab によると、企業を選ぶときに特に注目するポイントとして『福利厚生制度が充実している(39.3%)』が1位、『給与や賞与が高い(32.3%)』が3位に挙がっており、待遇面への関心の高さがうかがえます。
条件情報の開示タイミングと内容が辞退率に直接影響することを念頭に置き、説明会やカジュアル面談など選考の早い段階で働き方の実態を丁寧に伝えることが、後のミスマッチ防止につながります。
内定ブルーに陥る
内定を受けたにもかかわらず、気持ちが前向きになれない状態に陥る候補者は少なくありません。「本当にこの会社でよかったのだろうか」「他の会社の方が自分に合っているのではないか」という迷いは、企業の情報を十分に把握できていないときに特に強く現れます。
新卒採用では、内定から入社まで半年から1年近い期間が開くことが多く、この空白期間中に候補者の不安が高まりやすい傾向があります。特にオンライン選考の普及により、企業理解が浅いまま内定を受けるケースも増え、内定ブルーと呼ばれる心理的状態が生じやすくなっています。
企業側がこの心理を放置すると、候補者は不安を抱えたまま他の情報源に答えを求め、最終的に別の選択肢へと流れてしまいます。
企業のイメージやカルチャーが自身と合わない
条件面では問題がなくても、「この会社の雰囲気に自分は合うのだろうか」という漠然とした不安が辞退につながるケースがあります。特にオンライン選考が普及した近年では、候補者が社員の表情や職場の空気感を肌で感じる機会が減少しており、企業理解が表面的なまま選考が進むケースも珍しくありません。
近年の候補者は、働きやすさややりがいの判断材料として『企業のカルチャー』を非常に重視しています。面接時に価値観やキャリア目標のすり合わせが不十分だと、入社後のギャップを恐れて辞退に繋がるリスクが高まります。
採用プロセスの中で社員との対話機会を設けたり、社内の雰囲気をリアルに伝えるコンテンツを整備したりすることが、候補者の確信を深めることに直結します。
採用担当者の印象が悪い
候補者にとって、採用担当者は会社そのものの印象と深く結びついています。どれだけ魅力的な求人内容であっても、担当者の対応一つで企業への見方が大きく変わってしまうことがあります。
面接時の高圧的な態度や、連絡へのレスポンスの遅れは、「この会社は自分を大切にしてくれない」という判断につながりやすく、辞退理由の上位に挙げられることも少なくありません。
採用担当者は候補者にとって『会社の顔』であり、その一言一言が企業ブランドの評価に直結します。面接トレーニングの実施や、候補者への連絡タイミングの徹底管理など、採用担当者の質を組織的に高める取り組みが、辞退防止において意外に大きな効果を発揮します。
より志望度の高い企業から内定をもらった
複数の企業から内定を得た候補者が、最終的に別の会社を選んで辞退するケースは、売り手市場においてますます増加しています。内定を出した後に何もしないことが最大のリスクといえる状況です。
業界の一般的傾向として、学生の7 割前後が複数内定を保持しているとされています。この状況において、内定を出した後に何もフォローをしなければ、候補者の気持ちは自然と『より強く口説いてくれる会社』や『より自分を理解してくれている会社』へと傾いていきます。
候補者が「この会社を選んで本当によかった」と思えるような情報提供や関係構築を、内定通知後も継続して行うことが最終的な承諾につながる決め手になります。
内定辞退を防止できた5つの成功事例!
辞退防止の取り組みは、理論だけでなく他社の実践事例から学ぶことで、自社に合った施策のヒントを得ることができます。以下では、個別フォロー・研修型選考・カルチャーフィット採用・サプライズ施策・情報提供強化という、それぞれ異なるアプローチで辞退率の改善に成功した5社の事例を紹介します。
自社の課題と照らし合わせながら、取り入れられる要素を探してみてください。
①サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、「100人いれば100通りの働き方」という理念のもと、内定者一人ひとりの状況や不安の内容に応じた個別フォローを徹底している企業として知られています。
画一的なイベントや一斉配信に頼るのではなく、担当者が個別に対話する機会を繰り返し設けることで、候補者が抱える不安の種類や度合いを丁寧に把握し、それに合った情報や選択肢を提示するアプローチを実践しています。
たとえば「転勤が不安」という候補者には在宅勤務や転勤なし勤務の選択肢を具体的に説明し、「仕事内容が合うか心配」という候補者には業務体験の機会を設けるなど、きわめて柔軟な対応が行われています。画一的なフォローに限界を感じている企業や、内定者の不安がバラバラで対応に困っている企業にとって、非常に参考になるモデルケースといえるでしょう。
②株式会社ジェイック

株式会社ジェイックは、採用支援を専門とする企業でありながら、自社の採用においても独自の「研修型選考」という手法を取り入れています。
選考プロセスそのものを自己理解を深める場として設計することで、候補者が『自分がどんな仕事に向いているか』『どんな環境で力を発揮できるか』を選考を通じて明確にできる仕組みを構築しているのが特徴です。
この手法の最大の強みは、内定を出した時点で候補者が「自分はこの会社・この仕事に合っている」という確信を持った状態になっていることです。選考中に自己理解が深まるため内定ブルーが生じにくく、結果として辞退率の低下につながっています。
候補者との価値観のすり合わせに苦労している企業に特に向いているアプローチです。
③クックパッド株式会社

クックパッド株式会社は、「カルチャーフィット」を採用の中心軸に据えることで、内定辞退の根本原因の一つである「企業文化とのミスマッチ」を解消することに成功しています。
選考の初期段階から自社のミッションや価値観を徹底的に言語化して候補者に伝え、『この会社が好きかどうか』を候補者自身が判断できる情報量を提供することを大切にしています。
具体的には、採用担当者や現場社員が「うちの会社はこういう人が合う・合わない」を率直に伝える場を選考中に複数回設けており、候補者が自分の価値観と企業文化を照らし合わせながら意思決定できる環境を整備しています。
「社風に合う人材がなかなか定着しない」「入社後すぐに離職してしまう」という課題を抱える企業に、特に有効なアプローチです。
④Chatwork株式会社

Chatwork株式会社は、「サプライズボックス」と呼ばれるユニークな施策によって内定者の気持ちを惹きつけることに成功しています。
内定通知後に会社のグッズや社員からのメッセージカード、職場の雰囲気を伝えるコンテンツを詰め合わせたボックスを送付することで、内定者に『自分はこの会社に歓迎されている』という実感を持たせることを狙いとしています。
この施策の優れた点は、単なるノベルティ配布ではなく、内定者が『入社後のリアルな自分』を具体的にイメージできるよう設計されている点です。社員の顔が見えるメッセージや、実際の職場の雰囲気を伝える小冊子などが含まれており、内定ブルーを解消する情報を『体験として届ける』ことができます。
デジタルコミュニケーションが中心の現代において、物理的なものが届く体験は候補者の記憶に強く残り、「自分を大切にしてくれる会社だ」という印象を形成します。内定後の接触施策に行き詰まりを感じている企業に特におすすめです。
⑤マルホ株式会社

マルホ株式会社は、医療・製薬業界という専門性の高いフィールドで採用活動を行う企業として、候補者への丁寧かつ豊富な情報提供を辞退防止の中心戦略に据えています。
医療業界特有の専門的な職種内容や、社会的使命の大きさを候補者が深く理解できるよう、選考を通じて複数回の情報提供の場を設けています。候補者が『この会社でなければならない理由』を自ら言語化できるよう支援することで、内定後に他社と単純比較されにくい状態を作り出しているのがこの施策の核心です。
また、医療業界への就職を考える学生や転職希望者は、『患者さんの役に立てるか』『自分の仕事に社会的な意義があるか』を強く意識している傾向があり、その価値観に寄り添った情報提供が候補者の共感と信頼を生み出しています。
業界専門性が高く、一般的な知名度で大手に劣る企業ほど、「選ぶ理由を育てる」このアプローチが辞退防止に強く機能するでしょう。
【共通】内定辞退を防止するための対策!

新卒・中途を問わず、辞退防止の取り組みには共通して押さえておくべき基本的な考え方と施策があります。以下では、業種や規模を問わずすぐに実践できる5つの対策を紹介します。
選考の初期段階から内定後まで一貫した「惹きつけ」を継続する意識を組織全体で持つことが、辞退率の根本的な改善につながります。
採用理由のフィードバックをする
内定通知は、採用担当者にとって「選考の終わり」に感じられるかもしれませんが、候補者にとっては「意思決定のはじまり」です。この重要な瞬間に何を伝えるかが、その後の候補者の気持ちを大きく左右します。
「なぜあなたを採用したのか」を具体的にフィードバックすることは、候補者の自己肯定感を高め、この会社への志望度を強化するうえで非常に効果的な手段です。
面接中の具体的な発言や行動を引用しながらフィードバックを行うことで、「自分のことをしっかり見てくれていた」という信頼感を与えることができます。
選考過程から社員との交流の場を設ける
採用担当者との対話だけでは、候補者が「実際の職場」を感じ取ることには限界があります。現場の社員と直接話す機会があるかどうかが、候補者の入社イメージの解像度を大きく変えます。
座談会やOB・OG訪問の場を用意するだけでなく、カジュアルな食事会やオンライン懇親会など、候補者が気軽に参加できる形式を取り入れることで、接触機会を継続的に増やすことができます。
社員との接触が増えるほど候補者は会社に親しみを持つようになり、内定後に他社と比較した際にも「あの社員と一緒に働きたい」という気持ちが辞退を踏みとどまらせる動機として機能します。
社内報で内定者に会社を知ってもらう
内定後の長い待機期間は、候補者の不安が膨らみやすい時間でもあります。その間に会社からの情報が途絶えてしまうと、候補者は自分で情報を探し始め、思わぬ方向へ気持ちが動いてしまうことがあります。
月に一度でも「会社の最新ニュース」「社員インタビュー」「職場の日常」などを届けることで、内定者は会社との心理的なつながりを保ち続けることができます。
特に、新入社員の入社後インタビューや先輩社員のリアルなエピソードなど、自分が入社した後の姿をイメージしやすいコンテンツを盛り込むことで、「早く働きたい」という前向きな気持ちを育てることができます。
クチコミサイトをチェックしておく
候補者は採用担当者と話す一方で、インターネット上の口コミ情報も積極的に集めています。企業側が把握していない情報が、候補者の意思決定に影響を与えているケースは珍しくありません。
採用担当者は自社のクチコミを定期的にモニタリングし、ネガティブな評価が書かれている場合には、そのまま放置するのではなく、改善の取り組みを誠実に説明できる準備をしておくことが重要です。
内定者から『こんな口コミを見たのですが』と質問された際に、事実関係を正直に説明しつつ『現在はこのように改善しています』と前向きな情報を伝えることで、不安を解消しながら信頼感を高めることができます。
内定者フォローツールを導入する
採用活動の規模が大きくなるほど、担当者が一人ひとりに手厚い対応を続けることは現実的に難しくなります。そうした状況でも候補者との関係を途切れさせないための手段として、専用ツールの活用が有効な選択肢になります。
内定者フォローツールには、内定者の状況や不安をアンケートで把握できる機能や、内定者同士がつながれるコミュニティ機能、入社準備の進捗を管理する機能など、辞退防止に直結するさまざまな機能が備わっています。
ツールを活用して接触頻度を保ちながら、担当者のリソースを重要な対話に集中させることで、採用活動の質を組織的に底上げできます。
【新卒】内定辞退を防止するための対策!

新卒採用では、内定から入社まで数か月から1年近い期間が生じることもあり、その間の関わり方が入社率を大きく左右します。
以下では、内定者研修・双方向コミュニケーション・定期イベント・長期インターンという、新卒候補者の心理特性に合わせた4つの対策を紹介します。長い待機期間をどう活用するかという視点で、自社に取り入れられる施策を検討してみてください。
内定者研修を行う
内定期間は、学生にとって「入社前の空白」ではなく「社会人としての準備期間」として意味を持たせることができます。その期間をどう活用するかは、企業側の設計次第で大きく変わってきます。
ビジネスマナーやスキルアップ研修を通じて「この会社に入ることで自分が成長できる」という期待感を持てるようになると、他社への乗り換えを踏みとどまらせる強い動機になります。研修は必ずしも大規模なものである必要はなく、社員によるオンライン勉強会や読書会といった軽量な形式でも十分な効果を発揮します。
研修を通じて同期となる内定者と交流できる機会が生まれることも、帰属意識を高めるうえで大きなプラスになります。
定期的に双方向のコミュニケーションを取る
内定者への情報発信は多くの企業が行っていますが、「内定者が発信できる場」を設けている企業はまだ少数です。
一方通行のコミュニケーションでは、候補者が抱える疑問や不安が表面化しないまま辞退という結論に至ってしまうことがあります。LINEやSlackを活用した気軽なグループチャット、定期的なアンケートや個別面談など、学生が話しやすい場を積極的に用意することが重要です。
内定者が「いつでも相談できる場がある」という安心感を持てることが、辞退を踏みとどまらせる重要な心理的拠り所となり、採用担当者は内定者の状態をいち早くキャッチして適切なフォローを打つことができます。
内定者イベントを定期的に実施する
内定者が「自分はひとりではない」と感じられる環境を作ることは、入社への不安を軽減するうえで大きな力を持ちます。同期となる仲間の存在は、条件面での比較とは異なる次元で「この会社を選ぶ理由」になることがあります。
業界の一般的な傾向として、内定者イベントへの参加によって入社意欲が向上したと答える学生は 7割前後とされており、その効果の高さが知られています。
社員との懇親会や職場見学ツアーなど充実したコンテンツを任意参加で設計し、参加した内定者が「参加してよかった」と感じられる体験を積み重ねることが大切です。
入社前提の長期インターン採用を行う
「実際に働いてみて初めてわかること」は、どれだけ丁寧な説明会や面談を重ねても、情報として伝えるには限界があります。就業体験そのものを提供することで、候補者の入社イメージを言葉以上に具体化することが可能になります。
業務を体験することで「思っていた仕事と違った」という入社後ギャップが大幅に解消され、入社への確信を持って入社日を迎えることができます。また企業側にとっても、内定者の能力や特性をより深く把握できるため、配属先の検討に役立てるという副次的な効果があります。
週に数日の参加から始められる柔軟な設計にすることで、学業との両立もしやすくなります。
【中途】内定辞退を防止するための対策!

中途採用では、候補者が現職を持ちながら転職活動を並行して進めているケースがほとんどです。新卒とは異なる意思決定の構造を持つ中途候補者に対しては、専用の視点と手順で辞退防止に取り組む必要があります。
以下では、希望条件の把握・リファラル採用・オファー面談・退職交渉サポートという、中途採用特有の4つの対策を紹介します。ぜひ自社の対策を見直すきっかけにしてください。
希望条件・待遇を把握しておく
中途候補者は転職によって「何かを改善したい」という明確な動機を持っているケースが多く、条件面への関心は新卒以上に高い傾向があります。その期待値を選考の早い段階で把握しておくことが、内定後のミスマッチを防ぐ第一歩です。
現職の年収や役職、転職理由の背景にある「何を改善したいのか」を深く理解したうえで内定条件を設計することが重要です。
候補者が内定通知後に「期待していた条件と違う」と感じることが最も辞退に直結しやすいため、事前ヒアリングと条件の透明な開示を徹底することで、この種の辞退を大幅に減らすことができます。
リファラル採用を行う
採用手法の選択そのものが、内定辞退のリスクに影響することがあります。どのような経路で候補者が入社を検討し始めたかによって、企業への理解度や志望の深さは大きく異なります。
リファラル採用による候補者は、承諾率・定着率ともに他の採用手法と比較して高い傾向にあることは、採用業界で広く認知されている事実です。
紹介者である社員が候補者に対して社内の実態を正直に伝えているため、候補者は入社前から会社の文化や働き方について深い理解を持っており、この「情報の非対称性の解消」が辞退率の低下に寄与します。
オファー面談を個別に実施する
内定通知を送付した後、そのまま承諾の返答を待つだけでは、候補者の迷いや不安を解消する機会を逃してしまいます。内定後に設ける対話の場をどう設計するかが、承諾率を左右する重要な局面です。
具体的な業務内容の確認だけでなく、候補者が目指すキャリアビジョンと自社でのキャリアパスをすり合わせる機会として活用することが重要です。
面談は採用担当者だけでなく、配属予定の上司や同部署の社員が参加することで、よりリアルな職場イメージを伝えられるため、「この会社に入ることで自分はどこに向かえるのか」という問いへの納得感が高まります。
現職の退職交渉をサポートする
内定を承諾した後も、現職との交渉過程で気持ちが揺らぎ、最終的に辞退に至るケースがあります。転職活動中には想定していなかった現職からの「カウンターオファー」が発生することもあり、この局面をどう乗り越えるかが中途採用における辞退防止の最後の関門です。
「退職の切り出し方」「カウンターオファーへの対処法」「引き継ぎのスケジュール感」といった実務的な情報提供を採用担当者が積極的に行うことで、候補者は安心して退職交渉を進めることができます。
迷いを感じた際に相談できる窓口を設けておくことが、最後の局面での離脱防止に直結します。
内定辞退防止に関するFAQ
- Q:内定者フォローツールを導入する際の適切なタイミングはいつですか?
- Q:クチコミサイトにネガティブな情報を見つけた場合はどう対応すべきですか?
- Q:内定理由のフィードバックはどの程度具体的に伝えるべきですか?
- Q:内定者イベントへの参加を強制すると逆効果になりますか?
- Q:希望条件の調整が難しい中途採用者への有効なアプローチはありますか?
辞退防止に取り組む中で、「この場合はどう対応すればよいのか」と判断に迷う場面は必ず生じます。
以下では、ツールの導入タイミング・クチコミへの対処・フィードバックの粒度・イベントの強制参加・条件調整が難しいケースへの対応という、採用現場でよく挙がる5つの疑問に対して実践的な視点からお答えします。現場での即断力を高めるヒントとして、ぜひご活用ください。
Q:内定者フォローツールを導入する際の適切なタイミングはいつですか?
内定者フォローツールは、選考プロセスの設計段階から導入しておくことが理想的です。内定者が発生した後に慌てて導入すると、ツールの設定や運用体制の整備が間に合わず、最も大切な内定通知直後の初期フォローが疎かになってしまうリスクがあります。
採用活動の本格化前に選定・導入を完了させ、内定者が出た瞬間からスムーズにフォローを開始できる体制を整えておくことが、辞退防止への即効性につながります。試験的な導入であれば、内定者数が少ない時期に運用の練習を積んでおくことも有効な方法です。
Q:クチコミサイトにネガティブな情報を見つけた場合はどう対応すべきですか?
クチコミサイトのネガティブな情報を発見した場合、最もやってはいけないのは「無視する」か「否定する」かのどちらかです。
内定者から質問された際には、事実関係を正直に認めたうえで、「現在はこのような改善策に取り組んでいます」という形で具体的な改善内容を誠実に伝えることが信頼関係の構築につながります。ネガティブな口コミへの誠実な対応は、「この会社は問題から逃げない会社だ」という印象を候補者に与え、むしろ信頼感を高める機会になることもあります。
過去の課題を認めつつ現在の変化を丁寧に説明できる準備を日頃から整えておくことが重要です。
Q:内定理由のフィードバックはどの程度具体的に伝えるべきですか?
内定理由のフィードバックは、「あなたのポテンシャルを高く評価しました」といった抽象的な表現ではなく、面接中の具体的な発言や行動を引用する形で伝えることが理想です。
たとえば「〇次面接で△△という課題に対して□□という提案をされた点が、自社が求める課題解決力と合致していると判断しました」というレベルの具体性が、候補者に強い納得感と自己肯定感を与えます。
抽象的なフィードバックは「型どおりの言葉」として受け取られてしまい、志望度の向上につながりにくい傾向があります。選考記録をもとに面接官と採用担当者がフィードバック内容を事前に整理しておくことで、質の高い個別対応が可能になります。
Q:内定者イベントへの参加を強制すると逆効果になりますか?
基本的には任意参加を原則とすることが推奨されます。
参加を強制することで、表面上の参加率は高まっても、内定者の内面的な帰属意識は高まらないという逆効果が生じることがあります。
大切なのは「参加したい」と思わせるコンテンツの質を高めることであり、参加した内定者が「参加してよかった」と感じられるような充実した体験を設計し、その口コミが他の内定者に自然と伝わる好循環を生み出すことが参加率向上への確実なアプローチです。
Q:希望条件の調整が難しい中途採用者への有効なアプローチはありますか?
給与や役職などの条件面での調整が難しい場合でも、「柔軟な働き方」の提案によって候補者の意思決定にプラスに働くことがあります。リモートワークの頻度、フレックスタイム制度の活用、副業の可否、育児・介護との両立支援など、金銭以外の条件での付加価値を丁寧に提示することが有効です。
現職では実現できなかった働き方の改善を転職動機に持つ候補者に対しては、社員の具体的な事例とともに「生活の質」や「キャリアの質」という軸で魅力を伝えることが、競合他社との差別化につながります。
条件の「金額」だけで比較させない工夫が、承諾率を左右する重要な要素になります。
事例を学び、双方向の対話で内定辞退を防ごう!
内定辞退が起きる根本には、必ず「不安」と「不信感」があります。候補者は不安を感じると情報を求め、その不安が解消されなかったとき、より多くの情報を持つ別の選択肢へと流れていきます。
本記事で紹介した成功事例と対策に共通していたのは、企業が一方的に情報を発信するのではなく、候補者の声に耳を傾け、個別の状況に応じた情報を届け続けるという姿勢でした。
辞退率を下げるためには、単発の施策を実施するだけでなく、「なぜ辞退が起きたのか」を振り返り、選考プロセスや内定後フォローの設計を継続的に改善するPDCAの視点を持つことが欠かせません。
候補者との双方向の対話を採用活動の中心に据え、「この会社を選んでよかった」と思ってもらえる体験を積み重ねることが、辞退率の根本的な改善につながっていきます。
参考出典
マイナビキャリアリサーチLab 「2025年卒 学生就職モニター調査 3月の活動状況 」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240424_75008/
ourly Mag「内定辞退を防ぐ対策11選と事例3選|内定者を不安にさせない施策とは? 」
https://ourly.jp/learning/naiteijitai-boushi/
HR NOTE「内定辞退を防止する企業の取り組み事例まとめ 」
https://hrnote.jp/contents/contents-1176/^


