【採用ファネル別】採用のAI活用事例11選!メリットから導入手順まで徹底解説!

新卒採用へのAI導入を検討する際、「本当に効率化できるのか」「自社に合う使い方は何か」と悩む人事・採用担当の方は多いのではないでしょうか。本記事では、新卒採用でAIを活用する具体的な方法から、メリット・デメリット、実際の導入事例までを徹底解説します。

候補者スクリーニングや面接予約の自動化など、すぐに取り入れられる活用法もご紹介。費用感やリスクも含めて解説していきますので、読後には「自社に最適なAI活用の形」が明確になり、社内提案や導入検討の第一歩を踏み出せるはずです。

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株式会社Delight
RecUp事業部 カスタマーサクセス部門責任者

新卒から求人広告事業に従事し、企業の採用課題に向き合う中で、実践的な支援スキルを培う。その後、自社開発のAIを活用した採用支援ツール「RecUp」の営業責任者として、プロダクトを活用した採用戦略の設計・実行支援に従事。並行して自社の採用活動にも深く関与し、事業成長フェーズにおける人材要件定義、母集団形成、採用面接など、実務から戦略まで幅広い領域を担当。現在はカスタマーサクセス部門の責任者として、100社以上の採用支援実績をもとに、採用活動の最適化を支援している。実務と戦略の両視点を持つ実践型の採用コンサルタントとして、現場に寄り添いながらも成果に直結する支援に定評がある。

目次

そもそもAIを活用した採用とは?

採用課題AIによる解決アプローチ
スカウト送信に割ける時間が不足している候補者ごとに最適化したメッセージをAIが自動生成・配信する
書類選考に時間がかかりすぎるエントリーシートの内容をAIがスコアリングし判断材料を提供する
面接官によって評価にばらつきが出る対話型AIが一貫した基準で面接を実施し評価を構造化する
適性検査の結果を採用後の活躍予測に活かせていないAIが検査データと入社後のパフォーマンスを分析し人材要件に反映する
応募者からの問い合わせ対応に工数がかかる生成AIチャットボットが24時間体制で疑問に回答する

AIを活用した採用とは、書類選考や面接、母集団形成、適性検査といった採用プロセスの一部または全体に、生成AIや機械学習などの技術を組み込む取り組みを指します。従来は採用担当者が個別に対応していた業務を自動化・効率化することで、限られた人員でも質を保ちながら選考を進められる点が特徴です。

近年は候補者ごとにカスタマイズしたスカウト文を自動生成するサービスや、対話型のAI面接、AIによるエントリーシートのスコアリングなど、活用領域が急速に広がっています。単なる作業の自動化にとどまらず、候補者体験の向上や選考の公平性の担保にもつながる点が評価され、業種・企業規模を問わず導入が進んでいます。

AIが解決できる採用課題は、企業によって異なります。以下の表で、代表的な課題と活用領域の対応関係を整理しました。

採用活動でAIを使うことで得られる5つのメリット!

新卒採用にAIを導入することで、採用活動の効率化と成果向上を同時に実現できます。2023年度の調査によると、採用活動においてAIツールを活用した企業は全体の43.0%に達しています。

特に応募者への個別対応件数が多くなる適性検査、書類選考、面接の選抜フェーズで負担軽減率が高く、AIが人による仕事の補完的な役割を果たしている様子がうかがえます。ここでは、新卒採用でAIを使うことで得られる5つの主要なメリットについて解説します。

①採用の効率を高められる

採用活動にAIを取り入れることで、これまで担当者の手作業に依存していた多くの業務を自動化・効率化することができます。

採用効率の向上は、単に「楽になる」という話にとどまりません。**AIがスカウト送信や応募管理を自動で回し続けることで、担当者のコンディションや繁忙状況に左右されずに採用活動を安定的に維持できるようになります。**

採用効率の向上は採用コストの削減や採用スピードの改善にも波及するため、AI活用がもたらす最初の成果として実感しやすい変化でもあります。

②採用コストを削減できる

採用活動にはさまざまなコストが発生します。求人広告費・採用代行費・人材紹介手数料・担当者の人件費などが主な支出項目ですが、AIを活用することでこれらのコストを抑える効果が期待できます。

AIスカウトを導入することで、人材紹介会社への依存度を下げながら自社採用チャネルを強化できます。採用代行を外部委託していた業務を内製化できるようになれば、一人採用あたりのコスト削減につながります。ESのAI選考を導入することで担当者の工数を削減できれば、同じ人員でより多くの採用活動をこなせるようになります。

中長期的な視点で採用コストを管理したい企業にとって、AIの導入は合理的な選択肢の一つです。

③マッチング精度を高められる

AIを活用した採用では、過去の選考データや入社後の活躍度・定着率などのデータを学習に用いることで、「この企業で実際に活躍できる人材」を特定する精度を高めることができます。人の直感や主観に頼った判断では見落とされがちな候補者の可能性を、データに基づいて評価できる点が大きな強みです。

マッチング精度が向上することで、入社後の早期離職やパフォーマンス不足によるミスマッチを未然に防ぎやすくなります。採用担当者の主観によるバイアスを排除し、一定の基準で候補者を評価できるため、多様なバックグラウンドを持つ人材を公平に評価する体制づくりにも貢献します。

採用の「量」だけでなく「質」を高める手段として、AIによるマッチング精度の向上は採用活動の根幹を支える重要な役割を担います。

④選考の公平性や一貫性を確保できる

AIを活用することで、面接官による評価のばらつきを抑え、選考の公平性と一貫性を確保できます。AI面接では、すべての候補者に対して同じ質問を行い、統一された評価基準で分析します

表情や声のトーン、言葉遣いなどを客観的に数値化するため、面接官ごとの主観ブレが排除され、公平な評価が実現します。選考の公平性が担保されることで、企業の信頼性向上やコンプライアンス遵守にもつながります。

⑤選考スピードを早められる

新卒採用において選考スピードは、候補者の志望度維持や内定辞退の防止に大きく関わる要素です。応募から返信までに時間がかかったり、書類選考の結果通知が遅れたりすると、学生が他社へ優先度を切り替えてしまうことがあります。

AIを活用することで、応募後の初回連絡・書類選考の一次評価・面接日程の調整などを自動化でき、人手による処理を介さずに選考が進む仕組みが作れます。候補者を待たせる時間が短縮されることで、学生の企業への関心を維持しやすくなります。

採用競争が激しい時期には、他社より早く内定を出せる体制が優秀な学生の確保につながります。スカウトへの返信が来た際の迅速なフォローも含め、選考全体を通じて素早く対応することが候補者の安心感や信頼感につながっていきます。

関連記事:AI採用を行うメリットとは?効果的に行うポイント・活用事例を徹底解説

採用でAIを使う時の注意点は?

新卒採用でAIを活用する際には、効果を最大化し、リスクを最小化するためのいくつかの重要なポイントがあります。最も重要なのは、AIに判断を丸投げせず、人間が最終意思決定を行うという原則です

ここでは、新卒採用でAIを使う時に注意したいポイントについて解説します。

AIに判断を丸投げせず、人間が最終意思決定を行う

AIは大量のデータを処理し、客観的なスコアや分析結果を提供することが得意です。しかし、採用という人の可能性を評価する行為には、データだけでは測れない要素も多く含まれています。AIの判断結果はあくまでも参考情報として活用し、最終的な採用決定は人間が下すという運用設計を維持することが重要です。

ソフトバンクや横浜銀行の事例でも紹介したように、AIが不合格と判断した候補者についても人事担当者が再確認するプロセスを設けています。これは単なる保険ではなく、AIの判断が常に正しいとは限らないという認識を組織として持つための仕組みです。

採用候補者の人生に関わる判断をAIのみに委ねることは、企業としての責任放棄につながりかねません。AIの出力結果を盲信せず、人間の目でもしっかり確認するプロセスを設けることが、採用の質と公平性を守るために欠かせません。

学習データのバイアスを定期的に検証・是正する

AIは過去のデータを学習して判断を行うため、学習データに偏りがあれば評価にも偏りが生じることがあります。たとえば、特定の大学出身者や特定の性別・年齢層が多く採用されてきた歴史があると、AIがその傾向を「正解パターン」として学習してしまう可能性があります。

このようなバイアスが蓄積されると、本来は採用されるべき多様な人材が弾かれてしまうという問題につながります。AIのアルゴリズムや学習データを定期的に見直し、偏った傾向が生じていないかを検証する体制を整えることが重要です。

特に採用多様性(ダイバーシティ)を重視する企業においては、AIの評価基準が特定の属性に有利・不利に働いていないかを確認することが欠かせません。AIの評価精度を長期にわたって維持するためには、導入して終わりではなく、継続的なデータ管理と検証の仕組みを整えることが求められます。

導入・運用コストとROIを事前に試算する

AIツールの導入には初期費用や月額の利用料金、データ整備の工数、社内研修の費用など、さまざまなコストが伴います。導入前にこれらを正確に把握し、期待できる成果と照らし合わせた上で費用対効果を判断することが重要です。

ROI(投資対効果)を試算する際には、削減できる工数・採用単価の変化・内定承諾率の向上・早期離職率の低下などを指標として設定し、定量的に測定できる体制を整えると評価がしやすくなります。

「とりあえず導入してみる」ではなく、解決したい課題と期待する成果を明確にした上で投資判断を行うことが、無駄なコストを防ぐポイントになります。事前の試算と導入後の効果検証をセットで行うことが、AI活用を採用活動の実質的な改善につなげるための重要なプロセスです。

個人情報保護とセキュリティ体制を徹底する

AI採用ツールでは、学生の個人情報や選考結果など機密性の高いデータを扱うため、個人情報保護とセキュリティ体制の徹底が不可欠です。具体的には、収集する個人情報は新卒採用に必要な範囲に限定し、不必要な情報を過剰に収集しないことです。

AIツールのベンダーが適切なセキュリティ対策を講じているか、データの保管場所や暗号化の有無を確認することも必要です。

学生へのAI活用説明と透明性確保を行う

採用選考にAIを活用する場合、学生に対してその旨をきちんと説明し、理解を得た上で進めることが信頼関係の維持につながります。AIを活用していることを隠したまま選考を進めると、学生や社会からの不信感につながるおそれがあります。

学生側には「AIにどのような情報を評価させているか」「評価の最終判断は人間が行うか」といった点を明示することで、選考への安心感を持ってもらいやすくなります。採用選考における透明性の確保は、学生からの心理的な抵抗感を和らげるだけでなく、企業のイメージ向上にも貢献します。

AI活用に際して学生との信頼関係を築くことは、採用の長期的な成果を守るためにも重要な姿勢です。採用の透明性を高める取り組みは、優秀な学生を引きつけるブランディングにもつながっていきます。

関連記事:AI採用の問題点とは?メリット・デメリットや成功させるためのポイント・導入している事例を解説!

【採用ファネル別】AI採用の活用シーンと事例10選一覧!

採用活動は母集団形成から書類選考、面接、内定フォローまで複数の段階に分かれています。それぞれのファネルによって、AIに求められる役割は異なります。

ここでは実際にAIを導入した企業を、どの選考フェーズで活用しているのかという視点で一覧化しました。自社の課題に近い事例を探す参考にしてください。

企業名主な活用フェーズ
東栄ホームサービス株式会社母集団形成(スカウト自動化)
株式会社オルグ母集団形成(スカウト自動化)
株式会社サイバーエージェント応募前接点・カジュアル面談
アイレット株式会社応募前接点(問い合わせ対応)
ソフトバンク書類選考
横浜銀行書類選考
未知株式会社適性検査
株式会社荏原製作所適性検査・人材分析
株式会社西松屋チェーン面接選考
キリンホールディングス面接選考

母集団形成で活用されるAI採用の事例

母集団形成は、採用活動全体の入り口にあたる工程です。スカウト送信の工数不足によって、十分な応募者数を確保できずに悩む企業は少なくありません。

ここでは、AIスカウトサービスの導入によって母集団形成の課題を解決した企業の事例を紹介します。限られた人員でも成果を出す工夫が見えてきます。

東栄ホームサービス株式会社

東栄ホームサービス株式会社は、26卒・27卒を同時に進める中でスカウト送信に割く時間が確保できず、母集団形成に課題を抱えていました。採用担当者が内定後フォローや面談調整などの業務も並行して担当しており、スカウト業務が後回しになりがちだったといいます。こうした状況を改善するため、AIスカウトサービス「RecUp」を導入することを決定しました。

RecUpの導入により、候補者ごとに最適化されたスカウトメッセージをAIが自動で生成・送信できるようになり、担当者が一通一通の文面を考える手間が大幅に削減されました。業務負担が軽減されただけでなく、スカウトの送信量・送信品質ともに安定し、承認者数が90名を超える成果を達成しています。

スカウトを受け取った学生の企業への関心も高く、選考への接触数が増加したことで、母集団の形成という根本的な課題が解消されつつあります。AIが継続的に候補者へアプローチし続けることで、採用担当者が本来注力すべき選考・フォロー業務に集中できる環境が整いました。

関連記事:「スカウト業務を自動化し、承認者数90名超を実現」AIスカウトで母集団形成を効率化した事例

株式会社オルグ

基幹業務システムの設計開発やITコンサルティングを主業とするSIer企業の株式会社オルグでは、採用業務を担う専任スタッフが配置されておらず、人事担当者が他の業務と並行しながら採用活動を進めていました。RecUp導入前は、1週間あたりのスカウト配信が10件から20件程度にとどまり、十分な応募者プールを形成できないという問題に直面していたといいます。

RecUpの導入によって、AIによる自動化機能が力を発揮し、配信件数が大きく増加。結果として応募候補者プールが倍増するという効果が得られました。特に効果が顕著だったのが、AIによる個別最適化されたスカウトメールの自動配信の仕組みです。

さらに、学生が最もメールを確認しやすい時間帯を狙って自動配信する機能により、開封率と返信獲得率が大幅に向上しました。専任担当者がいない体制でも、AIが業務の一部を代替することで、限られたリソースの中で成果を伸ばせることを示す好例です。

関連記事:AIスカウトサービス「RecUp(リクアップ)」とは?サービスの特徴と導入事例を徹底解説!

応募前接点・カジュアル面談におけるAI採用の事例

応募を検討している段階の候補者との接点は、その後の選考体験を左右する重要な工程です。問い合わせ対応の負担や、選考前の評価にかかる工数は、多くの企業に共通する課題といえます。

ここでは、応募前の段階からAIを取り入れることで、候補者との接点を強化した企業の取り組みを紹介します。

株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントは、対話型AI面接サービス「PeopleX AI面接」を新卒採用における選考前評価の場面で導入しました。応募者ごとに面接の日程調整を行う必要がなく、24時間いつでもどこからでも面接を受けられる環境を整えた点が特徴です。

このサービスは、候補者に寄り添う対話型のAI面接官として設計されており、公平・客観的な面接機会の提供と、公正な採用選考の実現を目指しています。企業側にとっても、より多くの面接を実施しながら面接対応の工数を削減できるというメリットがあります。

面接終了後は、録画データと文字起こしをもとに個々の面接内容を確認できるほか、評価レポートによって選考判断の指標を得られる仕組みも備えています。選考前の評価という早い段階でAIを取り入れることで、その後の本選考をより効率的に進められる体制を構築している事例です。

アイレット株式会社

新卒採用ページに数多くの問い合わせが寄せられていたアイレット株式会社では、電話やメールでの対応に時間がかかり、対応業務の工数が増加していることが課題となっていました。

そこで同社のDX開発事業部は、Google Cloudの生成AIサービスを活用したチャットボットの導入を提案・実施しました。自然言語理解プラットフォームを用いてローコードで開発し、質問と回答の組み合わせデータを蓄積することで回答精度を高めています。

回答にふさわしい情報が見当たらない場合は「回答が見つかりません」と表示する設計にすることで、ハルシネーションによる誤情報の発生を防止する工夫も施されました。プロジェクト開始からわずか2カ月という短期間で実用化に至り、24時間対応可能な体制を実現しています。会話履歴をデータ分析基盤に蓄積し、今後の採用サイト改善にも役立てられる仕組みとなっている点も注目です。

書類選考で導入が進むAI採用の事例

書類選考は、応募者数が多い企業ほど時間と工数がかかりやすい工程です。担当者による評価のばらつきや、確認作業にかかる負担を減らしたいというニーズは根強くあります。

ここでは、書類選考にAIを取り入れることで、業務効率化と評価の客観性向上を両立させた企業の事例を紹介します。

ソフトバンク

ソフトバンクは新卒採用のエントリーシート(ES)選考にAIを導入し、選考業務の効率化と評価精度の向上を実現しました。同社はIBMが提供するAI・データ分析プラットフォーム「IBM Watson」を活用し、過去の選考データをもとにESの内容を自動評価する仕組みを構築しています。

応募者の文章に含まれる論理的な一貫性や表現力を数値化し、評価基準の標準化を図ることができるようになりました。AIが不合格と判断した場合でも、人事担当者が必ず再審査を行う体制を整えており、最終判断は人間が行う運用設計になっています。

この取り組みによって、ESの確認作業にかかる時間が年間680時間から約170時間へと削減され、約75%の工数削減を実現しました。空いた時間を面接対応や候補者フォローなどのより重要な業務に振り向けることができるようになっています。

選考基準の属人化を防ぎ、どの担当者が担当しても一定の評価水準を保てるという点で、公平性の担保という観点でも意義のある取り組みです。

横浜銀行

横浜銀行は、株式会社フューチャーアーキテクトが開発した人工知能「KIBIT」をエントリーシート選考に活用し、選考業務の大幅な効率化を実現しました。KIBITはESに込められた応募者の「熱意」や「志望度」をAIが解析してスコア化する仕組みで、従来の選考では見落としがちだった定性的な情報を定量的に評価できる点が特徴です。

書類選考の最終判断は担当者がESに目を通した上で行う体制を維持しながら、AIによるスコアリングを補助ツールとして活用しています。過去データを使ったバックテストでも、選考フェーズが進むにつれて通過者の平均スコアが上昇し、辞退者のスコアが全フェーズで低い傾向が確認されており、KIBITが潜在的な志望度を表す指標として機能していることが裏付けられています。

この取り組みにより、選考時間を約70%削減することに成功しました。削減された時間を活かして、採用担当者は面接や内定者フォローといった対人業務により多くのリソースを投入できるようになっています。

適性検査の実施・分析におけるAI採用の事例

適性検査は、応募者の特性や志向を客観的に把握するための重要な手段です。検査結果をどのように採用や配属、その後の育成に活かすかによって、成果は大きく変わってきます。

ここでは、AIを活用した適性検査によって、採用の質や組織づくりにつなげている企業の事例を紹介します。

未知株式会社

未知株式会社では、以前から採用の場面で「ミキワメAI適性検査」を有効活用していました。その一方で、組織の状態を定量的に把握できていないという課題を抱えていたといいます。

社員のエンゲージメントが低下していたことで、仕事を休む社員が毎日3人ほど発生し、離職につながるケースも見られる状況でした。そこで同社は、個人へのアプローチに注力したいという考えのもと、個々のスコア変化を把握し、個別の対策を打てる「ミキワメAIウェルビーイングサーベイ」の導入を決定しています。

サーベイを定期的に配信することで、スコアの変化を継続的に把握できるようになりました。「一番低い回答しかつけない」「一番高い回答しかつけない」といった回答傾向の特徴も可視化できるようになった点が、運用面での工夫といえます。採用時の適性検査データと入社後のサーベイデータを組み合わせることで、採用から定着までを一貫して支援できる体制につながっています。

株式会社荏原製作所

1912年創業の株式会社荏原製作所は、イノベーション創出につながる人材をどのように見極め、惹きつけるかという課題に長年向き合ってきました。面接や配属の場面で、本来ポテンシャルのある人材が選考に残らないケースが起きているのではないかという疑問が、取り組みの出発点だったといいます。

そこで同社は、独自のアルゴリズムによる「ピープルアナリティクスAI」を開発・導入しました。適性検査やエントリーシート、面接での言葉や表情といった生体信号までを解析し、人材タイプを分類する仕組みです。これにより、性別や国籍といった表層的な属性ではなく、能力やバックグラウンドといった目に見えない多様性を可視化できるようになりました。

さらに、この分析結果をもとに「アンバサダー」という新たなジョブを設置し、学生への認知からオンボーディングまで一貫して寄り添う体制を構築しています。一連の取り組みは、HRテクノロジー大賞の採用部門優秀賞を受賞するなど、外部からも高く評価されました。

面接選考の実施に活かすAI採用の事例

面接選考は、候補者と企業が直接向き合う重要な工程である一方、面接枠の不足や評価のばらつきといった課題が生じやすい場面でもあります。

ここでは、AI面接の導入によって、選考のスピードと公平性を両立させた企業の事例を紹介します。数値で成果が示されている点にも注目してください。

株式会社西松屋チェーン

全国に1,200店舗近くを展開する株式会社西松屋チェーンでは、海外応募者との時差による日程調整の難航や、選考リードタイムの長期化による人材の流出が課題となっていました。従来の一次面接は担当者2名体制で実施していたため、面接枠にどうしても限りがあったといいます。

そこで2025年11月に、AI面接サービス「harutaka AI面接」を新卒採用のプロセスに導入しました。志望動機やこれまでの経験に加え、応募者の回答内容に応じてAIが深掘り質問を生成する仕組みを取り入れています。

導入後は、応募者が面接を受けやすくなったことで、一次面接の受験者数・合格者数がともに従来の約1.5倍に増加しました。あわせて、採用担当者が一人あたりにかける工数は約75%削減されています。評価には必ず人の目を通す運用を徹底しており、AIによる効率化と、選考の公平性の担保を両立させている点が特徴です。

キリンホールディングス

キリンホールディングスは、2024年10月のトライアル導入を経て、新卒採用の選考プロセスに「AI面接官」を本格導入することを決定しました。このシステムはAIが応募者に対して定められた質問を行い、回答内容を言語解析・感情分析によって評価するものです。書類選考から一次面接の日程調整・実施・評価・申し送りまでを一括してAIが担当する仕組みになっています。

24時間365日いつでも面接を受けられるため、応募者の利便性が大幅に向上します。対面面接と異なり、時間帯や場所を問わず選考を受けられるという点は、学生にとっても企業にとっても大きなメリットです。

導入効果として、選考対象者数が約20%増加し、初期選考にかかる時間が97%減少するという成果が見込まれています。経済産業省が定める社会人基礎力を含む16項目での評価が可能で、定量的なデータに基づく採用判断の実現を目指しています。

AIを採用活動に活用する際の導入方法とは?

  1. ① AI活用の目的整理と解決すべき課題の明確化
  2. ② 課題解決に向けたソリューションの検討・選定
  3. ③ 導入計画の設計と運用準備
  4. ④ トライアル導入と効果検証
  5. ⑤ 本格導入および運用定着

AI活用の効果を最大限に引き出すためには、導入前の計画段階から運用定着まで、段階を踏んで丁寧に進めることが重要です。ツールを選んで導入するだけでは期待した成果が得られないケースも多く、目的の明確化や体制整備なしには途中で機能しなくなる可能性もあります。

以下では、AIを新卒採用に活かすための5つのステップを解説します。

① AI活用の目的整理と解決すべき課題の明確化

AIを導入する前にまず行うべきは、自社の採用活動における課題の棚卸しです。「スカウトを送る時間が足りない」「ESの選考に時間がかかりすぎる」「内定後の辞退が多い」など、具体的な課題を洗い出すことが出発点になります。

課題が明確でないままAIを導入してしまうと、「何のためにAIを使っているのか」が曖昧になり、ツールを使うこと自体が目的化してしまいます。これでは本質的な改善につながりません。

「ESの選考に年間400時間かかっているのを200時間以下に減らしたい」「スカウトの送信数を月300通から1,000通に増やしたい」のように、数値で目標を設定できると成果の検証もしやすくなります。AI活用の出発点は常に「何を解決したいか」にあります。この問いに対して明確な答えを持つことが、導入成功の最初の条件です。

② 課題解決に向けたソリューションの検討・選定

解決すべき課題が定まったら、それに対応できるAIツールやシステムの検討に移ります。採用領域に特化したAIツールは多数登場しており、スカウト自動化・ES解析・AI面接・適性検査分析・チャットボットなど用途によって最適なソリューションが異なります。

ツール選定においては、大きく「既存のAIツールを導入する」か「自社専用のAIシステムを開発する」かという方向性を検討する必要があります。既存ツールは導入コストが低く短期間で運用を開始できる一方、自社特有の採用基準への対応に限界がある場合もあります。

多くの企業では既存ツールの活用から始め、課題が解消されない部分のみカスタマイズや自社開発を検討するというアプローチが現実的です。機能面だけでなく運用のしやすさ・コスト・サポートの質を総合的に判断することが求められます。

③ 導入計画の設計と運用準備

ツールが決まったら、実際の導入に向けた準備を進めます。AIが適切に機能するためには、学習データの整備が欠かせません。過去の選考データ・入社者のプロフィール・定着率・活躍度などの情報を整理し、AIが参照できる形にまとめる作業が必要になります。

個人情報を含むデータを扱う以上、データ管理ルールの整備とセキュリティ対策の確認も同時に進める必要があります。情報の利用目的や保存期間、アクセス権限の範囲を定めた社内規程を策定しておくことが、安全な運用の前提となります。

運用を担当するチームへのトレーニングも導入計画の中に含めることが大切です。導入計画の段階でデータ・体制・ルールの三つを整えておくことが、スムーズな運用開始につながる重要なステップです。

④ トライアル導入と効果検証

本格導入の前に、まずは小規模なトライアルを実施して実際の効果を検証することが推奨されます。たとえば、特定の職種の選考にのみAIを適用し、その結果と人事担当者の評価を比較することで、AIの精度や実用性を確認できます。

トライアル期間中は、設定した目標指標に対してどの程度の成果が得られたかを定期的に記録します。AIの評価が人事担当者の判断と乖離していないか、特定の属性に対する偏りが生じていないかも確認の対象になります。

この段階での検証を丁寧に行うことで、本導入後に想定外の問題が発生するリスクを低減できます。また、社内のステークホルダーに対して「AIがどのように機能しているか」を可視化して見せることで、理解と協力を得やすくなります。

⑤ 本格導入および運用定着

トライアルの結果を踏まえて本格導入を決定したら、これまでのデータや学びを活かして本運用の設計を行います。対象となる選考フェーズや活用範囲を広げ、AIが採用活動の中で一定の役割を担う体制を整えていきます。

本格導入後も「導入して終わり」ではなく、運用しながら継続的に改善を続けることが重要です。AIの評価精度は時間とデータの蓄積とともに向上していく側面があるため、定期的にパフォーマンスを確認し、必要に応じて設定を見直す運用サイクルを作ることが求められます。

採用シーズンごとに効果を振り返り、改善点を次のシーズンに活かしていくPDCAサイクルを回すことで、AI活用の効果は年々高まっていきます。

【自社事例】AIを活用して採用を成功させたDelightの事例を紹介!

Delightにおける26卒の採用では、最終的に12名(内定辞退者を含めると13名)を採用し、採用単価は75万円という結果になりました。

特殊な採用方法としては、Wantedly経由の長期インターンからそのまま内定に至ったケースがありました。実際に活躍している人材の例として、インターン開始から5カ月で月間売上400万円超えを2カ月連続で達成したメンバーや、稼働開始から4カ月で初商談・初受注を経験し、5月から人事専任として活躍しているメンバーもいます。

自社が求める人物像に近いメンバーがインターンや採用につながりやすく、ミスマッチが少ない点も特徴です。「仕事に没頭する」「部活動のように熱中する」というDelightらしい打ち出し方に共感する、やる気のある学生とつながれている実感があります。

採用活動のAI活用に関するFAQ

新卒採用でAIを活用することに関して、採用担当者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。疑問を解決し、AI導入の検討にご活用ください。

Q:新卒採用にAIを導入している企業はどれくらいありますか?

冒頭でも触れた通り、野村総合研究所の「IT活用実態調査(2025年)」によると、2025年度に生成AIを「導入済み」と回答した企業の割合は57.7%に達しています。新卒採用に特化したデータでは、2023年度の調査で約43%の企業が採用活動にAIツールを活用しているという結果が出ています

新卒採用でのAI導入は特別なことではなく、今後の採用活動におけるスタンダードになりつつあるのです。

Q:AIは新卒採用のどのプロセスで使われていますか?

2023年度の調査によると、採用活動においてAIツールを活用した企業の具体的な活用内容として、「求人票の作成」が60.5%で最も高く、次いで「スカウト」「WEB面接」が各31.4%となっています。

新卒採用活動の初期フェーズから選抜フェーズまで幅広く活用されており、特に応募者への個別対応件数が多くなる適性検査、書類選考、面接の選抜フェーズで負担軽減率が高いという結果が出ています。

Q:AI導入によって学生からの印象が悪くなることはありませんか?

適切に説明と透明性を確保すれば、学生からの印象が悪くなるリスクは低いと考えられます。マイナビの調査では、2026年卒学生の82.7%がAIを利用した経験があり、就職活動でも66.6%がAIを活用しています。

学生側もAI活用が当たり前になっているため、企業が新卒採用にAIを導入すること自体には抵抗感が少ないと言えます。透明性の高い選考プロセスは、むしろ企業の先進性や公平性をアピールする機会にもなるでしょう。

Q:自社にAI採用ツールが向いているか判断するポイントは何ですか?

自社にAI採用ツールが向いているかを判断するポイントは、主に新卒採用規模、抱えている課題、投資可能な予算の3つです。目安として、年間50名以上の採用を行っている企業では、AIによる効率化効果が費用を上回る可能性が高いと言えます

まずは一部の業務から試験導入し、効果を検証してから本格導入を検討する段階的なアプローチも有効です。

Q:AI導入後、人事担当者の役割はどの程度残りますか?

AI導入後も、人事担当者の役割は大きく残ります。むしろAI導入により、人事担当者はより付加価値の高い業務に集中できるようになります

具体的には、AIが生成したスカウトメールの最終確認と調整、候補者との深い対話を通じた個性やポテンシャルの見極め、企業の魅力を伝えるための採用広報活動など、人間ならではの創造性や共感力、判断力が求められる業務に時間を使えるようになるでしょう。

AIを新卒採用で使うなら「RecUp」がおすすめ!

新卒採用でAI導入を成功させるためには、学習データのバイアス検証、費用対効果の試算、個人情報保護の徹底、学生への丁寧な説明といった注意点を押さえることが求められます。そのため、自社の新卒採用課題に合わせて、適切なAIツールを選定し、段階的に導入を進めていく必要があります。

新卒採用でAIを活用するなら、自動AIスカウトサービス累計導入企業数No.1の「RecUp(リクアップ)」がおすすめです。RecUpは、求人媒体の選定からスカウトメール作成・配信、応募者対応まで、スカウト業務をワンストップで支援します。

AIが候補者のプロフィールを分析し、候補者ごとにパーソナライズされたメッセージを自動生成・配信するため、スカウト送信数を大幅に増やしながら、高い承認率を実現できます。導入後は専任のカスタマーサクセス担当が課題解決をリードし、スカウト文面の改善から応募率向上まで、成果につながる運用を一貫してサポートします。

詳しいサービス内容や導入事例については、RecUpの公式サイトよりご確認ください。

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採用担当者は「戦略」に専念できます。

参考出典

PeopleXの対話型AI面接サービス「PeopleX AI面接」、サイバーエージェントの新卒採用における選考前評価にて導入
https://peoplex.jp/news/20251029/

開発期間わずか2ヶ月で生成AIチャットボットを実用化!ハルシネーションを防ぐ仕組みを構築し、問い合わせ対応工数の大幅削減で業務効率化・DXを推進
https://www.iret.co.jp/works/24-28.html

AIを活用した採用・選考の効率化|導入メリットと倫理的な注意点
https://start-link.jp/hubspot-ai/ai/ai-tools/ai-recruitment-selection-guide

横浜銀行、新卒採用にAI活用 業務効率化図る:エントリーシート選考で
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1804/06/news080.html

ミキワメAI導入事例を10社紹介|適性検査・サーベイ活用の効果とは
https://mikiwame.com/lab/entry/mikiwame-introduction-example/

新たなジョブ「アンバサダー」とデータを組み合わせた採用は、面接やオンボーディングに何をもたらしたか
https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=3826

「採用担当の本業は魅力づけ」AI面接で実現した、24時間止まらない選考とリードタイムの大幅削減
https://harutaka.jp/case/16131

AI面接が内定承諾率を変える|企業事例5社の定量データと導入効果まとめ
https://www.ailead.app/blog/ai-interview-acceptance-rate-improvement-cases

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