
採用活動では、限られた人員や時間の中で効率よく人材を確保することが求められます。そんな中で近年注目されているのが「採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)」です。特に最近では、法人の代行会社だけでなく、フリーランスの採用代行者に依頼するケースが増えています。
中小企業やスタートアップのように、採用専任の担当者が少ない企業にとって、フリーランスの採用代行はコストを抑えつつ、柔軟にリソースを補える手段として非常に魅力的です。
この記事では、フリーランスに採用代行を依頼するメリット・デメリット、費用の目安、法人代行との違い、そして失敗しない選び方のポイントを分かりやすく解説します。自社の採用体制や課題に合わせて、どの形態が最適かを判断できるよう、実践的な情報をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
採用代行とは?

採用代行とは、企業が自社で行っている採用業務の一部またはすべてを外部の専門パートナーに委託するサービスのことを指します。採用活動は求人媒体の選定や応募者対応、面接調整、内定者フォローなど、多岐にわたり多くの工数がかかります。こうした業務を専門家に任せることで、企業は自社で注力すべきコア業務に集中しつつ、効率よく採用活動を進めることが可能です。
採用代行には大きく分けて「採用プロセス代行型」と「リクルーター派遣型」の2つの形態があります。前者は採用に関する事務的な業務を一括して外部が代行し、多くの応募者対応や面接日程調整などの負担軽減に役立ちます。一方、リクルーター派遣型は専門スタッフが企業に常駐し、より密接な連携を取りながら採用支援を行う形式です。
採用代行を活用すれば、採用のプロのノウハウを活用することができ、人手不足で採用活動に割けないといった場合でも、スムーズかつ質の高い採用活動を行うことが可能です。近年は採用手法の多様化と専門性の高さが求められることから、採用代行の需要が高まっています。
フリーランスに採用代行の3つのメリットを解説!

フリーランスに採用代行を依頼することには、大きく分けて3つのメリットがあります。企業ごとのニーズに合わせて柔軟に活用できる点や、コスト面での優位性、そして専門性の高い人材が選べる点が特徴です。ここではそれぞれのメリットを具体的に解説します。
①コストを抑えられる
フリーランスの採用代行を活用する最大のメリットは、コスト削減にあります。法人の採用代行会社のように固定費や月額契約が発生せず、必要な業務だけをスポットで依頼できるため、効率的に予算を管理できます。
また、多くのフリーランスは時間単位・案件単位での契約が可能なため、採用活動の規模や時期に合わせて柔軟にリソースを調整できるのも魅力です。人事担当者を新たに雇用する場合に必要な教育コストや人件費と比べても、フリーランスなら「必要なときに必要な分だけ」依頼できるため、企業の負担は大きく軽減されます。
特に、採用専任の人材を抱える余裕がない中小企業やスタートアップ企業にとっては、コストを抑えながらも質の高い採用活動を実現できる手段として非常に有効です。
②専門性の高い優秀な人材を選択できる
専門性の高い人材を自ら選べるのも、フリーランスの採用代行を活用する大きなメリットです。
法人の採用代行サービスでは、基本的に担当者が自動的に割り当てられるケースが多く、特定のスキルや業界経験をもつ担当者を指定するのは難しいのが現状です。一方でフリーランスの場合、事前に実績・得意分野・過去の支援企業などを確認したうえで依頼することができます。
たとえば、ITエンジニア採用に特化した人材や、スタートアップ向け採用を得意とする専門家など、分野に特化したプロフェッショナルが存在します。こういった自社の業界や分野に強いフリーランスに採用代行をお願いすれば、自社の採用ニーズに最も合う人材を効率的に選ぶことができるでしょう。
③自社の要望に柔軟に対応してもらえる
フリーランスの採用代行は、業務範囲や契約条件を柔軟に調整できる点も大きな魅力です。法人代行サービスのように固定のプランが決まっているわけではなく、業務内容・期間・報酬などを個別に相談できるため、自社の状況に最適化された支援を受けやすくなります。
たとえば、「採用シーズン中だけ稼働してほしい」「週数日だけ常駐してもらいたい」「リモートで候補者対応をお願いしたい」といった要望にも対応してもらえるケースが多く見られます。
さらに、フリーランスの中には人事全般の経験をもつ人材も多く、採用業務に加えて入社後のフォロー体制づくりや面接官トレーニングなどを依頼できる場合もあります。こうした柔軟な対応により、自社の採用課題にフィットしたオーダーメイドのサポートが可能です。結果として、採用効率の向上やミスマッチの防止につながります。
フリーランスの採用代行のデメリットを解説!

フリーランスの採用代行には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。特にフォロー体制や担当者の安定性に関する課題が多く、事前に理解しておくことが重要です。ここでは主要なデメリットを詳しく解説します。
何かしらの問題やトラブルの際のフォロー体制が整っていない
フリーランスは基本的に個人で業務を行うため、トラブルや予期せぬ問題が発生した際のサポート体制が弱いという点には注意が必要です。法人の採用代行会社であれば、複数の担当者や責任者がチームで対応し、迅速にフォローできる仕組みが整っています。
また、フリーランスの場合、業務を一人で担っているケースがほとんどのため、急なスケジュール変更などに対応しづらいこともあります。その結果、問題解決までに時間がかかってしまう可能性もゼロではありません。
こうしたリスクを避けるためには、契約前に業務範囲や対応ルールを明確にすり合わせておくことが大切です。トラブル発生時の連絡手段や代替対応の方法を取り決めておくことで、安心して業務を進められるでしょう。
担当者の交代や体制強化が難しい
フリーランスは基本的に一人で業務を担当するケースが多いため、途中で担当者を交代したり増員することが難しい点にも注意が必要です。
法人の採用代行サービスであれば、案件の状況に応じてスタッフの増員や担当者の交代が比較的容易に行えます。しかし、フリーランスではその柔軟性が制限されるため、採用活動の途中で担当者との相性が合わない場合や、急な業務負荷の増加があった場合にも対応が難しくなる可能性があります。
このリスクを避けるためには、事前に自社の業務量やリソースを確認し、依頼範囲や進行スケジュールを明確に取り決めておくことが重要です。これにより、予期せぬトラブルや業務停滞のリスクを減らすことができます。
フリーランス側から契約を解除されるケースがある
フリーランスは個人事業主として自由に活動しているため、体調不良や他の業務優先などの理由で、突然契約を解除される可能性もゼロではありません。法人の採用代行サービスのように、長期的に安定して同じスタッフが対応する保証は少ない点に注意が必要です。
さらに、多くのフリーランスは複数のクライアントを同時に担当している場合があり、自社への専念度が下がるリスクもあります。
こうした事態に備えるためには、契約前に業務量やスケジュールを十分に確認することが重要です。また、リスク分散の観点から複数のフリーランスと契約するなどの対策を検討すると、採用活動を安定して進めやすくなります。
フリーランスの採用代行の費用相場はいくら?

採用代行を利用する場合、料金体系には大きく「月額固定型」「従量課金型」「成果報酬型」の3種類があり、以下のような特徴と相場感があります。
料金体系 | 特徴 | 費用相場の目安 | 向いている企業・利用ケース |
月額固定型 | 定められた業務範囲を月ごとに定額で依頼。業務量の増減にかかわらず費用が一定。継続的な利用に向く。 | 10万円〜80万円/月 | 採用業務全般または一定範囲を安定して委託したい企業に最適 |
従量課金型 | 実施した業務の件数や量に応じて料金が変動。スカウト送信や面接実施ごとに料金設定されるケースが多い。 | スカウトメール1通あたり1,000〜3,000円面接1回あたり5,000円〜 | スポット的に利用したい、必要な作業だけ依頼したい企業に適している |
成果報酬型 | 採用が決まった人数に対して報酬を支払う。初期費用や月額固定費用が不要な場合が多い。 | 60万円〜120万円/1人 | 採用成果に応じて費用を支払いたい場合、成果保証型を希望する企業に向く |
上記は企業の採用代行の場合なので、フリーランスの採用代行を利用する場合はもう少しリーズナブルに設定されていることが多いです。
また、フリーランスの採用代行の場合、採用ターゲットによって難易度が変わります。そのため、難易度によって費用設定も違います。
例えば、即戦力となる中途採用の方は、より高度な訴求力や戦略的な採用活動が求められるため、その分、採用コストも新卒採用より高く設定される傾向があります。また、採用形態によっても費用に差が生じます。正規雇用の場合は、アルバイトやパートタイムと比較して相場が高くなるケースが一般的です。ただし、専門性の高い職種、例えばエンジニアや資格が必要な職業の場合は、アルバイトでも費用が跳ね上がることがあります。
これは、こうした職種が非常に需要が高く、有効求人倍率も高いためです。エンジニアや資格職は、今なお多くの企業が人材を争奪している状況にあり、そのため必要となる採用コストも自然と高くなるのです。こうした専門性の高い人材を確保するには、多くの費用を投じる必要があることを理解しておかなければなりません。
フリーランス採用代行を選ぶ際の3つのポイントとは?

フリーランスの採用代行を選ぶ際には、単に料金の安さだけで決めるのではなく、実績や専門性、対応力など複数の視点から慎重に判断することが重要です。
ここでは、フリーランスの採用代行を選ぶときに特に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
①実績と得意領域を確認する
フリーランスの採用代行者を選ぶ際に、まず確認したいのはこれまでの実績と得意分野です。採用活動では業界や職種ごとに求められるスキルや知識が異なるため、自社のニーズに合った経験豊富な担当者を選ぶことが成功の鍵となります。
例えば、ITエンジニア採用に強いフリーランスや新卒採用に精通している人材など、自社の採用目的に沿った専門性を持つかをしっかり確認しましょう。過去の成功事例やクライアントの評価・口コミを参考にすることで、担当者の能力や対応力をより正確に判断できます。
また、フリーランスは個人で業務を行うため、担当者の変更が基本的になく、一貫した対応が期待できます。そのため、実際に業務を担当する人の職歴や過去の採用プロジェクトでの成果をしっかり把握しておくことが重要です。
②対応スピードは早いか確認する
採用活動ではスピード感が非常に重要なため、フリーランスの対応スピードは重要な評価ポイントです。連絡や応募者対応が遅れると、採用プロセス全体に遅延が生じ、優秀な人材の獲得チャンスを逃すリスクがあります。
フリーランスは多くの場合1人で業務を行うため、企業よりも柔軟かつスピーディーな対応が可能で、導入から開始までの期間も短い傾向にあります。そのため、急ぎで採用活動を開始したい企業にとっては適した選択肢となることが多いです。ただし、このスピードに関しては人によって異なるので、契約前に見極めることが大事です。
それには、契約前のやり取りや見積もり段階で、レスポンスの速さ、連絡の取りやすさ、コミュニケーションの円滑さをしっかり確認するようにしましょう。疑問点への回答や業務調整のスムーズさを見極めることで、安心して任せられる人材かどうか判断できます。また、採用代行全体の進捗共有や報告の頻度・方法についても事前にすり合わせ、双方が納得できる連絡体系を決めておくことが、採用業務のスムーズな進行につながります。
③認識合わせを怠らないようにする
採用代行をフリーランスに依頼する際には、企業側とフリーランスの間で期待する内容や採用基準についてしっかり認識を合わせることが非常に重要です。採用基準や求める人材像、評価ポイントが曖昧だと、担当者間のミスマッチやトラブルの原因になりやすいからです。
フリーランスは企業の内部スタッフではないため、企業文化や採用方針の理解が浅い場合があります。また、求職者から見るとフリーランスの採用担当者も企業の代表として認識されるため、言動にズレがあると企業イメージの低下や信頼損失につながるリスクがあります。
そのため、契約前には業務範囲、報告方法、コミュニケーションの頻度を含めて十分にすり合わせ、お互いの認識を一致させることが重要です。具体的には、採用基準や選考プロセスの詳細、求職者対応方針、進捗共有のタイミングなどを明確にしておくと良いでしょう。
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この記事では、フリーランスの採用代行について、メリット・デメリットや費用などの特徴をご紹介し、選び方のポイントをご紹介しました。
採用業務をすべて、または一部を依頼できる採用代行には、サービス会社のほかフリーランスもあります。フリーランスの採用代行は、柔軟かつコストを抑えながら専門的なスキルやノウハウを活用できる一方で、フォロー体制の不十分さや担当者の安定性に不安があることもあります。フリーランスを利用する際は、これらの特徴をよく理解し、十分に対策を練っておくことが重要です。
しかし、採用代行を求職者探しやスカウトメールの作成をするために使いたいという方は、さらに費用や打合せの時間などを削減できる可能性があります。それが、AIスカウトサービス「RecUp(リクアップ)」を活用することです。
RecUpを活用すれば、AIを活用して会社にピッタリの人材を探しだし、求職者一人ひとりに最適化されたパーソナライズメールを安定して自動生成することができます。これにより、効率的かつ効果的にアプローチすることができます。また、担当者による豊富な採用ノウハウのサポートも提供しているため、効率的かつ低コストで採用活動を行うことができます。