第二新卒のポテンシャル採用とは?評価される人の特徴と転職のコツ

社会人経験が浅く実績に自信がないものの、新しいキャリアへ挑戦したい第二新卒の方や、若手人材の採用に課題を抱える企業担当者にとって、「ポテンシャル採用」は有効な選択肢です。

この記事では、ポテンシャル採用とは何か、その定義から評価基準、転職や採用活動を成功させるコツまでを網羅的に解説します。この記事を読めば、ポテンシャル採用が最適な選択肢であるかを判断し、選考において具体的に何を準備・評価すべきかが明確になります。

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株式会社Delight
RecUp事業部 カスタマーサクセス部門責任者

新卒から求人広告事業に従事し、企業の採用課題に向き合う中で、実践的な支援スキルを培う。その後、自社開発のAIを活用した採用支援ツール「RecUp」の営業責任者として、プロダクトを活用した採用戦略の設計・実行支援に従事。並行して自社の採用活動にも深く関与し、事業成長フェーズにおける人材要件定義、母集団形成、採用面接など、実務から戦略まで幅広い領域を担当。現在はカスタマーサクセス部門の責任者として、100社以上の採用支援実績をもとに、採用活動の最適化を支援している。実務と戦略の両視点を持つ実践型の採用コンサルタントとして、現場に寄り添いながらも成果に直結する支援に定評がある。

目次

まずは基本から|第二新卒におけるポテンシャル採用の定義

ポテンシャル採用について理解を深めるため、まずはその定義や対象年齢、企業が注目する背景について解説します。
第二新卒が転職活動を進めるうえで、基本的な知識を正しく押さえておくことが重要です。

ポテンシャル採用の対象は何歳まで?第二新卒の一般的な年齢層

ポテンシャル採用に厳密な年齢制限はありませんが、一般的には20代から30歳前後までを対象とする企業が多い傾向にあります。特に中心となるのが「第二新卒」と呼ばれる層で、これは学校を卒業後、一度就職したものの1〜3年以内に離職した25歳前後の若手人材を指します。

なお、就業経験のない「既卒」とは区別されますが、企業によっては既卒者もポテンシャル採用の対象に含める場合があります。

経験やスキルよりも「将来性」を重視する採用方法

ポテンシャル採用とは、応募者の現時点での実務経験や専門スキルよりも、入社後の成長可能性、つまり「将来性」や「伸びしろ」を重視して採用する手法です。

そのため、未経験の職種や業界であっても、候補者の学習意欲や人柄、論理的思考力などが企業の求める基準に達していれば採用される可能性があります。経験者であっても、過去の実績そのものより、そこから得た学びや再現性を評価されるのが特徴です。

なぜ今、企業は第二新卒のポテンシャル採用に注目するのか

企業が第二新卒のポテンシャル採用に注目する背景には、少子化に伴う労働人口の減少と、それに伴う新卒採用の競争激化があります。若手人材の確保が年々難しくなる中、第二新卒は基礎的なビジネスマナーを身につけており、新卒採用に比べて教育コストを抑えられるという利点があります。

それでいて、キャリア採用の経験者よりも柔軟性が高く、新しい企業文化に馴染みやすいため、新卒採用と中途採用の利点を兼ね備えた存在として期待されています。

詳しくはベンチャー企業の採用が難しいと言われる理由とはで解説しています。

何が違う?キャリア採用・新卒採用との決定的な評価軸の違い

ポテンシャル採用は、即戦力を求めるキャリア採用や、社会人経験を問わない新卒採用とは評価の軸が異なります。ここでは、それぞれの採用方法との具体的な違いを解説し、ポテンシャル採用ならではの評価ポイントを明らかにします。

【キャリア採用との違い】即戦力としてのスキルより学習意欲が問われる

キャリア採用が、特定の業務をすぐに遂行できる「即戦力」としてのスキルや実績を求めるのに対し、ポテンシャル採用では、新しい知識や業務を吸収する「学習意欲」や「素直さ」が重視されます。

経験者であっても、これまでのやり方に固執せず、新しい環境に適応し、学び続けられる姿勢が評価されます。そのため、現時点でスキルが不足していても、成長意欲を具体的に示すことができれば採用の可能性は十分にあります。

【新卒採用との違い】基礎的なビジネスマナーと社会人経験が有利に働く

新卒採用は、応募者に社会人経験がないことを前提としているため、主に人柄や学業への取り組み、潜在能力が評価されます。一方、第二新卒を対象とするポテンシャル採用では、短い期間であっても社会人経験がある点が強みです。

電話応対やメール作成、報連相といった基礎的なビジネスマナーが身についていることが期待されており、企業側から見れば研修コストを削減できるというメリットにつながります。この社会人経験の有無が、新卒採用との大きな違いです

【採用担当向け】新卒採用については「新卒採用はいつまで実施すべき?」で詳しく紹介しています。

企業が面接で見ている「ポテンシャル」の正体|評価される5つの資質

企業が評価する「ポテンシャル」とは、具体的にどのような能力や資質を指すのでしょうか。ここでは、面接で特に見られる5つの要素を解説します。

これらのポイントを理解し、自身の経験と結びつけてアピールすることが重要です。

1. 素直さ・謙虚さ:フィードバックを受け入れ成長できるか

ポテンシャルを評価する上で、素直さや謙虚さは極めて重要な資質です。上司や先輩からのフィードバックを真摯に受け止め、自身の行動を改善しようとする姿勢は、成長の原動力となります。

面接では、過去の失敗談や困難を乗り越えた経験について質問されることがあります。その際、他責にせず、自身の課題として捉え、どのように改善努力をしたかを語ることで、素直な人柄をアピールできます。

2. 論理的思考力:物事を構造的に捉え分かりやすく説明できるか

論理的思考力は、未経験の業務にもキャッチアップし、成果を出すために不可欠な能力です。物事を体系的に理解し、課題の原因を特定し、解決策を筋道立てて考えられる力が求められます。

面接官の質問の意図を正確に汲み取り、結論から先に述べ、理由や具体例を添えて分かりやすく説明できるかどうかが評価のポイントです。自己PRや志望動機を話す際にも、一貫性のあるロジックで構成することが求められます。

3. 学習意欲:新しい知識やスキルを積極的に吸収する姿勢があるか

ポテンシャル採用は、入社後の成長を期待する採用方法であるため、自ら進んで新しい知識やスキルを学ぼうとする意欲が強く求められます。応募する業界や職種について事前に調べているか、資格取得やセミナー参加など、自己研鑽のために取り組んでいることがあるか、といった点が評価対象です。

逆質問の場で、入社後に身につけるべきスキルや知識について尋ねることも、高い学習意欲を示す有効な手段となります。

4. 主体性:指示待ちではなく自ら課題を見つけ行動できるか

主体性とは、受け身で指示を待つのではなく、自ら課題を発見し、解決に向けて行動を起こす力のことです。前職での経験を語る際には、単に与えられた業務内容を説明するだけでなく、「業務効率を上げるために〇〇を提案・実行した」のように、自分なりの工夫や改善行動を具体的に示すことが重要です。

これにより、当事者意識を持って仕事に取り組める人材であることをアピールできます。

5. ストレス耐性:困難な状況でも前向きに取り組めるか

新しい環境や未経験の業務には、困難やプレッシャーがつきものです。そうした状況でも、感情的にならずに冷静に対処し、粘り強く目標達成に向けて取り組めるストレス耐性も重要な評価ポイントです。

面接では、過去にプレッシャーを感じた経験や、それをどのように乗り越えたかについて質問されることがあります。課題から逃げずに前向きに取り組んだ経験を語ることで、入社後もタフに活躍できる人材だと評価されます。

第二新卒のポテンシャル採用を成功させる転職のコツ【応募者向け】

ポテンシャル採用は、ポイントを押さえれば第二新卒にとって大きなチャンスとなります。しかし、アピール方法を間違えると、自身の魅力を伝えきれずに終わってしまうことも少なくありません。

ここでは、選考を突破するための具体的なコツを紹介します。

職務経歴書では「実績」よりも「プロセス」と「再現性」を伝える

第二新卒の場合、華々しい実績がないのは当然です。そのため、職務経歴書では結果の大小にこだわる必要はありません。

重要なのは、どのような課題に対して、どう考え、どう行動したかという「プロセス」を具体的に記述することです。

そして、その経験から何を学び、その学びを今後どのように活かせるかという「再現性」を示すことで、入社後の活躍イメージを採用担当者に持たせることが、自身のキャリアをアピールする上で重要です。

面接の自己PRでは「伸びしろ」を具体的なエピソードで示す

面接で「頑張ります」「成長したいです」といった意欲だけを伝えても、評価にはつながりにくいでしょう。「伸びしろ」をアピールするためには、具体的なエピソードを伴わせることが不可欠です。

例えば、「前職で未経験の業務を任された際、書籍や先輩からのアドバイスを基に3ヶ月で独り立ちした」といった経験を語ることで、学習能力の高さや主体性を客観的に示すことができます。過去の行動事実を基に、自身のポテンシャルを証明しましょう。

前向きな退職理由を準備し、今後のキャリアプランと結びつける

短期離職に対する懸念を払拭するため、退職理由は慎重に準備する必要があります。「人間関係が悪かった」「残業が多かった」といったネガティブな理由は避け、「より専門性を高めたい」「顧客と直接関わる仕事がしたい」など、ポジティブな転職理由に変換することが重要です。

その上で、応募企業でなければ実現できないことと結びつけ、自身のキャリアプランを明確に語ることで、志望度の高さを伝えることができます。

将来有望な人材を見抜く採用のポイント【企業担当者向け】

ポテンシャル採用は、将来の企業成長を担う人材を確保する絶好の機会ですが、見極めが難しい採用手法でもあります。キャリア採用や中途採用と同じ基準で評価してしまうと、有望な若手を見逃すことになりかねません。

陥りがちな罠:目先のスキル不足だけで有望な候補者を見送っていないか?

ポテンシャル採用において最も陥りやすい失敗が、候補者の現時点でのスキル不足を理由に不採用としてしまうことです。例えば、「特定のツールが使えない」「業界知識が乏しい」といった点は、入社後の研修やOJTで十分にキャッチアップ可能です。

未経験であることが前提の採用であるため、表面的なスキルではなく、その根底にある学習意欲や論理的思考力といったポテンシャルを見極める視点が不可欠です。スキルだけで判断する採用は、大きな機会損失につながる可能性があります。

自社が求める「ポテンシャル」を定義し、評価基準を明確にする

「ポテンシャル」という言葉は抽象的であるため、まずは自社が求める人物像を具体的に定義することが重要です。例えば、新規事業を推進する部署であれば「主体性」や「チャレンジ精神」が、既存事業の安定運用を担う部署であれば「素直さ」や「協調性」が求められるかもしれません。

求めるポテンシャルを言語化し、具体的な評価項目を設計して面接官の間で共有することで、評価のブレを防ぎ、採用のミスマッチを減らすことができます。

候補者の本質を見抜くための構造化面接と効果的な質問例

候補者の本質的な資質を見抜くためには、「構造化面接」が有効です。これは、あらかじめ評価基準と質問項目を定め、全ての候補者に同じ質問をすることで、評価の客観性を担保する面接手法です。特に、過去の行動事実に基づいて未来の行動を予測する「行動面接(BEI)」の質問が効果的です。

例えば、「これまでの経験で、最も困難だった課題は何ですか?その際、どのように考え、行動しましたか?」といった質問を通じて、候補者の思考プロセスや行動特性を深掘りします。

AIスカウト活用で、手作業では見つけられない優秀層へアプローチする

自社の求めるポテンシャルを定義できても、該当する候補者を多数の登録者の中から見つけ出すのは多大な工数がかかります。

ここで有効なのがAIスカウトサービスの活用です。AIが自社の採用要件と候補者のプロフィールを解析し、マッチング度の高い人材を自動でリストアップします。

これにより、採用担当者が手作業で見落としていた潜在的な優秀層へ効率的にアプローチすることが可能になり、採用活動の質とスピードを両立させることができます。

ダイレクトリクルーティングについては「ダイレクトリクルーティングとは?」で詳しく紹介しています。

第二新卒がポテンシャル採用を目指すメリット

第二新卒にとって、ポテンシャル採用での転職には多くのメリットが存在します。これまでの経験に捉われず、新たなキャリアを築くための大きなチャンスとなり得ます。

未経験の業界や職種にチャレンジしやすい

ポテンシャル採用の最大のメリットは、実務経験が問われないため、未経験の業界や職種に転職しやすい点です。キャリア採用では応募資格すらないような求人でも、ポテンシャル採用であれば挑戦できる可能性があります。

キャリアチェンジを実現するための有効な手段となるため、「新卒で入社した会社が合わなかった」「学生時代に考えていたキャリアとは別の道に進みたい」と考える第二新卒にとって大きな選択肢です。

第二新卒向けのスカウト媒体については「第二新卒スカウト媒体おすすめ10選」で詳しく紹介しています。

充実した研修制度のもとで着実に成長できる可能性がある

企業側はポテンシャル採用で採用した人材を、長期的な視点で育成することを前提としています。そのため、新卒社員と同様の充実した研修制度や、OJT(On-the-Job Training)などの手厚い教育体制が用意されているケースが多くあります。

未経験の分野であっても、基礎から知識やスキルを体系的に学び、着実に成長していくことが可能です。これは、即戦力として現場に配属されることが多いキャリア採用とは異なる点です。

人柄や価値観が合えば大手企業にも転職できるチャンスがある

スキルや経験が重視されるキャリア採用では、大手企業への転職は狭き門となることが少なくありません。しかし、ポテンシャル採用では、候補者の人柄や価値観が企業のカルチャーとどれだけマッチしているかが重要な選考基準となります。

そのため、スキル面で多少見劣りしたとしても、企業理念への共感度や社風との相性が高ければ、大手企業や人気企業へ転職できる可能性も十分にあります。

知っておきたいポテンシャル採用のデメリットと注意点

ポテンシャル採用には多くのメリットがある一方、応募者・企業双方にとって注意すべき点も存在します。メリットとデメリットを正しく理解し、ミスマッチのない転職・採用活動を行うことが重要です。

【応募者側】即戦力採用に比べて給与水準が低い傾向にある

ポテンシャル採用は、入社後の育成期間が見込まれるため、即戦力を求めるキャリア採用に比べて入社時の給与水準が低めに設定される傾向があります。すぐに高い給与を求めるのではなく、まずはスキルや経験を積むための投資期間と捉える必要があります。

ただし、入社後の活躍次第で昇給や昇進が可能な企業も多いため、長期的なキャリアプランを見据えて判断することが大切です。

【企業側】採用後の教育コストと育成時間がかかる

企業にとってのデメリットは、採用した人材が一人前になるまでに時間とコストがかかる点です。即戦力ではないため、体系的な研修プログラムの設計や、OJTを担当する先輩社員の工数確保など、育成のための投資が不可欠です。

これらの教育コストをかけられない、あるいは短期的な欠員補充を急ぐ場合には、ポテンシャル採用は適していない可能性があります。

長期的な視点での人員計画が求められます。一人当たりにかかる採用コストについては「一人当たりにかかる採用コストはいくら?」で詳しく紹介しています。

早期離職のリスクを避けるための入社後フォローが不可欠

第二新卒は、一度短期離職を経験しているため、入社後に再び「思っていたのと違った」というギャップを感じ、早期離職につながるリスクも考慮する必要があります。

このリスクを避けるためには、選考段階での丁寧な情報提供はもちろん、入社後も定期的な1on1ミーティングやメンター制度などを通じて、新入社員の悩みや不安を早期にキャッチし、フォローする体制を整えることが不可欠です。

ポテンシャル採用と第二新卒に関するよくある質問

ここでは、ポテンシャル採用を目指す第二新卒の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。転職活動を進める上での不安や疑問を解消していきましょう。

第二新卒で職歴が短いのですが、ポテンシャル採用で不利になりますか?

必ずしも不利にはなりません。企業が懸念するのは在籍期間の短さそのものより、またすぐに辞めてしまう可能性です。

そのため、短期間で何を学び、なぜ転職を決意したのか、そして次は腰を据えて働きたいという意欲を論理的に説明できれば、不利になることはありません。

ポテンシャル採用の面接では、どのような逆質問をすれば評価されますか?

入社後の活躍や成長を具体的にイメージしていることを示す質問が効果的です。

例えば、「若手で活躍されている方に共通する特徴はありますか」「入社後、早期に成果を出すために身につけておくべきスキルや知識は何でしょうか」といった質問は、高い学習意欲のアピールにつながります。

未経験職種へ応募する場合、志望動機で何をアピールすれば良いですか?

「なぜその職種に興味を持ったのか」という理由と、「これまでの経験をどう活かせるか」の2点を伝えることが重要です。

異業種での経験であっても、例えば営業職で培ったコミュニケーション能力を企画職で活かすなど、ポータブルスキルをアピールしましょう。

まとめ

ポテンシャル採用は、社会人経験が浅い第二新卒にとって、未経験の分野へキャリアチェンジできる大きなチャンスです。一方で、企業にとっては、将来の成長を担う優秀な若手人材を確保するための有効な手段となります。

成功の鍵は、応募者側は自身の「伸びしろ」を具体的なエピソードで示し、企業側は自社が求める「ポテンシャル」を明確に定義し評価基準を統一することです。

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監修者プロフィール

福田 光樹
福田 光樹
株式会社Delight
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